英検1級道場-一文がやたら長い英文解釈はこうします―ニューヨークタイムズ記事の実例②
準1級 2020年度第1回 リスニングパート 2 の中に、”Coventry”という名前がでてきます。今日はコベントリーについて紹介します。
第二次世界大戦が始まって8ケ月後、1940年5月にドイツは、イギリスへの侵攻を企図して、イギリス全土に大規模な空襲を行いました。
その時、ドイツ空軍の爆撃機を迎え撃ったのは、スピットファイアという戦闘機です。日本で言えば、ゼロ戦のようなものです。
この戦闘機のエンジンは、ロンドン郊外にあるコベントリーという町の、ロールスロイスの工場で生産されていました。
ドイツ空軍は、そのエンジン工場を壊滅させるために、コベントリーに大規模な空襲を計画しました。
チャーチル戦争内閣は、ドイツ最高司令部の最高機密をスパイを通じてすべて事前に知っていたので、対策を考えましたが、事前に避難命令を出すとドイツ側に暗号が解読されていると感ずかれるので、空襲警報をわざと出しませんでした。
そのために、コベントリーの町は壊滅し、数千人の死者を出しました。しかし、チャーチル戦争内閣は、戦争を勝利に導くためには仕方ないことと腹をくくっていました。
最終的にイギリスは、ドイツに対して勝利します。しかし、第二次世界大戦の影に、戦争に勝利するという大戦略の前には、数千人の住民の犠牲も致し方ないという冷酷な決定がなされたことを忘れてはなりません。
コベントリーの名前を聞くたびに、私はこのエピソードを思い出します。