コールセンターの運営課題 オペレーター一人当たりの生産性を改善し利益を生み出そう
コールセンターでよくあがる問題として、応対の品質向上という問題があります。ではその品質改善、だれがどのように行えばいいのでしょうか。自分が過去に実施した実証実験などもふまえて、ここではお伝えします。
目次
コールセンター白書の運営課題 品質の向上が必要になる背景とは??
コールセンター白書の運営課題 品質の向上に必要なKPI(重要管理指標)とは??
コールセンター白書の運営課題 品質の向上に必要な改善方法(取組み)とは??
コールセンター白書の運営課題 品質の向上を加速させるために、誰でもベテランのように成れるのか?? どんな対策が必要なのか??
コールセンター白書の運営課題 品質の向上 について
電力さまコールセンターで実施中の実証実験で、ある日。
QA(品質管理担当)役を兼務するSV(スーパーバイザー)から、最近コールセンターに入ってくる子たちって
- 話題作りが出来ていない
- クレームになると直ぐに泣くし
- AHT(平均処理時間)が長いし
- なにかと質問してきて、すぐエスカレーションを求めてくるし
- やる気が足りないし
- スキル不足対策で悪いところを親切に教えてあげると愛想よく分かりましたって言う。しかし、何時までたっても応対を完結させるのは自己責任と云う事を理解できないし
- 欠勤が多くなるとカウントダウンしたように辞めていくし・・・・。
- 傾向が分かるから、次の求人の事前準備がしやすいけれど、採用してすぐ辞めてしまう。教えるのが面倒です。
- これって、なんとかならないですか。
と対応の打診を受けました。
図 目標と新人の応対のイメージ
この打診を受けた時、自分がソフトウエア開発部門からコールセンターのシステム設計と構築を担当する専任システムエンジニアに転向した1995年1月の経験を思い出しました。
電話とコンピューターをシステム連係させるコールセンターに不可欠なCTI技術も社内初のチャレンジです。
当時、コールセンターほとんど無い時代です。先輩に聴いても「教えてあげられない」と謝っていました。
資料作成だって周りはWordもExcelも使っていません。Windowsもフロッピーディスクを買ってきてPC98にインストールするところから始めました。
本当に、右も左も分からない状態で試行錯誤しながらプロジェクトについていく事が精いっぱいでした。そのプロジェクトは、お客さまとの納期を守るために毎日社内打ち合わせを行います。今みたいにオンラインミーティングが気軽にできないから、社内打ち合わせをするにも電車で移動する必要がありました。
毎日終電まで残業して、週二回の徹夜で打合せ資料を作成していても周りが期待される成果を出せない時、当時のお客さまを含めプロジェクトメンバーからこれでもか!!と云うぐらい、攻撃され、辛い経験をしてきました。同じ部門からプロジェクトに選抜された5人の中で4人が痛んでプロジェクトから離脱することになり、自分が攻撃されることも辛かったけれど、仲間が痛んで会社を休むようになっていく過程で助ける事が出来なかった事が悔しくて今でも後悔しています。
その経験から、その時の仕返しを誰かにしようとは考えていません。
どちらかと云うと、辛い経験をしてきたからこそ、成長過程の未経験者の立ち上げに貢献できるチャンスだと考えました。直ぐにコールセンター長に打診を受けたことを電話して、了解を取り付け実際のところを調べる事になりました。
進め方は、実証実験としてコールセンター白書の運営課題にも掲載されている『応対品質の向上って何??』と云う感じで検証を始めました。
この実証実験で、沢山分かったことが有りますが話が発散してしまうため、分かったことから、実際の応対を観察した結果の一例を引用してご紹介いたします。
①ベテランオペレーターは、話題が豊富で矢継ぎ早に利用者に問いかけて、解を導き出し提案して感謝されている。
所感→モニタリングしていて、安定した応対で安心して聴く事が出来ます。そのため応対を録音したデータは新人教育などのサンプルになっています。
②経験が少ないオペレーターは、聴かれたことに応えるために採用教育で勉強した資料を探し答えています。
所感→モニタリングしていて、聴き方が違う!! 話しを遮るな!! 黙っていないで何か話せ!!
等のアドバイスがSVから多くだされ、指摘処が満載でした。
この実証実験で分かったことは、
ベテランOP(オペレーター)は応対時の主導権を握っています。
更に、ベテランOPは、自身で展開する文脈を頭の中で描いているため、休む間もなく矢継ぎ早にお客さまを質問攻めにしていきます。
その成果は、お客さま自身がたどり着けなかった『気づき』にたどり着き、そこからはちょっとした提案でも満足され感謝されている応対の割合の多さが目立ちます。
一方、経験が少ないオペレーターは応対時の主導権をお客さまに任せています。
聞かれた事に回答する所謂『一問一答型』の応対スタイルです。
スピードのコントロール権はお客さまが持っているため、新人オペレーターの『一問一答型』の応対スタイルでは、AHTの短縮が出来ない事が分かりました。
このコラムを読んでいる方の中には「当然!!」と感じるかもしれませんが、実証実験の中間報告を受けたセンター長は「知らなかった」と驚かれていました。
先ほどご紹介した中間報告で明らかになった事に対して、さらにベテランと新人の違いにスポットを当てて、
- 誰でもモニタリングしたベテランのように成れるのか??
- ベテランのようになるためには、どんな対策が必要なのか??
について実証実験を進め分かったことを中心にしてその概要を今回のコラムでご紹介していきます。
コールセンター白書の運営課題 品質の向上が必要になる背景とは??
コールセンター白書の運営課題 品質の向上って、本当に必要な解決課題なのでしょうか。
それは理想の姿で、品質の向上が実現出来たら素晴らしいけれど、・・・・。
と考えていませんか。
コールセンター白書の運営課題 品質の向上が必要と回答している背景には、それぞれのコールセンターを運営する中で、多くの人が品質の向上は必須と実感しているからではないでしょうか。
コールセンター白書の運営課題 品質の向上が必須と考えている人の多くは図のようにそれぞれの連鎖をイメージしているようです。
図 理想的なサービスプロフィットチェーン
図のような連鎖を理想的なサービスプロフィットチェーンと呼んでいます。
理想的なサービスプロフィットチェーンとは、①オペレーターの応対支援が充実していれば③生産性が高くなり⑤顧客満足度が向上し⑦リピート購入と成長、⑧従業員の離職率が改善され⑨利益率改善に繋がると云う好ましいプロセスが連鎖し循環する事を示しています。
図 負のサービスプロフィットチェーン
しかし、実証実験を担当させていただいたコールセンターも例外ではなく、先ほどの理想的なサービスプロフィットチェーンを目指しているものの、多くのコールセンターでは、負のサービスプロフィットチェーンの現象が一つや二つ現れている事が起きています。
例えば、お客さまが納得できないと云うクレームが有る、新人オペレーターの応対は一問一答型の応対スタイルになっているためAHTの短縮が出来ない、離職率が10%以上になっているなどです。
脅しではなく、このような現象が仮に表れているようならお客さまは離反していて、辞めてしまったオペレーターの欠員を補充して採用したオペレーター候補がデビュー前にまた辞めてしまう状況を繰り返し、採用費と教育費の回収が出来ない連鎖が続いて利益率を悪化させていきます。
採用費と教育費が回収できない負の連鎖の被害者は、コールセンター関係者と云うより、経営者や投資家が大きく影響を受ける経費です。
コールセンターで応対を担っているオペレーターもお客さまの不満を解消したい気持ちが有るものの、88%のお客さまは不満が解消されなかったと訴えています。更に受ける教育は採用教育で受けた基本業務がメインで、あくまでも一つの点として教えてもらっています。その点と点を線として繋いでいく作業は、実際の業務で経験を積むことが前提となっているようです。
この前提には、リスクが付いてきます。
一つの点として業務案内をされ満足できなかった利用者の中には、クレームとしてオペレーターを追い込みます。
コールセンターの応対では、電話を切る権利はオペレーターではなくお客さまと云う大原則が有ります。
どんなに馬鹿にされようが、大声で怒鳴られようが、オペレーターは電話を切ることが出来ないのです。利用者の多くは電話を切る権利を持っている事を知っていますから、オペレーターがYesと云うまで、トイレにも行かせてもらえず電話を切ってくれません。
そのため、クレームになるとお客さまとの電話の時間が、60分を超えてしまう事もざらです。
その結果、オペレーターのモチベーションは削られ、欠勤が増えて離職を考え始めます。
欠勤者が増えると生産効率も悪化していき、応答率も下がってしまいます。
応答率の悪化により待たされたお客さまは、オペレーターに繋がった瞬間からイライラしていて、オペレーターはとても不利な状態から話始めなければなりません。
コールセンター白書の運営課題 品質の向上に必要なKPI(重要管理指標)とは??
先ほど、冒頭でご案内した
- 誰でもモニタリングしたベテランのように成れるのか??
- ベテランのようになるためには、どんな対策が必要なのか??
について、考えていきます。
手始めに、多くのコールセンターでも導入されているKPI(重要管理指標)を用いれば、この二つのサービスプロフィットチェーンのどちら側に属するのか一目瞭然です。
以下に代表的なKPIを紹介いたします。
ご紹介したKPIの中で、あなたのコールセンターで採用している指標と採用していない指標とに分かれたでしょうか。
紹介した指標の中には、意味合いが異なる指標もあるかもしれませんが、各コールセンターの歴史の中で意味合いなどは業務に合わせて最適な表現に見直されているはずなので、異なる場合はこんな使い方もあると、受け止めて頂ければ幸いでございます。
そして、気付かれたでしょうか。
このKPIのリストに見慣れない指標を潜り込ませています。
顧客満足度関連の『D)同一問い合わせ率』です。
この指標は、応対時に主導権を握る上で、とても役立つ指標になります。
コールセンター白書の運営課題 品質の向上に必要な改善方法(取組み)とは??
ところで、毎日コールセンターの運営管理に使用しているKPIをどのような位置づけで使っているでしょうか。
自分が担当する実証実験では、KPIの取り扱いは予備知識を使いこなし熟練したヒトが計画した価値や機能に達している事が前提で、熟練者が立てた目標に対する差(ギャップ)を測定し、もっと上を目指すために今の知識や使いこなし方に是正を架けるか、もしくは根本的な変更が必要になるのか否かの判断材料に使うものとして扱っています。
理由は、KPIはコールセンターがお客さまに提供する価値やサービスの中身ではなく、図 管理図で示す通り設定した中心線(基準)に対しての差や割合を把握するための指標だからです。
図 管理図
KPIの応用例として有名になった日本で開催された『ラグビーワールドカップ2019』では、『一人はみんなのために、みんなは一人のために』を合言葉にして組織戦として海外の強豪と互角に戦っていた優勢を観戦して勇気を貰った人も少なくないようです。
ラグビーの各選手の背中にGPSを装着して、理想的な前進・自陣に戻るタイミングやスピード、ボールを投げて受け取る位置やタイミングなど測定値をKPIと比較して改善を加えチーム力を高めたそうです。
ラグビーなどはスポーツであって、仕事とは別世界。
同じ土俵で考えられないと思われていませんか。
仕事も組織を作ってお客さまにサービスを提供するチームだとすると、メンバーは各組織に属するヒト、パスしゴールにタッチするボールは、サービスや製品そして情報に置き換えられると思いませんか。
成熟したスポーツは、世界大会を勝ち抜く事を前提に改善や是正を繰り返し、勝利を勝ち取ります。
仕事だって、お客さまに選ばれるためには、競合他社が提供するサービスや製品に見劣りしない魅力が必要になります。
スポーツと仕事の差は、戦うフィールドが異なるだけで、考え方や取り組み方などは多いに応用できると考えています。
次に、コールセンターの品質管理を担当しているQAやSVも応対品質の向上に立ち向かっていますが、役割や係を分担したら一人で完結する事が当たり前と考える文化が少し残っていると、周りの手助けが得られず情報収集などからつまずいてしまうようです。
なぜ、こんな推測をしているのかと云うと、
先ほどご紹介したコールセンターで使われているKPI一覧の中の『処理品質関連』指標は、知識も自由自在に使い熟せて応用力も高いベテランオペレーターが更に上を目指す時には、威力を発揮する指標だと思いますが、オペレーターになりたてのヒトなどの成長過程の人に使うと『助けを求めている瀕死のヒトの手を払いのける虐め』になってしまいます。そのためこの指標を使う対象の熟練度を良く見極めて使う必要があり機微な指標がリストに載っていて、助けを求めているヒトが助けられているのか心配しているためです。
この『処理品質関連』などの管理指標を前面に打ち出す状態を『自己責任主義の弊害』と呼んでいます。
更に、『自己責任主義』は
- エスカレーションを求めると未熟と判断され、評価が下がってしまいます。そのため、もう我慢できないところまで追い込まれないと相談を受け付けないし、簡単に相談してくる人は、やる気が無い、我慢が足りない、社会人として不適切、・・・・。などと、とても恐ろしい評価が付いて回ることになります。
- 応対品質の向上に対して、個々人が必要なスキルを勉強し成長するのが当たり前。だって、応対はお客さまとオペレーターが個々人で電話を介して向き合っているのだから、オペレーター個人が頑張るのは当たり前と考えられているようです。
- 個人で出来たら褒めるが、出来なかったら評価を下げていく。
と云う、考え方に基づいた判断基準で、先ほどの負のサービスプロフィットチェーンの連鎖が出てきてしまいます。
『個人責任主義』が残っていると
- オペレーターは、自ら質問しなくなります。
- 質問しなくなったオペレーターは、成長できません。
- オペレーターは孤独になり、コールセンター内で居る場所が分からなくなります。
- コールセンターへの貢献意欲が削られていくのです。
先ほどご紹介したラグビーのような多くのチームスポーツでは、『個人責任主義』を貫く事は善い成績を残すことが出来ずに、その対策として組織で責任を負う『組織責任主義』が生まれる必要があったと考えられます。
しかし、今の組織に『個人責任主義』が残っていても、問題ありません。
これから『組織責任主義』に向かって変革していけばよいのです。
因みに、変革とはツールやシステムの導入ではなく、ヒトの考えや行動を変える取り組みとして用いています。
コールセンター白書の運営課題 品質の向上を目指す近道は、考え方と行動を変革する事で応対品質の向上を手に入れる事が出来ます。
理由は、オペレーターになりたての人がエスカレーションなど助けを求めるときに手を払いのけなくなるからです。
いやいや!!
助けを求めている人の手を払いのけるなんて、虐めみたいなことはしていないです。
と云う反論が聞こえてきます。
説明不足でした、すみません。
KPI一覧に『個人責任主義』に関係が深い指標が載っているので、心配してしまいました。
応対で助けを求めてくる成長途中のヒトに対して『処理品質関連』のKPIの適用が無ければよいのではないでしょうか。
次に、ベテランのようになるためには、目標とするベテランとの差分の管理に用いるKPIと合わせて応対内容の中身の設計が必須です。
応対内容の中身の設計とは、
コールセンターの応対には、必ずお客さまとオペレーターの協働作業で手続きや問題解決に取り組みます。
お客さまとの協働作業で用いられる応対に適しているアプローチの中で、あなたならどんなアプローチを採用しますか。
今まで担当してきた実証実験で能率が一番高かったアプローチは、『ゲーム理論』でした。
『ゲーム理論』は、相手の行動を先読みしながら、自らが取る行動によって導き出される結果を推測し、意思決定をゲームに例えて考える方法です。
実際の応対では、
「こんな質問をしたら、逆鱗に触るのかな??」
「もしかしたら、この相談はこの部分の繋がりが分かっていないのかもしれない」
のように『ゲーム理論』の発想で先回りして、応対の会話運びを選択しているオペレーターも少なくない事が実証実験で分かりました。
コールセンターのベテランオペレーターの多くはこの『ゲーム理論』を多用していて、応対の主導権をベテランオペレーターが持つように気を付けています。
一方で、お客さまに主導権を渡してしまうと、お客さまが期待する回答を予測する事が極端に難しくなります。理由は、提示した答案が正解か否かを判断する権利は、回答者のオペレーターにはなく、出題者側が持っている権利だからです。
相手が期待する回答にたどり着く確率は、極めて低い事を覚えておきましょう。
実証実験で分かったことの中で、コールセンター白書の運営課題 品質の向上に役立つ発見は何かと問われれば、
『応対の主導権を持っている人が、時間や成果を支配する』
事です。
よって、
コールセンターに於いて主導権を握るのは、誰が理想的かと云うと、
勿論オペレーターが好ましい。事になります。
理由は、
- お客さまは応対のプロではないので、問題解決に至る会話運びの経験が少ない
- 毎日、応対の練習ができる
- 類似した相談事を思い出し仮置きしたゴール目標に向かって、仮説と検証を繰り返しながら成功体験を積み上げられる
- 仮説検証していく中でゴール目標にたどり着けなかった失敗事例を学習して次に生かすことが出来る
- その結果、問題の掘り起こしスキルが高まり解決スピードが向上する
- 早い問題解決でお客さまが喜んでくれる
- 喜んでいるお客さまはオペレーターを攻撃しなくなる
- 問題が解決できたお客さまは、自ら電話を切ってくれるのでAHTの短縮につながる
- 更に、触れて欲しくない話題を避けて問題解決を進められるメリットがある
間接的な効果ですが、お客さまから攻撃されなくなったオペレーターの離職率は改善していきます。
是非、応対時の主導権を握ってください。
応対時の主導権を技術無しに握れと気合を注入されても、握り方が分からない!!
と云う声が聞こえてきそうです。
次は、応対で主導権を握るための中身の用意の仕方、設計方法について詳しく解説していきます。
応対の中身の設計には、大きく2つのプロセスが有ります。
- 応対の主導権を持つための傾向分析
- 応対の主導権を持つための会話運びの流れを設計
です。
図 同一問い合わせ分析例
それぞれの内容は、以下の通りです。
1.応対の主導権を持つための傾向分析
A)既存のKPIを基に管理図を用いて、満足度が高まるアプローチと、満足度が下がるアプローチを識別する
B)類似するお問い合わせを先ほどご紹介した顧客満足度関連の『D)同一問い合わせ率』を用いて集計していく
C)それぞれの分布を分析して傾向を識別する
2.応対の主導権を持つための会話運びの流れを設計
A)目的と手段の関係になっている会話運びを集める
B)原因と結果の関係になっている会話運びを集める
C)相談事などの解決に繋がるための必要条件と十分条件でグループ分けする
D)会話運びの流れを想定して、並び替えてみる
です。
如何でしょうか。
応対の実践では使えないかもしれませんが、お客さまと電話を介して応対する時に求められる必要条件と十分条件で会話運びを作成してみると、今まで応対で使っていたフレーズが残っている場合もあるでしょうし、一方、毎回応対で入れていたお気に入りのフレーズが残っていない場合も出てきます。
このようにして作成した会話運びを覚えるのは、オペレーターあなた次第です。
って、云ったら『個人責任主義』のままとなってしまいます。
先ほどまで、ラグビーのようなチームの連携を高めて、コールセンターも『組織責任主義』に基づき変革が必要と云っていたのに、・・・・・。
ですね。
コールセンター白書の運営課題 品質の向上を加速させるために、誰でもベテランのように成れるのか?? どんな対策が必要なのか??
弊社は、コールセンター白書の運営課題 品質の向上 に必要な『会話運び』の運用を支援するAI人工知能『コーチングエンジンⓇシステム』クラウド版を使って『組織責任主義』の実現を支援いたします。
図 コーチングエンジンⓇシステムがスクリプトを動的に操作
弊社は、先ほどご紹介した会話運びの設計を推進する時のファシリテーションを担当し、応対の品質の向上に必要な応対時の主導権を握る必要条件と十分条件の設計をご支援いたします。
このご支援で作成した会話運びデータを応対のスクリプトとして、今まで人手では作成も面倒、まして応対時の実践では進展を追いかけるだけでも大変だったスクリプトを機械学習機能付きのAI人工知能『コーチングエンジンⓇシステム』が動的に操作を行い応対の実践でオペレーターを支援いたします。
AI人工知能『コーチングエンジンⓇシステム』は、オペレーターの代わりにお客さまと応対するのではなく、オペレーターの応対をサポートするAIです。
ですが、・・・・・。
先ほどご紹介した『2.応対の主導権を持つための会話運びの流れを設計』は設計しただけで、応対の実践でお客さまとの主導権の奪い合いなどの駆け引きに、とても使える訳が無いとお考えではないですか。
そのため、弊社は机上で設計した応対の会話運びの原本(原始スクリプト)をいきなり本番環境の応対で使うわけにはいかない。と考えています。
理由は、応対の会話運びの原本(原始スクリプト)には、会話運びとして最後まで筋が通らない文脈が紛れ込んでいるかもしれないからです。
更に、会話運びを進めている中で、尻切れトンボの様に中途半端なまま終わっていたら、応対中のオペレーターは何をどうしたら良いのか戸惑い、無言になってしまいます。
そんなリスクが高い原因は、本番環境で使う前に綺麗に整えて、しかるべき管理者から合格の承認を得る必要があると考えています。
その対策として、AI人工知能『コーチングエンジンⓇシステム』は、20年前に稼働してから一度もシステム停止していないコールセンターを開発してきた設計技術と運営課題の解決を担当してきた経験を活かして、実際のコールセンターシステムと同様の品質を担保し高めていく工夫を充実させています。
具体的には、
- 応対用会話運びをスクリプトとして設計してシステムに登録する開発環境
- 設計したスクリプトを磨く検証環境
- 磨いたスクリプトを実践で使う本番環境
の様に3つの環境を①→②→③の流れになるように制御を独立させています。
更に、③本番環境でお客さまとの応対で、気づいたことやスクリプトに存在しない事を云われたときの対応機能も充実させています。
弊社のAI人工知能『コーチングエンジンⓇシステム』の機械学習の仕組みは、新人オペレーターが失敗を経験し、あるべき姿をOJTで指導されながら成功体験を積み上げてベテランオペレーターに昇華する学習モデルを参考にして特許を取得し開発しています。
AI人工知能『コーチングエンジンⓇシステム』をクラウド版に再開発する過程で、コールセンターで働いている管理者やオペレーター向けセミナーの現役講師に助言を頂き、使い勝手の向上などのアドバイスを貰いながら少ない操作で最大の効果が得られるように工夫しています。
使い勝手で拘ったことは、難解な数学やAI人工知能人材が居なくても、誰でも簡単にベテランのように応対の主導権を握り、お客さまの満足度を高めながら、AHTの短縮も実現できるように開発した事です。
次にご紹介するAI人工知能『コーチングエンジンⓇシステム』の応対支援画面が、先ほど触れた現役セミナー講師にアドバイスを頂いて開発した画面例です。
実際の応対では、オペレーターの応対時の会話の進み具合を判断してその時の会話運びに適している候補を紙芝居のセリフのようにモニター画面に表示します。
モニター画面に表示されたセリフをクリックすると、文脈の中の次のセリフをモニター画面に表示して、お客さまが解決したい問題や相談事を絞り込みながら応対を進める支援を得意とするAI人工知能です。
図 応対支援画面
ベテランのような会話運びを実現するための学習方法は、応対中にオペレーターがモニター画面に表示されているセリフを選択するとデータベースに適合していると学習させます。
一方で、文脈の中で適していないセリフの場合は『戻る』ボタンを押下して所謂ボタンの掛け違いの解消を行うために、前段階で選択してきた内容に遡り説明不足や異なる選択肢を選んで新しい文脈を進める事が出来ます。
(サンプル画面は、最初の出だしのため『戻る』ボタンがグレーアウト表示されています)
コールセンターは会社の顔と云われます。
今までの『個人責任主義』文化から卒業して『組織責任主義』に変革したコールセンターは、会社の組織全員に応援されながら応対を進める事が実感できるはずです。
コールセンター白書の運営課題 品質の向上にAI人工知能の支援を加えれば、今すぐに欲しい効果に近づくデータの収集が出来るのではないでしょうか。
- 開発期間の短縮
- 開発コストの削減
- マーケティングに必要なコストの削減
- 設計段階での出荷後の故障やリコールの回避
- ライン編成効率の最適化
- 製造スケジューリングの最適化
- 不具合発生時の原因究明
- 不具合発生時の影響範囲の特定
- オペレーションの標準化
- 熟練技能の伝承
- 組織・企業を超えた連携の実現
- 見積りの精度向上
このコラムへのご質問及びセミナーのご依頼は、お気軽にお問合せフォームからご連絡をお願いいたします。
追伸.
コールセンターでお客さまとの応対に臨むオペレーターを支援する当社AI人工知能『コーチングエンジンⓇシステム』の応対支援画面について「機能説明が欲しい」とお問い合わせを頂きhttps://activecs.co.jp/news/768.html
に、公開いたしました。
是非、機能説明もご確認ください。
弊社ホームページでも運営課題の解決方法をご紹介しています。
https://activecs.co.jp/
解決方法を仕入れご活用ください。