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資産運用の11種類を徹底解説!初心者が押さえておきたい3つの型とは

将来への備えとして資産運用を始める人が増えています。資産運用にはさまざまな種類があり、また、種類によって異なったリターンとリスクの関係があります。資産運用の種類と初心者に合った運用方法、資産運用を始めるにあたって、心がけておきたいことなどを見ていくことにしましょう。

資産運用と流行の背景

資産運用とは、自分が持っている資産をさまざまな方法で増やしていくことです。資産とは、お金はもちろん、株などの金融商品、また、不動産などお金に換金できる財産をさします。例えば株の場合、ある企業の株を購入し、その株が購入時より値上がりしたときに売却すれば、値上がり分の売却益を得ることができます。そして、それだけ自分の資産が増えることになります。

現在、資産運用を始める人が増えていますが、その背景にはさまざまな要因があります。その一つに銀行の預金金利の低さがあります。

大手銀行の金利は普通預金で0.001%、定期預金でも0.002%と超低金利です。100万円の預金があっても10年後、利息として貰えるのは1000~2000円程度にしかなりません。また、もう一つの大きな要因として、少子高齢化が進む日本の社会構造があげられます。平均寿命が延び、老後生活が長くなる一方、年金制度を支える現役世代の負担増が見込まれ、年金制度そのものへの不安も広がっています。

こうしたことから「コツコツ働き、定年後は預貯金と年金で悠々自適な老後生活を送る」という人生設計がもはや成り立たない、そうした認識が広まっているといえるでしょう。

そこでクローズアップされるのが資産運用です。厳しい状況が予想される将来への備えとして、資産運用によって一定の資産を自ら確保したい、そう考える人が多くなっているのです。

資産運用の11種類

資産運用にはさまざまな種類があります。まず、リスクとリターンについて区分けしてみましょう。区分けは、「ローリスク・ローリターン型」「ミドルリスク・ミドルリターン型」「ハイリスク・ハイリターン型」の3つになります。

ローリスク・ローリターン型は、リスクは低いけれども、期待できるリターンも低いというもの。ハイリスク・ハイリターン型は、高いリスクはあるものの、高いリターン(見返り)が期待できるものです。ミドルリスク・ミドルリターン型はその中間に位置し、リスクは中位であり、期待できるリターンも中位というものです。この3つの型に資産運用の種類を振り分けると次のようになります。

【ローリスク・ローリターン型】

①銀行預金 ②外貨預金 ③債券

【ミドルリスク・ミドルリターン型】

④株式投資 ⑤投資信託 ⑥iDeCo(個人型確定拠出年金) ⑦REIT(不動産投資信託) ⑧ETF(上場投資信託)

【ハイリスク・ハイリターン型】

⑨商品先物取引 ⑩先物取引 ⑪FX(外国為替証拠金取引)

なお、ここに示した区分けは一般的な目安としてあげたものです。例えば、ミドルリスク・ミドルリターン型に挙げた「④株式投資」についていえば、ハイリターンを狙った運用も可能であり、その場合リスクも高くなり、ハイリスク・ハイリターン型の資産運用ということになります。

次に、上記の資産運用の各種類について見ていくことにしましょう。

ローリスク・ローリターン型資産運用

①銀行預金

超低金利の今、銀行預金が資産運用になるとはいえませんが、預金の仕組みは資産運用、あるいは投資ともいえるものです。銀行にお金を預けるということは、実は、銀行にお金を貸すということです。そのため、銀行からお金を返してもらうとき、つまり、預金を下ろすときには「元本+利息」で返してもらうことになります。

銀行預金には、銀行が破綻したとしても元本1000万円までと、その利息の払い戻しを保証する仕組みがあります。日本の場合、銀行が破綻するということはあまり考えられませんから、銀行預金はローリスクの代表といえます。ただ、現在の状況ではリターンは、ほぼ「なし」ということになります。

②外貨預金

外貨預金は円ではなく外国の通貨で行う預金です。一般的に、外国通貨の方が金利が高い傾向にあり、その分、利息が多くなります。そして、外貨預金の魅力となるのが為替差益です。例えば、為替レートが「1ドル=100円」のときに200万円分、外貨預金を始めたとします。この場合「2万ドル=200万円」です。

その後、為替レートが「1ドル=110円」(円安)になったとすれば、「2万ドル=220万円」となり、20万円の為替差益が出ることになります。反対に「1ドル=90円」(円高)になれば「2万ドル=180万円」となり、20万円の為替差損が生じることになります。

また、外貨預金で気をつけたいのは、日本円から外貨へ、外貨から日本円への交換の際に、それぞれ為替手数料がかかることです。

③債券(個人向け国債)

債券とは、国や企業などが資金を集めるために発行するものです。国や企業が出す借用書と考えるとわかりやすいでしょう。借用書ですから返済の義務があります。債券はあらかじめ期限や利子などが決められており、保有期間は一定期間ごとに利息を受け取ることができますし、期限が来たら元本(額面金額)が戻ってくる仕組みになっています。

国が発行したものを国債といい、企業が発行したものが社債です。個人向け国債は、国が発行するものですから、国が破綻しない限り元本割れが生じません。その点、ローリスクであり、また、一般的な預金と比べれば金利が高いため、リスクを抑えながら資産運用を行うのに適しています。

ただし、預金よりは金利が高いとはいえ、ほかの金融商品に比べれば低金利でリターンは大きくありません。

ミドルリスク・ミドルリターン型資産運用

④株式投資

資産運用、投資において最もポピュラーといえるでしょう。購入した企業の株が値上がりし、その時点で売却すれば売却益が出ます。また、その企業が利益を出したときに、その利益を株主に分配する「配当金」を得ることもできますし、自社製品や優待券などを提供する「株主優待制度」を実施している企業もあります。

しかし、株は銘柄によって値動きが激しいものもあり、この場合、ハイリスク・ハイリターンになります。

⑤投資信託

投資信託は、多くの投資家から集めたお金を資産運用の専門家(ファンドマネージャー)が株式や債券などに運用し、その運用成果を投資家の投資額に応じて分配する仕組みの金融商品です。株式や債券投資には、ある程度まとまったお金が必要になりますが、投資信託は少額から始めることができます。また、国内外の債券、株式、不動産などを組み合わせて運用する投資信託はリスクの分散がはかられており、初心者にとって始めやすいといえるでしょう。

ただし、投資信託は元本が保証されているわけではありません。また、運用を任せているため信託報酬や各種の手数料が発生します。

⑥iDeCo(個人型確定拠出年金)

老後資金を自分で作る制度です。「個人型確定拠出年金」の「個人型」とは「自分で」ということ。「確定拠出」とは、月々決まった金額を積み立てるということです(=掛金を拠出すること)。

iDeCoは、毎月一定の掛金を拠出しながら、あらかじめ用意された運用商品(定期預金、保険商品、投資信託)によって、自分で年金を作っていく仕組みです。そして、運用によって得た資産を60歳以降に一括または分割で受け取ります。運用商品は自分で選択します。リターンを求めるのであれば、やはり定期預金や保険商品ではなく、投資信託になります。

つまり、iDeCo(個人型確定拠出年金)という制度を使って、投資信託で年金を作るということになります。そのためリターンも期待できますが、元本は保証されません。ただ、一般的な投資信託と違ってiDeCo(個人型確定拠出年金)には、掛金が全額所得控除になる、運用中に得た利益に税金がかからないなど税制上の優遇措置があります。

⑦REIT(不動産投資信託)

不動産を対象にした投資信託です。多くの投資家から資金を集めて、専門家がオフィスビルやマンション、ショッピングセンターなどの不動産に投資します。そして、そこから生じる賃料や不動産の売却益から、運用にかかる費用を差し引いた利益を投資家に分配する仕組みです。

実物の不動産投資は数千万円、数億円という資金が必要になりますが、REIT(リート)は数万円単位から投資が可能です。ただし、運用目的となる不動産の価格変動など要因により分配金も変動しますし、火災や自然災害などのリスクもあります。

⑧ETF(上場投資信託)

「ETF」は「Exchange Traded Funds」の頭文字をとったものです。「Exchange」は証券取引所をさします。「Traded」は取引。そして「Funds」は投資信託です。これをまとめると「ETF」は、「上場企業の株式を売買している証券取引所で取引される投資信託」ということになります。

大きな特徴は、日経平均株価、TOPIX(東証株価指数)など特定の指数に価格が連動するよう運用されることです。これによってリスクがおさえられます。また、ETFは、株式のように、取引所が開いている時間であれば、いつでも自分の判断で売買することができますし、投資信託に比べ購入時の手数料や保有期間中の手数料が安いことも人気の理由になっています。

ハイリスク・ハイリターン型資産運用

⑨商品先物取引

先物取引は、将来の物をいま現在の時点で取引するというものです。例えばAという商品があるとしましょう。このA商品の価格は変動します。いま現在の時点でA商品を200万円で買うと約束し、約束した期日にA商品が220万円になったとします。先物取引では「最初に決めた価格で購入できる」ため、差し引き20万円の利益が出ます。逆に170万円になっていれば差し引き30万円の損失になります。金やガソリン、小豆など商品(モノ)への投資を商品先物取引といいます。

商品先物取引は、少額の資金(証拠金)によって取引を行うことができます。レバレッジ(てこの原理)といいますが、証拠金の10倍、20倍、モノによっては40倍、50倍のレバレッジをかけることができます。つまり、40倍のレバレッジであれば、100万円の資金で4000万円の取引ができるということです。大きな利益を期待できる反面、損失も大きくなります。

⑩先物取引

先物取引には、商品(モノ)ではなく外国通貨・債券などの金融商品、株価指数を対象にした取引もあります。「日経225先物取引」を例に見てみましょう。

仮に日経平均株価を2万円として、決められた日に1枚買う予約を入れたとします。そして、決められた日に日経平均株価が2万1000円に上がっていたとしたら、1000円得したことになります。反対に日経平均が1万9000円に下がっていれば1000円の損失になります。

日経225先物取引の取引単位(1枚)は日経平均株価の1000倍ですから、日経平均株価が1000円上がった場合、1000円×1000倍=100万円の利益が出ることになり、1000円下がった場合は100万円の損失になります。

ところで、取引単位(1枚)が日経平均株価の1000倍といっても、日経平均が2万円であればその1000倍の2000万円の資金が必要というわけではありません。証券会社に証拠金を入れれば、商品先物取引と同じように、少額で大きな取引を行うことができます。取引単位が日経225先物取引の10分の1と、少ない証拠金で取引できる「日経255ミニ」もあります。

⑪FX(外国為替証拠金取引)

FXとは「Foreign Exchange」を略したもので、正式には「外国為替証拠金取引」のことです。円とドルの為替レートが「1ドル=100円」のとき、2万ドルは200万円です。しかし、為替レートは毎日、変動します。仮に「1ドル=110円」(円安)になったとすると、2万ドルは220万円という計算になります。FX(外国為替証拠金取引)は、この為替差益を狙った投資です。反対に為替レートが「1ドル=90円」(円高)になった場合は2万ドル=180万円になり、20万円の損失が出ることになります。

為替差益を狙っている点では外貨預金と同じですが、FXは「外国為替証拠金取引」とあるように、少額の「証拠金」で大きな額の取引が行えます。レバレッジをかけることができるわけです。

「②外貨預金」で、200万円の預金で20万円の利益が出る例をご紹介しましたが、FXの場合は、例えば証拠金10万円を入れることで、その20倍の200万円の取引も行えます。つまり、10万円の資金で、200万円の資金と同じ利益が得られるということです。FXでは25倍までレバレッジをかけることができます。

初心者におすすはミドルリスク・ミドルリターン型

ここまで資産運用について、リスクとリターンの関係から大きく3つに区分し、11種類の運用方法を見てきました。資産運用の方法はこの他にも、金への投資や、新しいところでは仮想通貨への投資などもあります。しかし、これから資産運用を始めようとする場合、上に紹介した11種類が仕組みも理解しやすく、どの運用方法を選択するか判断しやすいと思います。

「これまで資産運用の経験がない」という場合、おすすめしたいのは「ミドルリスク・ミドルリターン型」で紹介した「⑤投資信託」です。投資信託は1つの投資先ではなく、複数の投資先を運用に組み入れるため、リスクを分散することができるからです。

株式投資においても、リスクを分散することはできます。しかし、初めての場合、株の銘柄や値動きを見て、自分でリスク分散をはかるのは難しいでしょう。また、株式投資を始めたばかりのときは、購入した株の値動きが非常に気になるものです。そのため、短期間で売買を繰り返してしまう人が少なくありません。

資産運用の基本は「リスクの分散」と「長期投資」と言われています。資産運用におけるリスクは「危険」ということではなく「値動きの幅」をさしますが、投資信託を5年、10年と持ち続けると、この値動きの幅(リスク)が縮小し、安定した運用が期待できることが知られています。

なお、投資信託は元本を保証するものではありませんから、元本割れのリスクもあります。ただ、リスク分散と長期投資という資産運用の基本に沿っているという点で、初心者に向いているといえます。初めての人が、ハイリスク・ハイリターン型に挑戦するのは、リスクが大き過ぎますし、やはり、ローリスク・ローリターン型、ミドルリスク・ミドルリターン型からの選択をおすすめします。

初心者が心がけておきたいこと

ここで、資産運用を始める人が心がけておきたいことを確認しておきましょう。

目標を明確にして資産運用を始める

冒頭でも述べたように、多くの人が資産運用を始めています。そして、その背景には「厳しい状況が予想される将来への備えとして」という「思い」があります。しかし、実際に資産運用を始める際には、その「思い」だけではなく、目標を明確にすることが大切です。

基本となる要素は

「なんのために」という「目的」

「いつまでに」という「期限」

「いくら必要か」という「ゴール」です。

一例をあげれば「老後資金のために」「65歳までに」「2000万円」ということです。インターネットには「資産運用シミュレーション」ができるサイトがたくさんあるので、そこでシミュレーションをしてみると、目標達成までの経過を具体的にイメージすることができます。

長期的な視野に立つ

資産運用は、長期的な視野に立って行うことが大切です。短期間に大きな利を求めるのは「投機(機会を見計らって短期的に利益を得ること)」であって、資産運用とはいえません。
資産運用の「目的」「期限」「ゴール」を明らかにし、長期的な計画を立てるよう心がけましょう。短期間に利を求めると、ちょっとした損失に動揺し失敗するケースが少なくありません。

資産運用に使えるお金を把握する

「資産運用は余裕資金で」というのが鉄則です。すでに使う予定があるお金を投資に回すのは無謀です。
「自分には余裕資金などない」という人も多いと思いますが、まず、月々の支出を見てみましょう。そのなかに「この支出は抑えられる」、あるいは「不要」と判断できるものはないでしょうか。

月々の支出には「固定費」と「変動費」があります。固定費には家賃や光熱費、通信費や保険料などがあり、変動費には食費、趣味娯楽費、被服費、交際費などがあります。固定費、変動費ごとに月々の支出を見ていけば、支出を抑えられる、あるいは不要と判断できるものが見つかるはずです。それを蓄えれば余裕資金となり、資産運用に回すことができます。

仕組みを勉強する

資産運用をするにあたって、金融商品の仕組みを知っておく必要があります。車の運転であっても教習所で運転を習い、交通規則を学習し、免許をとってから運転します。資産運用にあたっても勉強は大切です。資産運用に関する書籍はたくさんありますし、セミナーも数多く開催されています。

銀行や証券会社の窓口で説明を受けるのも勉強の1つですが、事前に自分で勉強してから説明を受けることをおすすめします。そのほうが理解が深くなりますし、不明な点について説明を求めることもできます。

資産運用の選び方

資産運用にはさまざまな種類があり、種類ごとにさまざまな商品があります。ここではどのような資産運用を選択するか、選び方のポイントを見ていきましょう。

まず、大切なことはリスクの分散を考えることです。ここでいう「リスク」は、値動きの「振れ幅」です。そして、リスクの分散には、株式や債券など金融商品を軸にしたものと、時間を軸にしたものがあります。

金融商品を軸にしたリスク分散とは、株式でいえば1つの銘柄に全部の資金を投入するのではなく、いくつかの銘柄に資金を分けて運用するということです。例えば、値動きの振れ幅が大きいA株だけを購入するのではなく、値動きの振れ幅が小さいB株と組み合わせて購入するということです。こうすることで、リスクの分散を図ることができます。

時間を軸にしたリスクの分散とは、一時期に資金を投入しないということです。仮に100万円の余裕があり資産運用を始めようとするとき、100万円を一括投資するのではなく、時間をずらし何回かに分けて投資するということです。これにより、いわゆる高値づかみや安値売りを避けることができます。

時間を軸にしたリスク分散の方法に「ドル・コスト平均法」があります。「定時定額購入」ともいい、一定の金額で定期的に金融商品を購入する方法です。積立投資信託でいえば毎月3000円、5000円、1万円円というように一定額を決め、その金額の範囲内で購入できる口数分だけを購入し、積み立てていきます。購入価格が安いときは買う口数が多く、購入価格が高いときは買う口数が少なく、長期的な資産形成に適しているといわれています。

また、安定性を重視した資産運用であれば、ローリスク・ローリターン型の国内債券ファンドなどが適しています。ある程度は収益性も確保したいという場合、国内外の株式や債券などを組み込んだバランス型の投資信託が適しています。
収益性を重視するのであれば、国内外株式ファンドなどが候補に挙げられるでしょう。いずれにしてもリスク分散がキーポイントになります。

まとめ

資産運用にはさまざまな種類があります。それぞれに仕組みがあり、リスクとリターンがあります。

資産運用を始めるにあたっては、それらを理解したうえで、自分の目標に合った運用をしていくことが大切です。資産運用は投機やギャンブルとは異なるものです。許容できる範囲のリスクをとって、慎重に資産を形成していきましょう。

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