【第66話】家財保険に未加入だった!孤独死後の費用は誰が負担する?

「特殊清掃一式、50万円」
見積書にこのような記載しかなかったら、その作業内容を説明できるでしょうか。
特殊清掃では、家財の撤去、汚染箇所の清掃、完全消臭、床や壁の修繕など、目的の違う作業が行われます。
それらがすべて「一式」と書かれていると、保険会社や保証会社が内容を確認できず、追加の資料を求められる場合があります。
提出前に、次の5項目を確認しましょう。
■1.残置物撤去と遺品整理
室内に残された家具、家電、衣類、生活用品などを整理し、搬出する作業です。
見積書では、
・家財のおおよその量
・作業する人数
・使用する車両の台数
・家電リサイクル料金
・貴重品や思い出の品の捜索
などが分かるか確認します。
家財は誰でも自由に処分できるわけではありません。処分できる権限を確認してから作業を始める必要があります。
■2.特殊清掃
特殊清掃は、亡くなっていた場所に残る汚れや、臭いの原因に対応する作業です。
床、畳、寝具など、どこを処置するのかが重要です。
「室内清掃一式」だけでは、一般的な清掃との違いが分かりません。
作業場所や汚染の状態、使用する資材などを分けて記載してもらいましょう。
■3.消臭前の清掃
室内の床、壁、天井、建具、照明などには、臭いの原因となる汚れが付着している場合があります。
完全消臭を行う前に、室内を清掃して施工できる状態へ整えます。
見た目をきれいにする清掃なのか、完全消臭のために必要な清掃なのか、目的を明確にすることが大切です。
■4.完全消臭
消臭剤を置くことと、臭いの原因へ処置する完全消臭は同じではありません。
見積書には、
・施工する部屋
・処置する床や壁
・施工する回数
・作業後の確認方法
・臭いが戻った場合の対応
などが記載されているか確認しましょう。
全花連では、特許技術「花輪式完全消臭」により、別の香りでごまかすのではなく、臭いの原因へ処置します。作業後には、時間を置いて臭いが戻らないかを確認します。
■5.原状回復
原状回復は、床や壁などを次の入居者が生活できる状態へ戻す工事です。
クロスの張り替え、床材の交換、石こうボードの修繕などが含まれる場合があります。
どの場所を、どの広さまで直すのかが分からなければ、工事費用が適切か判断できません。
特殊清掃や完全消臭とは分けて記載してもらいましょう。
■金額より先に「何をするのか」を確認する
安い見積書が、必ずしも良い見積書とは限りません。
反対に、金額が高くても、必要な作業と不要な作業が分かれていなければ比較できません。
業者へ依頼するときは、
「この一式には何が含まれていますか」
「保険会社へ説明できる見積書ですか」
「作業前後の写真を残してもらえますか」
と確認してください。
全花連安心サービスでは、事故後の窓口となり、保険内容の確認、見積書の作成、残置物への対応、特殊清掃、完全消臭、退去手続きまでを整理します。
見積書は、単なる金額表ではありません。
大家さん、管理会社、保険会社、作業業者が「何を、どこまで行うのか」を共有する大切な記録です。
【次回・第71話】
「セルフネグレクトとは?部屋の変化から気づきたい7つのサイン」
ごみが増えた、郵便物がたまった、身だしなみが変わった――。
本人も気づかないうちに生活の管理が難しくなる「セルフネグレクト(自己放任)」について、家族や管理会社が早く気づくためのサインを分かりやすくお伝えします。


