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首をポキポキ鳴らす整体は本当に大丈夫?

岩本益宏

岩本益宏

テーマ:今さら聞けない

肩こりや首こりがつらいとき、「首をポキポキ鳴らしてもらうと楽になりそう」と思う方は多いです。実際に、施術のあとにすっきりした感じが出ることもあります。音が鳴ると、「何かが整った気がする」「効いた気がする」と感じやすいからです。

ただ、ここで最初にお伝えしたい大事なことがあります。首を強くひねったり、勢いよく動かしてポキポキ鳴らす施術は、気持ちよさがある一方で、軽く考えてよいものではありません。特に首は、脳へ血液を送る血管や大切な神経が通っている場所です。そのため、強い刺激で思わぬトラブルが起こることがあります。

この記事では、首をポキポキ鳴らす整体について、「なぜ気持ちよく感じるのか」「なぜ注意が必要なのか」「中医学ではどう考えるのか」を、できるだけやさしい言葉で整理していきます。難しい専門用語はなるべくわかりやすく説明しますので、整体に詳しくない方でも安心して読んでいただけます。

なぜポキポキ鳴る整体は人気があるのか


首や背中を動かしてポキッと音が鳴ると、多くの人は「体が整った」と感じます。これは不思議なことではありません。人は、音や動きの変化があると、体の中で大きな変化が起きたように感じやすいからです。

たとえば、静かにストレッチを受けたときより、音が鳴ったときのほうが「効いた」と思いやすいです。見た目にもわかりやすい変化があるため、満足感が出やすいのです。

ただし、ここで注意したいのは、音が鳴ったことと、体が本当に安全に良くなったことは同じではないという点です。音が鳴ると安心しやすいのですが、それだけで「治った」と考えるのは早いです。

ポキポキ鳴る音の正体は何か


首や指、背中などの関節がポキッと鳴ると、「骨が元の位置に戻った音」と思う方もいます。ですが、そう単純な話ではありません。

一般的には、関節の中の圧力が急に変わることで音が出ると考えられています。つまり、音がしたからといって、ゆがみが完全に治った、悪いところが全部元に戻った、とまでは言えません。

ここを誤解すると、「音が大きいほど効く」「鳴らさないと意味がない」と考えやすくなります。しかし、本当に大切なのは、音の大きさではなく、その施術が自分の体に合っているかどうかです。

首のポキポキが特に注意される理由


首は、肩や腰とは少し違います。首には、脳へ血液を送る大事な血管や、体の動きや感覚に関わる神経が通っています。そのため、強くひねる、急に反らす、勢いよく回すといった動きは、首の周りに大きな負担をかけることがあります。

首こりや肩こりがあると、つい「強く動かしたほうがよくなりそう」と思いがちです。ですが、首は「強ければ強いほどよい」という場所ではありません。むしろ、強すぎる刺激が危険になることがあります。

実際に、厚生労働省でも、首に対して急激に回す、反らすといった危険性の高い手技について注意が示されています。つまり、公的な立場から見ても、首の強い施術は慎重に考えるべきものだということです。

特に気をつけたい椎骨動脈解離とは


首のポキポキでよく問題になるのが、「椎骨動脈解離」という言葉です。言葉が難しく感じるかもしれませんが、簡単にいうと、首にある大事な血管の内側に傷がつくことです。

首の後ろ側には、脳へ血液を送る「椎骨動脈」という血管があります。首を急にひねったり、強く反らせたりしたとき、この血管に強い負担がかかることがあります。その結果、血管の内側が傷つくことがあり、これを椎骨動脈解離といいます。

この状態になると、血液の流れが悪くなったり、血のかたまりができたりして、脳梗塞のような大きなトラブルにつながるおそれがあります。誰にでも起こるわけではありませんが、起きたときの影響が大きいため、軽く見てはいけません。

施術後に気をつけたい症状


首の施術を受けたあとに、いつもと違う強い症状が出た場合は注意が必要です。たとえば、急に強い首の痛みが出た、後頭部が強く痛い、めまいがする、吐き気がある、手足がしびれる、力が入りにくい、ろれつが回らない、物が二重に見える、まっすぐ歩きにくい、といった症状です。

こうした症状が出たとき、「少し様子を見れば大丈夫かも」と我慢してしまう方もいます。しかし、首の施術のあとにこのような症状が出る場合は、単なるもみ返しや好転反応とは言い切れません。血管や神経にトラブルが起きている可能性もあるため、早めに医療機関へ相談することが大切です。

ポキポキ鳴らす施術を受けないほうがよい人


首を強く鳴らす施術は、すべての人に向いているわけではありません。特に注意したいのは、骨が弱い方、関節に病気がある方、高齢の方、妊娠中の方、強い頭痛やめまいがある方、しびれや麻痺がある方、急なけがや炎症がある方です。

こうした方は、強い刺激を受けることで、かえって状態が悪くなることがあります。たとえば、骨が弱い方なら骨折の危険が高まりますし、血管や神経に不安がある方なら重大なトラブルにつながる可能性もあります。

また、疲れがとてもたまっているときや、睡眠不足が続いているときも、体は弱りやすくなっています。元気なときには平気だった刺激でも、体が弱っているときには負担になることがあります。

中医学では首こりや肩こりをどう見るのか


中医学では、首こりや肩こりを「ただ骨がずれているだけ」とは考えません。もっと大事にするのは、「なぜ首や肩がつらくなっているのか」という体全体の状態です。

たとえば、ストレスが多くて体が緊張している、冷えが強くて筋肉がこわばっている、疲れがたまって回復する力が弱っている、血の巡りが悪くなっている、睡眠不足で体が十分に休めていない、といった背景を見ていきます。

つまり、中医学では、首こりや肩こりがあるときに、無理に音を鳴らすことよりも、なぜその不調が続いているのかを考えることが大切だと考えます。首だけを見るのではなく、体全体のバランスを見る考え方です。

女性に多い首こりや肩こりの背景


女性の首こりや肩こりは、単に筋肉が疲れているだけではないことが多いです。仕事や家事、育児で気を張る時間が長いと、肩に力が入りやすくなります。スマホやパソコンを見る時間が長いと、首や目に負担がかかります。冷えや睡眠不足、生理前後の体調変化なども重なると、さらに不調が出やすくなります。

中医学では、こうした状態を、気の巡りが悪い、血が不足している、血の巡りが滞っている、といった形で考えることがあります。

たとえば、ストレスが多くイライラしやすい方は、気の巡りが悪くなり、首や肩がガチガチになりやすいです。疲れやすく、眠りが浅く、目が疲れやすい方は、体を養う力が足りず、筋肉がこわばりやすくなります。同じ場所がずっと痛い、刺すような痛みがある方は、巡りの悪さが長く続いていることもあります。

このように考えると、首こりや肩こりに対して本当に必要なのは、強い刺激で無理に鳴らすことではなく、体の緊張をゆるめたり、冷えを改善したり、休養を取ったり、体全体の巡りを整えることだとわかってきます。

中医学的に見ても首を強く鳴らすことはすすめにくい理由


中医学では、首は頭と体をつなぐ大切な通り道と考えます。ここに急に強い刺激を加えることは、体が弱っている方にとって負担になりやすいです。

特に、めまいがある、ふらつきがある、強い頭痛がある、しびれがある、疲れが強い、冷えが強いという場合は、まず安全性を優先することが大切です。そういう状態のときに強い首の施術を受けるより、まず体の状態をしっかり確認し、必要なら医療機関で診てもらうほうが安心です。

中医学は、危険な症状を我慢して受けるものではありません。医療が必要なときは医療を優先し、そのうえで体質改善や再発予防に役立てていくのが自然な考え方です。

首こりや肩こりには強い刺激以外の方法もあります


首こりや肩こりがつらいと、「すぐに強く何とかしてほしい」と思うことがあります。ですが、慢性的な不調ほど、強い刺激だけで解決しないことが多いです。

大切なのは、日々の負担を少しずつ減らしていくことです。たとえば、長時間同じ姿勢を続けないこと、スマホを見る時間を減らすこと、目を休めること、首や肩を冷やしすぎないこと、ゆっくりお風呂に入ること、睡眠を見直すこと、やさしいストレッチを取り入れることなどです。

こうしたことは派手ではありませんが、首こりや肩こりの土台を整えるうえではとても大切です。その場しのぎではなく、くり返しにくい体を目指すなら、こうした基本の積み重ねが役立ちます。

施術を受ける前に確認したいこと


もし施術を受けるなら、「強そう」「よく鳴らしてくれそう」で選ばないことが大切です。本当に大切なのは、体の状態をきちんと見てくれるかどうかです。

施術前に、今の症状を丁寧に聞いてくれるか、頭痛やめまい、しびれの有無を確認してくれるか、持病や服薬について聞いてくれるか、危険性について説明があるか、痛いときや怖いときにやめてくれるか、改善しない場合に医療機関の受診を勧めてくれるか、といった点を見ておきたいです。

首は特に、施術の派手さよりも、「そもそも今その施術を受けてよい状態か」を見極めることのほうが大切です。

まとめ


首をポキポキ鳴らす整体は、受けた直後にはすっきりした感じが出やすく、魅力的に見えることがあります。ですが、首はとても大切な血管や神経が通る場所です。強くひねる、急に反らす、勢いよく動かすといった施術には、思わぬリスクがあります。

特に、強い頭痛やめまいがある方、しびれや脱力がある方、体が弱っている方、妊娠中の方、骨や関節に不安がある方は、安易に首を鳴らす施術を受けないほうが安心です。

中医学の視点で見ても、首こりや肩こりは「鳴らせばよい」というものではありません。ストレス、冷え、疲れ、睡眠不足、巡りの悪さなど、背景にあるものを整えることが大切です。

首や肩がつらいときこそ、強い刺激やその場の気持ちよさだけで判断せず、自分の体に無理がないか、危険なサインがないか、今の状態に合っている方法かを大事にしてみてください。それが、安心して体を整えていくための第一歩になります。

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岩本益宏
専門家

岩本益宏(医薬品販売業)

有限会社くすりの厚生会

子宝専門の漢方薬店として、カウンセリングで「妊娠力」を高める食生活や睡眠など生活習慣改善についてアドバイスと漢方薬の販売を行う。漢方知識と、自らの不妊治療・体外受精・出産の経験を生かしお客様をサポート

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