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朝起きても疲れが取れないのは気虚?30代からの体を整える養生法

岩本益宏

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テーマ:今さら聞けない

朝起きても疲れが取れないのは気虚?30代からの体を整える養生




朝起きた瞬間から体が重い。寝たはずなのにスッキリしない。このような「朝のだるさ」は、単なる疲労ではなく、中医学では「気虚」と呼ばれる状態が隠れていることがあります。気虚とは、体を動かすエネルギーである“気”が不足し、十分に働けていない状態です。現代の30〜40代女性は仕事や家事、育児、ストレスが重なり、気が消耗しやすいため、気虚の方がとても多く見られます。

気虚になると、朝のだるさ以外にもさまざまなサインが現れます。疲れやすい、食後に眠くなる、息切れしやすい、声に力がない、風邪をひきやすい、下痢しやすいなどが典型的な症状です。このような体の変化は、自分の気を使いすぎていることを知らせてくれるサインでもあります。

気虚が起こる背景には、睡眠不足、冷たい飲食、ストレス過多、長時間のPCやスマホ、食事の不摂生などが関係しています。特に30代からの女性は責任が増え、知らず知らずのうちに「がんばりすぎ体質」になりやすいため、気を消耗しやすい傾向があります。

気虚を改善するためには、生活の中で“気を補う”習慣を取り入れることが大切です。最初のポイントは朝ごはんです。気は食事から作られるため、朝食を抜くと気が補えません。温かい味噌汁やご飯、卵、山芋など、消化に負担が少なく体を温めるものがおすすめです。冷たいスムージーやヨーグルトは、脾を冷やして気の生成を妨げるため控えめにしましょう。

次に、深い呼吸を意識することも重要です。気は呼吸によっても生み出されるため、浅い呼吸が続くと気が不足します。朝の深呼吸や軽いストレッチは、体を目覚めさせ気の巡りを良くする効果があります。近年はストレスで呼吸が浅くなりがちな方が多いため、深呼吸は手軽で効果的な養生法です。

食事面では、気を補う「補気食材」を積極的に取り入れると良いでしょう。米、雑穀、山芋、かぼちゃ、にんじん、鶏肉、豆腐などが代表的です。特に山芋と鶏肉を使ったスープは、胃腸をいたわりながら気を補えるため、気虚の方には非常に向いています。

そして最も大切なのが睡眠です。中医学では、夜の10時から2時は体の気と血が再生される重要な時間帯とされています。この時間にスマホを見続けると気の回復が妨げられ、翌朝のだるさにつながります。眠る前は白湯を一口飲み、深呼吸で体を緩める習慣をつくると睡眠の質が上がります。

気虚を改善するためには、自分の体質を知ることも大切です。同じ気虚でも、胃腸が弱い脾気虚、息切れしやすい肺気虚、冷えやすい腎気虚、不安が出やすい心気虚など、タイプによって原因も対策も異なります。体質チェックを通して自分のタイプを知ることは、養生の第一歩になります。

朝のだるさは年齢や体力の問題ではなく、気が不足しているだけということも多くあります。少しの生活改善で気はしっかり補うことができ、朝のスッキリ感は取り戻せます。まずは「気を使いすぎていないか」「食事や睡眠が乱れていないか」から見直し、自分の体の声を聞く習慣をつくってみてください。

もし朝のだるさが続く場合や自分の体質がわからないと感じる場合は、体質診断を活用してみると改善への道が見やすくなります。気虚は放っておくと疲れやすさやメンタルの不調にもつながるため、早めのケアが大切です。毎日の小さな習慣が、確かな変化を生み出します。

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岩本益宏
専門家

岩本益宏(医薬品販売業)

有限会社くすりの厚生会

子宝専門の漢方薬店として、カウンセリングで「妊娠力」を高める食生活や睡眠など生活習慣改善についてアドバイスと漢方薬の販売を行う。漢方知識と、自らの不妊治療・体外受精・出産の経験を生かしお客様をサポート

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