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高齢者の逆走事故や衝突事故の原因と中医学で考えて見た ~なぜアクセルを踏み続けてしまうのか?~

岩本益宏

岩本益宏

テーマ:気になる体の症状

最近、高齢者による逆走事故やブレーキを踏まずにアクセルを踏み続ける事故が多く報道されています。これには、年齢とともに体や脳の機能が低下することが大きく関係しています。この記事では、その原因を医学的に説明し、さらに中医学的な視点から生活習慣の改善方法をお伝えします。初心者でも理解しやすい内容にまとめましたので、ぜひ参考にしてみてください。



1. 高齢者が事故を起こす理由

反応速度が遅くなる
年齢を重ねると、反射神経が鈍くなり、何か危険なことが起こったときにすぐに反応できなくなります。反射神経は、脳が「危ない!」と感じたときに体に指示を出して素早く動かす力です。しかし、高齢者になると脳から体への指令が遅れ、事故に繋がりやすくなります。

例えば、車が突然前に飛び出してきたとき、若い人ならすぐにブレーキを踏めるのに対して、高齢者は反応が遅れ、ブレーキを踏むタイミングが遅くなってしまいます。これが原因で、衝突事故が起きることが多くなります。

データで見る反応速度の違い:

ある調査によれば、20歳のドライバーの反応時間は約0.5秒ですが、70歳以上のドライバーでは約1秒にまで延びることが確認されています。時速60キロで走っている場合、この0.5秒の違いで車は約8メートル進んでしまうことになります。

認知機能の低下

もう一つの大きな原因は、認知機能の低下です。認知機能とは、目で見た情報を脳が処理して「今、何をすればいいか」を判断する能力です。高齢者は、この認知機能が衰えることで、適切な判断ができず、逆走や衝突事故の原因になります。

特に緊急事態では、冷静に対応するのが難しくなり、パニックに陥ってアクセルを踏み続けることもあります。

データで見る認知機能の低下:

脳の研究によると、65歳を過ぎると判断力を司る「前頭葉」の働きが低下し始め、75歳以上になると認知機能の低下が顕著になるとされています。事故を起こす高齢者の約25%が、こうした認知機能の低下によるものだというデータもあります。

ブレーキとアクセルの踏み間違い

高齢者の事故では、ブレーキとアクセルの踏み間違いがよく見られます。足の感覚が鈍くなり、どちらのペダルを踏んでいるのか分からなくなることが原因です。これにより、止まるつもりがアクセルを踏んでしまい、衝突するまで加速してしまうことがあります。

具体例:

駐車場でゆっくり車を止めようとして、ブレーキを踏んでいるつもりが間違えてアクセルを踏み続けてしまい、車が急に前に進んで壁に衝突してしまう事故がよく報告されています。

筋力の低下

さらに、高齢者は筋力が低下するため、十分にブレーキを踏む力が不足することがあります。特に急ブレーキをかける場面で、足の力が足りず、止まらなかったり、ペダルを踏むタイミングが遅れることが問題です。

筋力の低下と事故の関係:

80歳以上の高齢者は、20歳の頃に比べて筋肉量が約40%減少しているというデータがあります。この筋力低下がブレーキ操作に影響し、事故を引き起こすリスクが高まるのです。

2. 事故を防ぐための対策

これまでの原因を踏まえて、事故を防ぐための具体的な対策を紹介します。

定期的な運転能力チェック

高齢者が安全に運転できるかどうかを定期的にチェックすることが大切です。反応速度や認知機能、筋力をテストし、運転能力を維持できるか確認しましょう。運転免許の更新時に、シミュレーターを使ったテストを受けることも推奨されています。

安全装置を活用する

最近の車には、ブレーキとアクセルの踏み間違いを防ぐ装置や、自動でブレーキをかけるシステムが搭載されています。これらの安全装置を活用することで、万が一の事故を防ぐことができます。

運転時間や場所を見直す

夜間や交通量の多い時間帯を避けて、日中の明るい時間帯や慣れた道を運転するようにしましょう。これにより、事故のリスクを大幅に減らすことができます。

運転をやめるという選択肢

もし自分の運転に不安を感じたら、運転をやめることも考えましょう。公共交通機関やタクシーを利用することで、自分や他の人の安全を守ることができます。

3. 中医学的なアプローチと生活習慣の改善

ここからは、中医学の視点から高齢者が安全に運転を続けられるようにするための生活習慣の改善方法を紹介します。中医学では、**「気」や「精」**と呼ばれるエネルギーが不足すると、体や心が弱くなり、事故を引き起こすリスクが高まると考えられています。

「気」の不足と運転事故

中医学では、気の不足が反応速度や集中力の低下を引き起こすとされています。気が足りないと、脳が危険を察知しても、体がうまく反応できません。そのため、危険な状況でブレーキを踏めずに、事故を引き起こしてしまうことがあります。

「精」の不足と筋力の低下

「精」は体の成長や修復に関係するエネルギーです。精が不足すると、筋力や体力が低下し、ブレーキをしっかり踏む力が足りなくなることがあります。これが事故の原因になることがあります。

中医学的な生活習慣の改善

規則正しい生活リズム 規則正しい生活は、気や精を補うために非常に重要です。夜更かしをせず、十分な睡眠を取ることが、脳と体の健康を維持するために必要です。特に高齢者は、早寝早起きを心がけましょう。

バランスの取れた食事 中医学では、鶏肉や山芋、なつめなどが気を補うとされています。また、黒ごまやクルミ、海藻類が精を補う効果があり、筋力の維持に役立ちます。これらの食材を取り入れたバランスの良い食事を心がけましょう。

適度な運動 太極拳やヨガなどの穏やかな運動は、気を整え、筋力を維持するために効果的です。毎日の散歩や軽いストレッチも、事故を防ぐために役立ちます。

心を落ち着ける習慣 深呼吸や瞑想、趣味に没頭するなど、心をリラックスさせる時間を持つことが大切です。気の流れを整えることで、冷静な判断力を保つことができます。

まとめ

高齢者による逆走や衝突事故の原因には、反射神経の遅れや認知機能の低下、筋力の衰えが大きく関係しています。これらは、体や脳の老化に伴う現象ですが、中医学では「気」や「精」の不足が原因とされています。

事故を防ぐためには、定期的な運転能力のチェックや安全装置の活用、生活習慣の見直しが重要です。中医学的なアプローチを取り入れ、気や精を補う生活習慣を続けることで、体と心のバランスを保ち、安全に運転を続けることができます。

最後に、自分の運転に不安を感じたときは、無理をせず、運転を引退することも大切です。自分や他人の安全を守るために、早めの判断を心がけましょう。

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岩本益宏
専門家

岩本益宏(医薬品販売業)

有限会社くすりの厚生会

子宝専門の漢方薬店として、カウンセリングで「妊娠力」を高める食生活や睡眠など生活習慣改善についてアドバイスと漢方薬の販売を行う。漢方知識と、自らの不妊治療・体外受精・出産の経験を生かしお客様をサポート

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