妊娠を助ける7つの食品とその理由
男性も年齢とともに妊娠の治療成績が低下するけど流産率はアップ
男性が40歳を越えると治療成績が下がり、年齢が高くなるほど治療成績が低下します。
子づくりを始めてから妊娠に至るまでの期間も、男性の年齢が高いほど長期化します。
40代後半になると約1年半、50歳以上になると2年半以上。
なかなか妊娠できないのは男性側の精子の問題かもしれないんです。
他にも、男性の年齢が高くなるほど流産率も上がることがわかっています。
つまり、男性の精子も老化の影響を受けているということです。
体外受精や顕微授精を受けているカップルが知っておくべきコト
女性の年齢に関係なく男性が40歳以上の場合、年齢が高くなるほど治療成績が低下するという研究報告がオーストラリアのモナシュ大学からなされている。
似たような報告は日本の学会でも自然妊娠の場合の報告がされています。
これらの結果から男性も40歳を過ぎたあたりから、妊娠能力の低下が考えられるんです。
さらに男性の年齢が高いと妊娠までの時間も長くなるという報告もあります。
子づくりを始めてから妊娠に至るまでの期間の関係を調べたイギリスの研究データでわかったことです。
男性が20代だと約6か月。
30代から40代前半では約10ヶ月。
40代後半になると約1年半。
50歳以上になると2年半以上かかるとのこと。
男性の年齢が高くなると流産率も上がることも報告されています。
男性の年齢が20歳の倍の流産率を1とします。
35歳で1.43倍。
40歳で1.58倍。
45歳で1.74倍。
50歳では1.90倍。
男性の年齢が高くなるほど女性パートナーは流産しやすくなると報告しています。
精子だって老化します。
見かけではなく、中身です。
そうDNA。
年齢が高くなると精子の遺伝子が損傷しているということも新しい妊活常識なんです。
妊活で禁欲される方がいますが、禁欲は精子を古くします。
禁欲期間が短いと射精時の精子のデオキシリボ核酸断片化が減少します。
えっ、、、、
デオキシリボ核酸って?
生物の遺伝情報を担う物質のこと。
日本語ではデオキシリボ核酸といいますがDNAと呼ばれることが多いんです。
対策として頻繁な射精。
なぜなら古い精子が外にだされることで精液中に新鮮な精子の割合が増えるからです。
最低でも数日に1回、出来れば隔日か、毎日が理想とされています。
この時点で、妊活しているカップルで、できている男性は、ほとんどいないのではないでしょうか。
不妊治療の成否は女性だけの問題では無いということ。
そして、タイムリミットは男性側にもあるのではないか、ということです。
以下に論文内用なので、詳しく知りたい方は読んでおいてください。
参考文献
特発性不妊症に対する体外受精/顕微授精サイクルにおいて、男性の加齢は生児出産の確率と負の相関を示す
https://doi.org/10.1093/humrep/dez223←論文
1992年から2017年まで大学病院で実施された体外受精や顕微授精24,411周期から、男性パートナーの精液検査結果が正常で、女性パートナーが子宮内膜症や卵管閉塞、PCOS、採卵数が3個未満や15個以上、さらには、凍結卵子、凍結精子を使った治療を除いた原因不明不妊症カップルの2,425周期を対象に治療成績への男性や女性の年齢の影響を調べた結果です。
女性の年齢が高くなるほど治療成績が低くなることは、よくよく、知られていますが、それとは関係なく、また、女性ほどの影響ではありませんが、男性も40歳以降、年齢が高くなるほど治療成績は低くなることがわかりました。
男性の年齢が1歳高くなるごとに出産に至る確率は4.1%低くなるとのこと。
実際、これまでも男性の年齢の影響についてはいくつもの研究報告がなされています。
男性の年齢が高いと妊娠までの時間も長くなる
2112名の女性を対象に男性パートナーの年齢と子づくりを始めてから妊娠に至るまでの期間の関係を調べたイギリスの研究があります。
参考文献
男性の年齢が出生率に及ぼす影響:年齢の上昇に伴い男性の出生率が低下することの証拠
Fertil Steril 2003; 79: 1520. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/12801554←論文
それによると、男性が20代では約6か月なのが、30代から40代前半になるとだと、約10ヶ月に、40代後半になると約1年半、そして、50歳以上になると2年半以上かかるようになり、男性の年齢が高くなるほどパートナーの女性が妊娠するまでに長くかかるようになることがわかります。
ここでも男性が40歳を超える頃からパートナーの女性が妊娠しにくくなる傾向が見て取れます。
男性の年齢が高くなると流産率も上がる
男性の年齢はパートナーの流産率も上昇させることが知られています。
5121名の女性を対象に男性パートナーと流産率の関係を調べたアメリカの研究があります。
参考文献
環境問題を原因とする一般的な病気の予防のために、ゲノム研究は必要なのでしょうか?
Am J Epidemiol. 2005; 161: 816. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/15840611←論文
それによると、男性の年齢が20歳のパートナーの女性の流産率を1とした場合、35歳で1.43、40歳になると1.58、45歳で1.74、そして、50歳では1.90倍と、男性の年齢が高くなるほど女性パートナーは流産しやすくなると報告しています。
いずれの研究でも女性の加齢の影響は統計的に排除されています。
このように、女性の年齢の影響については、広く知られていますが、父親になる男性の年齢も、また、妊娠率や出産率、流産率にマイナスの影響を及ぼすのです。
それに対して現実はどうかと言えば、男性は女性と違い、年をとっても精子がつくり続けられているため、精液検査で問題がなければ、問題ないだろうと受け止められているのではないでしょうか。
精子だって老化する
ところが、精子の「量」ではなく「質」に目を向けてみると、男性の年齢が高くなればなるほど、精液検査の結果にかかわらず、精子の質の指標とされている精子のDNAの損傷率が高くなることがわかっています。
参考文献
男女における妊娠までの期間の関連性:全国家庭生育調査からの知見
Fertil Steril 2017; 101: 1588 https://www.fertstert.org/article/S0015-0282(18)30015-3/fulltext ←論文
つまり、男性も40歳を超えると、精液検査の結果に関係なく、精子の質が低下し、パートナーの女性は妊娠しづらくなるのです。
そうです、年齢が高いカップルは、卵子の質だけでなく、精子の質にも目を向けるべきなのです。
そして、ここが大事なところですが、精子は常につくり続けられているので、質の改善のために出来ることがいくつかあるのです。
たとえば、禁欲期間を短くすること。
禁欲は精子を古くする
頻繁に射精していれば、精液中に新鮮な精子の割合が増えるからです。
最低でも数日に1回、出来れば隔日か、毎日が理想です。
参考文献
禁欲期間が短いと射精時の精子デオキシリボ核酸断片化が減少する
Fertil Steril 2011;96: 1083. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21924714←論文
また、座りっぱなしを避けること。
運動と精子
デスクワークの時間と精液検査結果は関連しませんでしたが、精子DNA断片化率と有意な関連が認めらたという研究報告がなされてます。
Folia Histochem Cytobiol. 2019; 57: 15. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/30869154←論文
そして、食事やサプリメントで十分なビタミンやミネラルを摂取すること。
食事やサプリメントのビタミンCやビタミンE、亜鉛の摂取量が多い男性と少ない男性の精子DNAの損傷率を比べたところ44歳未満の男性では差は見られなかったのに、44歳の男性ではそれらの栄養素の摂取量が少ない男性のほうが精子DNA損傷率が多い男性に比べて高かったとアメリカから報告されています。
つまり、40代前半までは栄養摂取による違いは出ないものの40代後半になると栄養素を十分の摂取しないと年齢による影響が回避できないということを物語っています。
反対に言えば、年齢が高くなっても新鮮な野菜や果物、サプリメント等で抗酸化物質をしっかりと摂取いていると精子DNA損傷率の上昇は避けられるということになります。
高齢の妊活カップルは「ふたりで取り組むこと」がより重要になります。