公的年金の財政検証を検証してみると…
こんにちは。
ファイナンシャルプランナーの土田です。
最近話題の金融庁の「人生100年時代」の報告書問題ですが、昨日は国会で蓮舫議員が追及をしていたようですね。
毎日新聞記事
金融庁、わずか10日で削除「年金の水準が当面低下」などの表現
https://mainichi.jp/articles/20190610/k00/00m/010/255000c
記事によると、5月22日に金融庁が「報告案」として公表したものには、「公的年金の水準が当面は低下する」「年金の給付水準が今までと同等のものであると期待するのは難しい」といった文言があったのですが、それが6月3日の報告書からは削除されていたというものです。
やはり、5月に公表した報告書案で大きな反響があったことや、選挙が近いこともあり野党もここぞとばかりに「年金詐欺」「100年安心は嘘」といった言葉で批判をしたため、表現を柔らかにしたのでしょうか?※そんな臭いものに蓋をするより、いい加減はっきりとして欲しいですが…
しかし、以前もブログに書きましたが、これは日本の社会保障制度自体が古い設計(人口がどんどん増え高齢者も80歳前には亡くなる時代の設計)になっているということが問題であり、それを分かっていて何十年も先送りしてきたツケが回ってきたに過ぎません。
よくシルバーポピュリズムなどと言われますが、人口も多く、選挙の投票率も高い高齢者が社会保障制度から多くの受益を得ています。(年金はもちろん、医療・介護も)ですから、高齢者を敵に回すようなことは選挙を考えると難しいということもあり先送りにされています。
以前のブログにアップしていた、日経新聞に掲載されていたグラフです。
2004年の年金制度改革、いわゆる「100年安心年金」ですが、簡単に言うとその内容は、
①賞与からも社会保険料を徴収し、毎月給料からの料率も徐々に上げ現役世代からは負担を増加させる。
②現役時代に稼いでいた給料と比較し、年金がどのくらい貰えるかという率(所得代替率)を62%から徐々に引き下げ2043年ころに50%程度に下げてその後は固定する。(年金減少)
というものでした。
つまり、2004年には40年掛けて2割程度の年金減額は盛り込んでいた訳です。
ところが、この改革も実は進んでいません。
①の現役世代からの保険料を高くすることはやっていますが、②の年金受給者の金額引き下げはほとんど行われておらず、計画は先送りになっています。
そこで上図を見て下さい。
これからでも2004年改革のペースで年金引き下げを行った場合のシミュレーションが水色です。
すでに10年以上改革が遅れているので、2043年の所得代替率の固定化時には50%を割る計算になります。
ところが、相変わらず年金を削減する話は厚労省が提案しても政府に却下されている(日経新聞記事より)状況なので、このまま先送りした場合のシミュレーションが青です。
これでいくと後期高齢者の人口がピークを迎えると言われる2050年ころに年金財政は事実上破綻し、所得代替率は40%以下になるという大変恐ろしい試算結果になります。
こうなると、2000万円どころではなく、その倍あっても節約生活を強いられそうですね(汗)
また、医療や介護もこのままでは維持できないでしょうから、自己負担も増えそうです。
資産形成とともに、健康管理にも気を使わなければ老後は乗り切れそうもありません(汗)
野党の議員さんには、ぜひ「社会保障改革はこうするべき!」という対案を持って国会審議をして頂きたいと思います。(批判だけではもう国民も騙されません!)
そうはいっても、自助努力は必要です!
こういったことに早くに気付けたと思えばいい機会になります!
また、国も以前から「iDeCo」や「つみたてNISA」など税制優遇制度で自助努力を促してきたのは事実です。
悲観していても始まりません!しっかりとしてルールを知って、ぜひあなたの将来を少しでも安心できる状態にしていきましょう!
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今日もありがとうございました。