まちづくりイベント企画のつくりかた その4
友人から私の普段の仕事や活動と関係があるよ・・・と紹介があり、地域の在来作物を取り上げたドキュメンタリー映画「よみがえりのレシピ」の試写観る機会をいただきました。
若手の渡辺智史監督作品で淡々と映像と農家の人たちへのインタビューが続いていきます。
もう一方で独自の料理法で在来作物の存在に光を当てた“山形イタリアン”「アル・ケッチャーノ」の奥田政行シェフと江頭宏昌山形大学農学部准教授が登場し、山形の伝統食材の価値にスポットを当てています。
この作品は地域食材・地産地消についての提言や、市民プロデューサー方式で資金が集められて製作されていることは注目に値するが、私が気に入ったのが“苦い”というフレーズでした。
山形の在来作物は栽培が難しい割に収量が少ないために農家としては手間がかかって利益が出ない野菜という扱いを受け、事情は野菜臭くない野菜を求めるようになったために山形の在来作物は市場から見ることができなくなった。また独特の“苦味”が敬遠されたとも証言している。
しかし、その“苦味”こそ重要なキーワードではないかと思ったのです。今後少子高齢化が急速に進んでいく中で、大人向けの食材が現在の市場にどれだけ供給されているのだろうか。
また私たちは便利な社会という名のもとに身体も舌も甘やかしてきたのではないだろうか。
これからも“苦味”を覚えながらも大人の成熟した社会を目指さなければならない日本に対して伝統食材を通じて私たちに突き付けているのではないかと感じたのです。
「モンサントの不思議な食べもの」というドキュメンタリーが注目を浴びていましたが、機会があれば双方の映画を見比べてみるのも良いかもしれません。
普段漠然と「食」について考えている方には入門編として特にお勧めします。
名古屋ではシネマスコーレにて2月9日~2月15日まで上映されます。
なおこの映画を観終わった後、無性にお漬物が食べたくなります(笑)
映画「よみがえりのレシピ」
http://y-recipe.net/