言葉の魔力の使い方
ほろ苦いお話し。いっぱい伺っていて。
胸が痛くなることが多くあります。
個人が特定できないように配慮して、
対処法を、ちょっとだけでもお伝えできないかなぁ~~って、考えて。
不定期ではありますが、
シリーズにできたらいいなって思います。
そして、第1回目。
そりゃぁ、無いでしょ? 係長から始めます!
部長:「〇〇課長いないの?」
係長:「外出中です。本日は、戻られないようですが・・・」
部長:「そうか・・・(ためらったのち)じゃぁ、明日の会議、僕出られ泣くなったと伝えてくれる?
その次の定例会議も、出られないから関連部署の部長にもあらかじめ、お詫びするよう伝えておいてね」
係長:「はい。かしこまりました。あの・・部長、ちょっと抱えてる案件について、相談したいんですが・・・」
その後、係長は、部長からしっかりアドバイスをいただいて、相談会は終了。
部長:「じゃ、課長の件、頼むよ」
そして、翌日。
朝一番で、係長は課長に報告。
係長:「〇〇課長、次の定例会議、部長はご欠席だそうです。他の部長にもお詫びをするよう伝言です」
課長:「ありがとう。では、今日の会議が終わったら連絡して、お詫びしておくよ」
さて。時間になっても、部長が会議室に揃わないので、他のメンバーを待たせて、部長秘書に連絡。
秘書:「▽▽部長は、本日、終日関連会社にご出張です。」
課長:「え?そうなの?」(なに??会議は、前々から決まっていたのに無責任だなぁ・・・=心の声)
会議室に戻った課長は、他のメンバーの士気を下げないために、
課長:「急な外出でどうしても出席できないって、今、秘書が連絡しようとしていたらしい」と、
嘘をついて会議を始めた。
翌日、課長は部長に、「ご欠席なら連絡をいただけると助かりました」と話したところ、
部長:「ん??××係長に伝えたよ。君の課は、伝言もできんのかね?」と、不快な顔をされてしまった。
課長は、係長を席に呼び、
課長:「××さん、昨日部長と何を話したか、もう一度思い出してくれないかな?」
係長:「は? 定例会議は欠席で、他の部長にお詫びしておいてほしいと、伺いました」
課長:「それだけ?」
係長:「はい。それだけです」
課長:「今、部長に今日の会議の結果と、次の定例会後欠席のお詫びをした件を報告がてら、
今日のご欠席は、急に決まったことかどうか、確認したんだけど、昨日、××さんに伝言したと、
不快そうな顔をされたよ」
係長:「でも、僕は聞いていません」
課長:「メモを取っていたら、見せてもらえるかな?」
係長:「メモはありません」
このケースは、
1.メモを取る習慣がない
2.誰が言い忘れたかより、「嘘」をつかないようにするためにどうするかを考える
ことで、解決しましょう。
ビジネスマナーでは、
「上司に呼ばれたら、メモとペンをもって、すぐに伺う」
は、仕事の基本だということを理解してもらいます。
メモとペンがないと、どれだけ困るか、実際に演習をしてもらうので、頭では理解できます。
が、習慣化されるかどうかは、その後の職場での訓練によって変わります。
係長になってもメモが取れないのは、いかがなものかですが、
係長クラスになると、注意してくれる人も少なくなるので、ますます、習慣化できなくなってしまいます。
それでも、係長の上司である課長や部長は、言い続けることで、訓練させるしかありません。
誰が言い忘れたか、犯人を特定したくなるものですが、
それより重要視してほしいのは、
「嘘」をつくことによって、信頼関係を損なう危険性への配慮です。
皆の士気を下げたくないのはわかりますが、
誤魔化しは、信頼関係を損なう行為です。
だからと言って、会議の席上でなにがあったかを暴露するのは、愚かな行為です。
アサーティブに、
「推測ですが、連絡不足があったようで、とても残念です。
本日の会議、部長は欠席です。
それでも気を緩めることなく、この会議をより価値のある時間にしてほしいので、
協力していきましょう」
と、メンバーを奮起させましょう。
このほかにも、切り口はいくつかありますので、
深く考えてみてくださいね。