セルフケアを「本人任せ」から「職場で育てる力」へ ーストレスチェック義務化拡大を「活かす」へ②―

今回は、上司自身の健康管理について
取り上げてみたいと思います。
管理職になると、
部下の体調や働き方に気を配る場面が
増えてきます。
「無理をしないように」
「疲れたら休んで」
「困ったら相談して」
そんな言葉を部下にかけることも
あるのではないでしょうか。
一方で、その言葉をかけている上司自身は
どうでしょう。
自分は遅くまで働き、
なかなか休まず、
多少の無理は当たり前。
そんな働き方になっていることも
あるかもしれません。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
2023年に発表された
ドイツの調査では、
「健康志向型リーダーシップ」と
健康状態や職務満足との関連が
検討されています。
健康志向型リーダーシップとは、
上司が部下の健康に配慮するとともに、
自分自身の健康も管理する
リーダーシップです。
この研究では、
部下への配慮だけではなく、
上司自身の自己配慮についても
扱われています。
その結果、
健康志向型リーダーシップは、
リーダー本人と従業員の
健康状態や職務満足と
関連していました。
ここで興味深いのは、
「部下を気づかう」だけではなく、
管理職自身が
どのように働いているのかも
大切な視点になっていることです。
-----------------------------------------------------
たとえば上司が、
「今日はもう帰っていいよ」
と部下には声をかけながら、
自分は毎日のように
遅くまで働いていたら
どうでしょうか。
言葉では「休んでいい」と
伝えていても、
上司の働き方からは
「本当は休まないほうがいい」
という別のメッセージが
伝わる可能性があります。
管理職の
「無理を美徳とする働き方」は、
部下への暗黙のメッセージに
なり得るということです。
管理職が
自分を大切にすることは、
自分だけのための健康管理ではなく、
職場に
「こう働いてもいいんだ」
というメッセージを送ることにも
つながるのかもしれません。
------------------------------------------------------
大きな取り組みを始めなくても、
まずは日々の働き方から
見直せることがあります。
たとえば、
会議が本当に必要かどうか考え、
回数を減らす
資料作成時間を
短縮できる仕組みを考える
勤務時間について、
チームでルールを考えてみる。
こうした小さな行動も、
「回復する時間を大切にする」
という職場のメッセージに
つながっていきます。
部下の健康を支えることと、
管理職自身が自分の健康を守ること。
この二つを別々に考えるのではなく、
一緒に考えてみてもよさそうです。
-----------------------------------------------------------
部下が「休んでよい」と
本当に感じられる上司の行動とは、
どのようなものでしょうか。
そしてもう一つ。
健康管理の上で
部下に勧めていることを、
管理職自身もできているでしょうか。
自分の働き方を少し振り返ることが、
チーム全体の働き方を考える
きっかけになるかもしれません。
---------------------------------------
出典
Health-oriented leadership, gender-differences and job satisfaction: Results of a representative survey in Germany
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/36641422/


