ストレスチェックが職場を変えるきっかけになるとき ーストレスチェック義務化拡大を「活かす」へ①―

今週は、
セルフケアを“自己責任”で
終わらせない視点を
取り上げてみたいと思います。
メンタルヘルス対策というと、
「一人ひとりが、
もっと自分でストレスを
管理すべきだ」
そんなふうに
語られることがあります。
もちろん、自分の状態に気づき、
早めに整える力は大切です。
けれども、セルフケアは
「本人任せにすること」とは
少し違います。
心の健康づくりの考え方では、
セルフケアは、
職場全体で支える大切な柱の一つです。
本人が学び、気づき、
必要なときに助けを求められるようにする
。
そのための機会や環境を
組織が整えていくことも、
大事なメンタルヘルス対策です。
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では、セルフケアでは、
具体的に何が求められるのでしょうか。
まず大切なのは、
自分のストレスサインに
気づくことです。
眠れない。
疲れが抜けない。
集中しにくい。
人とのやりとりがつらく感じる。
こうした小さな変化は、
心や体からの
大切なサインかもしれません。
次に、何が負担になっているのかを
把握することも必要です。
仕事量なのか。
人間関係なのか。
役割のあいまいさなのか。
将来への不安なのか。
要因が見えてくると、
対処の選択肢も
少しずつ見えやすくなります。
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そして、気づいたあとには
対処行動が必要です。
休息を取る。
誰かに相談する。
仕事の進め方を見直す。
抱えていることを言葉にする。
どれも特別なことではありません。
ただ、忙しい職場では、
この「早めに対処する」
が
後回しになりがちです。
「まだ大丈夫」
「自分だけがつらいわけではない」
「迷惑をかけたくない」
そう思っているうちに、
疲れが慢性化してしまうこともあります。
だからこそ、必要に応じて
専門職や相談窓口につながることも、
セルフケアの一部として
考えておきたいところです。
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職場全体では何に気をつければ
よいでしょうか?
従業員に
「自分で気をつけてください」
と伝えるだけでは、
セルフケアはなかなか
根づきにくいものです。
職場でできることの一つは、
学ぶ機会をつくることです。
メンタルヘルスの基礎研修、
レジリエンス研修、
睡眠や運動に関するセミナー。
こうした場があることで、
「自分の状態を見てもいい」
という空気が生まれます。
社内ポータルやメルマガで、
短く読みやすい情報を
定期的に届けることも有効です。
大事なのは、
困ったときだけではなく、
日常の中で触れられる形にする
ことです。
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面談や1on1の中でも、
セルフケアを支える関わりはできます。
たとえば、
「最近、仕事量はどうですか」
「疲れがたまっていませんか」
「一人で抱えていることはありますか」
こうした問いかけがあるだけで、
本人が自分の状態を振り返る
きっかけになります。
ただし、注意したいのは、
無理に聞き出そうとしないことです。
セルフケアを支える関わりは、
管理することではなく、
気づきや相談の入口を
つくること
だと思います。
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また、セルフケアの課題は、
年代や役割によっても違います。
若手社員の場合は、
自分の限界がまだ分からなかったり、
誰に相談してよいか迷ったりします。
「こんなことで相談していいのか」
と考えてしまう人もいるかもしれません。
そのため若手には、
早めに相談することは
弱さではなく、仕事を続けるための
大切な行動だと伝えたいところです。
一方、中堅社員は、
責任感から抱え込みやすくなります。
周囲から頼られ、
自分も応えようとする中で、
疲労が少しずつ積み重なることがあります。
中堅には、
「抱え込むことが責任感」ではなく、
「必要な調整をすることも責任」
というメッセージが必要かもしれません。
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ここで大切になるのが、
「しなやかに受け止め、立て直す力」
(レジリエンス)という視点です。
レジリエンスというと、
「ストレスに折れない強い心」
と受け止められることがあります。
けれども本来は、
つらい状況から回復し、
しなやかに適応していく力
として
考える方が自然です。
つまり、我慢し続ける力ではありません。
自分の状態に気づき、
必要なときに立ち止まり、
周囲の力も借りながら回復する力。
その意味で、レジリエンスは
セルフケアととても相性のよい
テーマだと感じます。
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セルフケアは、
「自分のことは自分で何とかする」
という話ではありません。
自分の状態に気づく力を育て、
早めに整える行動を支え、
必要なときに助けを求められる
環境をつくること。
それが、職場における
セルフケアの本質ではないでしょうか。
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今のあなたの組織では、
従業員が自分の心のコンディションに気づき、
早めにリカバリーする力を高めるための
仕組みや学びの機会は、
どれだけ用意されているでしょうか。
もし、セルフケアを支える
一つの仕掛けを
今すぐ導入するとしたら、
何から始めますか。
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次回は、
管理職に求められる
「ラインによるケア」について
考えていきます。
セルフケアとラインケアは、
どちらか一方ではなく、
つながって初めて力を発揮します。
「本人に任せすぎていないか」
この問いを持つことが、
職場のメンタルヘルス対策を
一歩進めるきっかけになるように思います。


