『大丈夫です』と言う部下をどう見るか―落ち込んだ部下への上司の関わり方

近藤ひろえ

近藤ひろえ

テーマ:部下育成



部下が仕事で失敗したあと、
声をかけても『大丈夫です』としか言わないーーー

管理職の方から、
このような場面でどう関わればよいか
迷うというお話をよく伺います。
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「大丈夫です」
そう答えるけれど、どう見てもいつもと様子が違う。

そんな部下はいませんか。

仕事でミスをした。
お客様から厳しいことを言われた。
思うような結果が出なかった。

上司としては気になります。

そこで、
「大丈夫?」
と声をかける。

すると本人は、
「はい、大丈夫です」
と答える。

一応、仕事にも来ている。
頼んだこともやっている。
だから、もう少し様子を見ようかと思う。

ところが、よく見ていると以前とは少し違います。

自分で判断していたことをなかなか決められない。
仕事の進みが遅くなっている。
こちらから聞けば答えるけれど、自分から相談には来ない。

そんな様子を見て、
「まだ引きずっているのかな」
と思うことがあります。
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でも、ここからが難しいのです。

もう一度こちらから声をかけた方がいいのか。
あまり構わず、本人に任せた方がいいのか。
何があったのか、もう少し聞いた方がいいのか。
それとも仕事の話だけをした方がいいのか。

管理職の方とお話ししていると、
このような場面で迷うという話をよく聞きます。

部下を放っておきたいわけではありません。
むしろ、何とか力になりたいと思っている。

だからこそ、迷うのだと思います。

「元気を出して」
「いつまでも気にしていても仕方ないよ」
「誰にだって失敗はあるよ」

励ますつもりで言った言葉が、
思ったほど本人に届かないこともあります。

逆に、
「今はそっとしておこう」
と見守っていたら、
本人が一人で抱え込んでいた、
ということもあります。

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なぜ、こんなに難しいのでしょうか。

一つの理由は、
「落ち込んでいる部下への正しい声のかけ方」
を探そうとしてしまうからかもしれません。

実は、いつでも使える一つの正解があるわけではありません。

同じように落ち込んでいるように見えても、
その人が今どんな状態にいるのかによって、
必要な関わり方が変わるからです。

たとえば、
失敗したばかりで気持ちが大きく揺れているとき。
本人はまだ、
何が起きたのかを整理することさえ難しいかもしれません。

そんなときに、
「では、次はどうする?」
と先のことを考えさせても、
なかなか答えが出てきません。

一方で、少し気持ちが落ち着き、
「次はこうしてみようかな」
と本人なりに考え始めているときもあります。

その段階で上司が何でも先回りして、
「こうしたらいい」
「次はこうしなさい」
と答えを出してしまうと、
本人が自分で立ち直っていく機会を
小さくしてしまうことがあります。

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つまり大切なのは、

「何と言えばいいのか」

を覚えることだけではなく、

「今、この人はどんな状態にいるのだろう」

と見ることなのです。

先ほどの、
「大丈夫です」
と言っている部下も同じです。

「大丈夫」という言葉だけでは、その人の状態は分かりません。

どんなことを話しているのか。
仕事をどこまで自分で進められているのか。
こちらが声をかけたとき、どんな反応をするのか。

そんな普段の様子を見ていくと、
「少し気持ちは落ち着いているけれど、
まだ一人で整理したり判断したりするのは難しそうだな」
と見えてくることがあります。

そうすると、上司の関わり方も変わります。

ただ励ますのでもない。
全部代わりに考えるのでもない。
放っておくのでもない。

本人が自分の力で次へ進むために、
今どこを少し支えればよいのかを
考えることができます。

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私は、こうした関わり方を
「部下を立ち直らせること」とは
少し違うものだと考えています。

上司が部下を立ち直らせるのではありません。

立ち直っていくのは、本人です。

上司にできるのは、
その人が自分の力を使いやすくなるように
支えることです。

そして、
そのためには、
人が失敗やトラブルから
どのように立ち直っていくのかを
知っておくことが、とても役に立ちます。

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今回、10月16日にウインクあいちで、
「部下の立ち直り力を引き出す上司の関わり方」
というセミナーを担当します。

このセミナーでは、
レジリエンスという言葉を
知ることだけが目的ではありません。

人が失敗やトラブルから立ち直っていくとき、
どのようなプロセスをたどるのか。

そのとき部下にはどんな様子が見られるのか。

上司はどこまで関わり、
どこから本人に任せればよいのか。

そんな、実際の職場で迷いやすい場面について、
具体的に考えていきます。

もしこの記事を読みながら、

「あの部下のことが少し浮かんだ」
「自分も、どこまで声をかけたらいいのか迷うことがある」

と思われた方には、きっとお役に立てる内容だと思います。

部下が困難な出来事にぶつかったとき、
上司がすべてを解決する必要はありません。

けれど、

「今、この人にはどんな関わりが必要なのだろう」

と考えるための視点を持っていることは、
部下にとっても、上司自身にとっても、大きな助けになります。

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令和8年度 若年者等定着支援セミナー
「部下の立ち直り力を引き出す上司の関わり方」

2026年10月16日(金)10:00~17:00
会場:ウインクあいち
受講料:12,000円(税込)
詳細・お申し込みはこちら
https://ailabor.or.jp/rodo/seminar-wlb/entry-82488.html

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近藤ひろえ
専門家

近藤ひろえ(人材教育・メンタルヘルス講師)

人材育成研修「リベル」

わかりやすく納得感が高まる体験型の研修で職場の課題解決をサポート。現場ですぐに生かせる具体的な方法を伝え、新入社員から管理職まで、すべての人が働きやすく生産性の高い職場づくりを提案。

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