正しいのに届かない言葉 ―「伝える」と「関わる」の違い―

最近、研修やサービスの流れを見ていると、
少しずつ変化が起きているように感じます。
これまで別々に扱われがちだった
「メンタルヘルス」と「人材育成」が、
同じテーマとして語られる場面が増えてきました。
不調者への対応という枠を超えて、
「どうすればいきいき働けるか」を
考える流れに変わりつつあるようです。
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日本能率協会ソリューションや
日本の人事部の情報では、
セルフケア力や感情コントロールを高める研修、
習慣化や行動変容をテーマにした教育が、
2026年のトレンドとして示されています。
また、心理的安全性や1on1など、
マネジメントやコミュニケーションと
メンタルヘルスを組み合わせた内容も増えています。
つまり、これらは別テーマではなく、
つながっているものとして扱われ始めています。
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では、なぜこのような流れが
生まれてきているのでしょうか。
メンタル不調を「個人の問題」として 捉えてしまうと、
対策は広がりません。
実際には、
コミュニケーションの取り方や、
任せ方のバランス、
将来の見通しの持てなさなど、
「働き方」そのものと
深く関わっていることが見えてきました。
つまり、育成のあり方と
心の状態は切り離せない
という前提に変わってきたのだと思います。
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さらに、現場の声を聞くと、
こんな違和感もあります。
ストレスチェックは実施しているけれど、
働きやすさはあまり変わらない。
制度はあるけれど、
忙しさの中で活用されていない。
研修はやっているが、
行動が続かない。
こうした状況から見えてくるのは、
「制度だけでは変わらない」という現実です。
だからこそ今、
「不調者対応」から一歩進んで、
誰もが安定して働ける土台づくり、
いわば“折れにくさ”や“整え直す力”を
育てる方向へと変わり始めています。
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例えば管理職の育成では、
単なる業務指導だけでなく、
部下の様子に気づく視点や、
1on1での対話の質が
問われるようになっています。
また若手に対しても、
「頑張ること」だけでなく、
助けを求める力や、
感情との付き合い方、
考え方のクセに気づく力など、
働き続けるための力を
育てる必要性が高まっています。
こうした内容は、
特別な研修として切り出すというより、
日々の関わりや
既存の研修の中に
組み込んでいくことが現実的かもしれません。
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あなたの職場では、
メンタルヘルスは「守るもの」でしょうか。
それとも、
人材育成の中で「育てるもの」として
位置づけられているでしょうか。
この捉え方の違いが、
これからの組織づくりに
少しずつ影響していくのかもしれません。
出典
メンタルヘルスで組織を強くする(日本能率協会ソリューション)
https://solution.jma.or.jp/column/mentalhealth/
【2026年版】メンタルヘルス関連サービス、EAPの傾向と選び方(日本の人事部)
https://jinjibu.jp/article/detl/service/349/


