「それは悲しいことでしょ?」と言われて、つらくなった話 ― ステレオタイプがすれ違いを生むとき ―

近藤ひろえ

近藤ひろえ

テーマ:コミュニケーション


最近、こんなやりとりを見聞きすることがあります

「悪気はないのに、なぜか傷ついてしまう」
「正しいことを言われているはずなのに、モヤモヤが残る」

その背景には、
“ステレオタイプで相手を理解してしまうこと”が
関係しているのかもしれません。
=====================================
ある方の話です。

その方は、お母様を亡くされました。

長年、ゴールデンウィークやお盆などの長期休暇には、
「実家に行かなければならない」生活を続けてきました。

お母様との関係は、決して良好とは言えず、
それでも「よい娘」でいようと、
ずっと応え続けてきたそうです。

亡くなる前の8年間は、
サポートのために月に何度も実家へ通う日々。

そして迎えた今年のゴールデンウィーク。

はじめて
「実家に行かなくてもいい」時間が訪れました。

その方は、こう言いました。

「今年は、実家に行かなくてもいいゴールデンウィークなので、嬉しいです」

この言葉に対して、ある人がこう返しました。

「それは、嬉しいんじゃなくて悲しいことでしょ」

この一言に、その方はとても悔しさを感じたそうです。

たしかに、一般的には
・肉親が亡くなるのは悲しいこと
・帰る場所がないのはさみしいこと

そう捉えられることが多いと思います。

でも、その人にはその人の背景があります。

どんな関係だったのか
どんな時間を過ごしてきたのか
どんな思いでその言葉を口にしたのか

それらを飛び越えて、
「こう感じるはずだ」と決めつけられてしまったとき、
人は理解されたとは感じません。

=====================================

コミュニケーションで大事なことは、
“正しさ”よりも“その人の背景”を見ることかもしれません。

・この人は、なぜこの言葉を選んだのか
・どんな気持ちで話しているのか
・どう受け取ってほしいのか

そこに目を向けるだけで、
関わり方は大きく変わります。

たとえば、この場面であれば、

「そう感じているんですね」
「いろいろあったんですね」

そんな一言のほうが、
相手にとってはずっと救いになるかもしれません。

私たちはつい、
「普通はこう感じるよね」
という枠で相手を見てしまいます。

でも、その“普通”が、
相手を遠ざけてしまうこともある。

だからこそ、少しだけ立ち止まって、

“この人にとってはどうなのだろう”

と考えてみる。

それが、関係をあたためる一歩になるのだと思います。

=====================================

今回の話は、特別なケースではなく、
日常の中にもたくさんあることです。

職場でも、家庭でも、友人関係でも。

「わかっているつもり」が、
すれ違いを生むことがあります。

だからこそ、

相手を“当てはめる”のではなく、
“知ろうとする”こと。

そんな関わりを、少しずつ増やしていきたいですね。

リンクをコピーしました

Mybestpro Members

近藤ひろえ
専門家

近藤ひろえ(人材教育・メンタルヘルス講師)

人材育成研修「リベル」

コーチングの手法を取り入れた体験型の研修で職場の課題解決をサポート。現場ですぐに生かせる具体的な方法を伝え、新入社員から管理職まで、すべての人が働きやすく生産性の高い職場づくりを提案。

関連するコラム

プロのおすすめするコラム

コラムテーマ

コラム一覧に戻る

プロのインタビューを読む

人材育成を通じて人の成長と企業の発展を支える研修講師

  1. マイベストプロ TOP
  2. マイベストプロ愛知
  3. 愛知のビジネス
  4. 愛知の人材育成・社員研修
  5. 近藤ひろえ
  6. コラム一覧
  7. 「それは悲しいことでしょ?」と言われて、つらくなった話 ― ステレオタイプがすれ違いを生むとき ―

近藤ひろえプロへの仕事の相談・依頼

仕事の相談・依頼