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加藤武範

医療と介護の架け橋になる、リハビリと介護支援の専門家

加藤武範(かとうたけのり) / ケアマネジャー

合同会社福寿想

コラム

それぞれの価値観

2021年10月15日

テーマ:訪問鍼灸マッサージ

コラムカテゴリ:医療・病院

コラムキーワード: ケアマネジャー鍼灸治療社会福祉士

先日、夕方遅くに帰社したところ、訪問鍼灸マッサージを担当する職員が電話で謝罪している。なんかトラブル?

確認すると、「最近、訪問マッサージが始まった方ですが、今日、マッサージに訪問するとオムツがパンパンで、止むなくオムツを交換せざるをえない状況でした。実は前回伺った時は、本人さんがトイレに行きたいと言うので、トイレ介助しました。調子が良ければ、動ける時もあるのですが、全然動けない時もあるようです。さすがに鍼灸マッサージ師の私たちが毎回行う業務では無いですし、時間も限られていますので、担当のケアマネジャーさんに相談していました」との事。
「家族はいないの?」
「息子さんが居るのですが、働きに出ています。奥さんも居るのですが、昨日退院してきたばかりで、隣の部屋で寝ている状態です。」
「介護保険のサービスは利用していないの?」
「毎日14時に1時間ヘルパーが入っています。それ以外は福祉用具レンタルが入っているだけです。1日1回のヘルパーで排泄をまかなおうとしているみたいで、ケアマネさんも息子さんにヘルパーの回数を増やすことを何度も提案しているそうですが、お金が勿体ないという理由で断られるそうです。」

※福寿想鍼灸治療院(訪問専門)HP
https://fukujyuso.jp/chiryouin.html

後日、訪問マッサージを担当する職員が長男さんに連絡し、「訪問マッサージの前に排泄介助の目的でヘルパーさんを入れてもらえないか?」相談したそうです。

結論的には「オムツパンパンのまま、マッサージをして欲しい」とのことでした。担当者も、「それは困ります・・・オムツパンパンの状態が分かっていて施術はできません。」何とか方法がないか?お願いしたところ、長男さんより「訪問マッサージは中止として欲しい・・・」と、ご本人さんは、訪問マッサージを大変喜んでいたそうですが、ご本人の気持ちは置き去り。ただ、経済状況や家族の価値観はマチマチです・・・。
訪問マッサージの時間をヘルパーさんが入った後に行くなど、次の提案もあったのですが、そうした前向きな議論さえさせて頂けなかった様子です。

私たちは、家族さんの価値観に寄り添って仕事をしなければ成りません。しかし、私たちにも自分たちの仕事に対する価値観はあります。排泄介助をしないと言っている訳では無いのですが、それが当たり前になるのも違うのかな・・・と、なにか後味の悪い幕切れでした。

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