新型コロナウイルス緊急事態宣言下での介護保険事業
ここ数日の間に「介護施設を無料で紹介する会社です。ご挨拶に伺いました!」と立派なパンフレットを持って、何社か弊社ケアマネ宛てに営業にいらっしゃいました。
いわゆる老人ホーム紹介会社です。私も病院のMSW(医療ソーシャルワーカー=相談員)時代に退院先に困りそうな患者さんをどこかの施設に入れてもらったことがありました。
老人ホームをどうやって探すか?そもそも何から手をつけたら良いか?家族にとっての負担は大変大きいので、こういった無料で老人ホームを探してくれる会社の存在意義は大きいかもしれません。
ただ、ちょっとおかしいと思いませんか?無料で老人ホームを探してくれるのです。この人達は、どうやって仕事(収支)が成り立っているのか?
実は、上記の様な紹介会社は、付き合いの深い限られた有料老人ホームを紹介し、そこに入居が決まれば、その施設からいくらかキックバック(紹介料)を頂く・・・という仕組みで成り立っています。こういう仕組みである以上、施設を探しているお客さんに公平な情報がいく訳もなく、そりゃあキックバックがもらえる施設を紹介しますよね・・・
だから、ケアマネジャーの立場として、老人ホーム紹介会社の方が営業に来られたら必ず聞くようにしている事があります。「老人ホームの紹介会社として、本当にお客様の立場に立って施設を紹介されていますか?介護施設というのは、有料老人ホームだけでなく、特別養護老人ホームや老人保健施設などもあります。そうしたキックバックをもらえない施設もしっかり紹介してこそ、公平な情報提供であり、紹介会社のプロではないか?と僕は考えていますが、いかがですか?」と・・・。
我が社まで営業にご足労頂きながら、青臭い正論をぶつけるケアマネで申し訳ありません・・・。
ケアマネジャーは、担当している利用者さんの在宅生活が難しくなったとき、施設入所について相談支援していくのも仕事です。費用、立地、施設の雰囲気、家族関係など入所施設を決める基準や価値観はまちまちです。そうした家族の状況や思いをよく分かっている一人がケアマネジャーだと思います。ケアマネがついていて、施設入所を考えている方は、まずは担当ケアマネにこそ相談すべきだと思います。
老人ホーム(無料)紹介会社のすべてを否定するつもりはありませんが、「ただより高い物はない」とよく口にしていた母親の言葉を思い出しました。