大手上場企業でも間違える仕組み導入のタイミング!?
組織と仕組みづくりパートナー/中小企業診断士の蛯原健治です。
社長がいちいち言わなくても、社員が勝手に動いて利益が2倍になる組織作りのコツをお届けします。
「幹部には、もっと自分で考えて動いてほしい」
「これからは、部署ごとに目標を立てて、
自分たちで改善してほしい」
中小企業の経営者から、
よく聞く言葉です。
私も、そう思います。
でも、
ここで一つ気になることがあります。
今まで経験したことのない仕事を、
いきなりできるのでしょうか?
例えば、
支援先で部署ごとのOKRを
導入するとき。
幹部には、自分たちで部署の未来を描き、
目標を決めてもらいます。
でも、これまで社長が決めた目標を
達成することが仕事だった幹部にとって、
自分たちで目標を考えることは、
簡単ではありません。
最初は、今までの仕事の延長でしか
考えられないこともあります。
そこで、何度も話し合いながら、
自分たちが実現したい姿を
少しずつ具体的にしていきます。
もちろん、
一度目標を決めたら終わりではありません。
実際にやってみる。
うまくいかなかったことを振り返る。
そして、やり方を変えて、またやってみる。
この繰り返しが必要です。
前回から紹介している
「組織変革を阻む10の課題」。
2つ目は「支援がない」です。
私は、この問題を、
新しいことを始めるときに、
できるようになるまで支援する
仕組みがあるのか
ということだと考えています。
例えば、幹部の仕事を
部下に任せることを決めた会社があります。
幹部が新しい取り組みに
時間を使えるようにするためです。
でも、部下に仕事を任せると言っても、
「明日から、あなたがやってね」
では、できませんよね(笑)。
まず、仕事のやり方を教える。
実際にやってもらう。
うまくできなければ、
一緒に振り返る。
そして、またやってもらう。
最初は、幹部が自分でやったほうが
早いかもしれません。
それでも、教える時間を使う。
部下ができるようになるまで、
支援を続ける。
そうすることで、少しずつ
幹部が仕事を手放せるようになり、
新しい取り組みも進んでいきます。
ただ、ここで問題があります。
その支援にかかる時間やコストを、
会社として認めているのでしょうか。
新しいことを始めれば、
一時的に生産性が下がることもあります。
失敗して、やり直すこともあります。
教える側にも、教わる側にも、
時間が必要です。
そして、
定期的に振り返る時間も必要です。
私は、組織を変えていくためには、
人材力・組織力・関係力の
3つの力を高めることが必要だと考えています。
新しい仕事ができるようになれば、
人材力が高まる。
教えたり、相談したり、
一緒に振り返ることで、
関係力が高まる。
そして、誰が何をするのか、
どこまで判断してよいのかを決め、
仕事の進め方を変えていく。
これが組織力です。
でも、どれも最初から
うまくいくわけではありません。
そのための時間も、手間もかかります。
その一時的なコストを、
経営者が容認する決断ができるか。
ここが大きいと思います。
「組織を変えたい」
そう言いながら、
今までと同じ生産性を求め、
新しいこともやってほしい。
それでは、現場の頑張りだけに
頼ることになってしまいます。
新しいことをやれと言うだけでは、
組織は変わりません。
できるようになるまで支援する。
そして、
その支援に必要なコストを
会社として引き受ける。
そこまで考えて、初めて
組織の変革が進み始めるのでは
ないでしょうか。
さて、皆さんの会社では、
社員に新しいことを求めるとき、
できるようになるまでの支援と、
そのためのコストまで考えているでしょうか。
次回は、3つ目の課題
「自分たちには関係がない」。
会社を変えようとしているのに、
社員にとっては他人事。
これについて考えてみます。
参考・出典
・Peter Sengeほか『The Dance of Change』(1999年)
・石見幸三「チームビルディングSSR理論」
https://iwamikozo.com/ssr//
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