幹部のサポートはしてますか?
組織と仕組みづくりパートナー/中小企業診断士の蛯原健治です。
社長がいちいち言わなくても、社員が勝手に動いて利益が2倍になる組織作りのコツをお届けします。
「時間がないんです」
中小企業の経営者や幹部と話していると、
よく出てくる言葉です。
先日も、ある支援先で、
組織を変えるために必要な会議が
開催できていないという話がありました。
理由は、日々の業務に追われているから。
目の前の仕事をこなすだけで精いっぱい。
会議を開催する余裕がない。
でも、その会議を開催しないと、
仕事の進め方が変わらない。
仕事の進め方が変わらないから、
忙しさも変わらない。
あれ?
これでは、いつまでたっても
変わりませんよね(笑)。
別の支援先では、
社長が幹部の育成を待ちきれず、
自ら仕事の隙間を埋め続けています。
社長が動けば、何とか仕事は回る。
でも、社長が動くことで、
今までの仕事の進め方も維持されてしまう。
社長は、分かってはいるけれど
変えると人がやめてしまうからと。
だから、しょうがなく自分は変えないそうです。
経営者も幹部も社員も、
一生懸命仕事をしている。
それなのに、なぜ変わらないのでしょうか。
実は、組織が変わろうとするときには、
共通して現れる10の課題があるといわれています。
『学習する組織』で知られる
ピーター・センゲらが、
『The Dance of Change』という本で
整理したものです。
10の課題は、変革の段階によって
3つに分けられています。
【第1段階:変革を始めるときの壁】
① 時間がない
② 支援がない
③ 自分たちには関係がない
④ 言っていることと、やっていることが違う
【第2段階:変革を続けるときの壁】
⑤ 恐れや不安が生まれる
⑥ 成果が見えない
⑦ 推進する人と、そうでない人の間に溝ができる
【第3段階:変革を組織全体に広げるときの壁】
⑧ 権限や意思決定の壁
⑨ 他の部署に広がらない
⑩ 何のために変革するのか分からなくなる
いかがでしょうか。
皆さんの会社でも、
思い当たることはありませんか。
私は、この10の課題を見て、
改めて感じたことがあります。
それは、組織が変わらないのは、
個人の能力や意識だけの問題では
ないということです。
社長は、会社を守ろうとして判断する。
幹部は、目の前の仕事を
何とか終わらせようとする。
社員は、自分に任された仕事を
一生懸命やる。
みんな頑張っている。
しかも、これまでは、
その頑張りで会社が回ってきたのです。
だから、なかなか変えられない。
私は、組織づくりの支援をするとき、
石見幸三さんが提唱する
「チームビルディングSSR理論」の
人材力・組織力・関係力という
3つの力を大切にしています。
この3つの力は、
互いに影響し合っています。
そして、どれか一つの力が低いと、
組織全体の力も頭打ちになってしまう。
例えば、優秀な人材がいて、
社員同士の関係もよい。
でも、誰が何を決めるのか、
仕事をどう進めるのかが曖昧なままでは、
結局、特定の人の頑張りに頼ってしまう。
組織力を高める必要がある。
社長も、それは分かっている。
ところが、いざ変えようとすると、
目の前の仕事を優先してしまう。
そして、また元に戻る。
これまで会社を回してきた
やり方そのものが、
変革を阻んでいるのかもしれません。
私自身、中小企業の組織づくりに
長年関わってきましたが、
なかなか変えられないことがあります。
もちろん、変わり始めた会社もあります。
何が違うのでしょうか。
私にも、まだ分からないことがあります。
だからこそ、この10の課題を、
実際の支援現場で起きていることと
重ねながら考えてみたいと思いました。
次回から、10の課題を一つずつ、
中小企業で実際に起きている事例とともに
紹介していきます。
最初は「①時間がない」。
単に忙しいから時間がない、
という話ではなさそうです。
さて、皆さんの会社ではどうでしょうか。
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参考・出典
・Peter Sengeほか『The Dance of Change』(1999年)
・石見幸三「チームビルディングSSR理論」
https://iwamikozo.com/ssr/
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