社長が変えようとするほど、組織は動かなくなる

蛯原健治

蛯原健治

テーマ:組織づくり チームビルディング 事業承継

組織と仕組みづくりパートナー/中小企業診断士の蛯原健治です。
社長がいちいち言わなくても、社員が勝手に動いて利益が2倍になる組織作りのコツをお届けします。



最近、ある支援先の社長との面談で、
不思議な出来事がありました。


以前の私なら、
「ここで気づいてもらわなければ」と思い、
質問を重ねていた場面です。


ところが今回は、
あえて急がず、少し待ってみました。


沈黙が流れた後、社長がふと、

「そういうことか……」

と、自分の言葉で話し始めたのです。


私は何か特別なことをしたわけではありません。


問いを一つ投げ、その後は答えを急がず、
その場に居続けただけでした。


この出来事を通して、一つのことに気づきました。


私はこれまで、
「相手を変えるための質問」
を探していたのかもしれません。

この問いなら気づくだろう。

このタイミングなら変われるだろう。

そんな思いで関わっていました。


もちろん、その根底には
「良くなってほしい」という願いがあります。


しかし、その願いが強くなりすぎると、
相手は自分の考えではなく、
「期待されている答え」を探し始めます。


すると、
本当の意味での変化は起こりにくくなります。


一方で、
問いを投げた後に待てるようになると、
不思議なことが起こります。


相手は自分の中で考え始め、
自分の言葉で語り始めるのです。


私は最近、この瞬間こそが
本当の変化なのではないか
と思うようになりました。


これは組織づくりでも同じです。


社長が社員を変えようと力を入れすぎるほど、
社員は社長の期待を読むようになります。


逆に、
社長が安心して待てるようになると、
社員は自分の考えを話し始めます。


組織は、誰かが変えるものではありません。

一人ひとりの中から意思が立ち上がることで、
組織は少しずつ動き始めるのです。


私自身、半年前なら、
この「待つ」ことができませんでした。

何か価値を提供しなければ。

何か気づきを与えなければ。

そんな思いが、どこかにありました。


でも今は少し違います。

支援者や経営者の役割は、
人を変えることではありません。

人が自分自身の言葉と出会い、
自ら一歩を踏み出せる「場」をつくることです。


社員は変えられません。

でも、社員が変わる場をつくることはできます。

それが、これから私が目指したい組織づくりです。



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専門家

蛯原健治(コンサルタント)

EBIマネジメントオフィス

チームビルディングコンサルティングにより、リアルな経営課題の解決、次世代の経営チームづくり、従業員の成長を三位一体でサポートし、持続可能な企業経営に結び付ける。

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