Mybestpro Members

渡邊リシアプロは山梨日日新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

新・ブランディングのチカラ 第3回「値段が高くても選ばれる理由」

渡邊リシア

渡邊リシア

テーマ:ブランディングデザイン


「この値段、高いかな……」

見積もりを出す前、値札をつける前、ふとその不安がよぎったことのある人は、きっと少なくないと思う。

ずっとこの悩みに向き合ってきた。多くの人は、不安になると値段を下げる方向に逃げる。けれど実際の現場では、値下げが解決策になったことは、ほとんどない。

「高いかな」の正体は、値段の問題じゃない


値段を見て「高いかな」と不安になる時、実はその不安の正体は、値段そのものではないことが多い。

  • これだけの手間をかけているのに、ちゃんと伝わっているだろうか
  • この良さ、自分にしか分かっていないんじゃないか


こうした、伝わっているかどうかへの不安が、値段への不安として出てきているだけのことが、驚くほど多い。だから値段を下げても、根本の不安は消えない。むしろ、下げるたびに自信を失っていく方を、何人も見てきた。

不思議なもので、値段を下げた瞬間はほっとする。けれどその安心は長く続かない。次の見積もりを出す時、また同じ不安がやってくる。なぜなら、不安の原因そのものには、一度も向き合っていないからだ。値段はただの症状で、原因は別のところにある。

価格競争に、勝者はいない


値段を下げれば売れる。分かりやすいから、みんなそこに逃げたくなる。

けれど、下げれば利益は削られる。削られた分は、どこかにしわ寄せがいく。材料を落とす、人手を削る、丁寧さを手放す。気づけば、値段を下げた理由そのものだったはずの「良いもの」が、少しずつ失われていく。

しかも、この勝負には終わりがない。誰かがさらに安くすれば、また下げる。相手も同じように苦しくなって、また下げる。気づけば、誰も得をしていないのに、誰も抜け出せない状態になっている。


価格競争に、勝者はいない。


だから、まずお伝えしたい。安売りしなくていい。

値段の付け方に迷った時、見るべき場所


高くても迷わず選ばれ続けているものには、共通点が一つある。

値段の裏に「物語」があること。

誰が、どんな想いで作ったのか。どんな手間をかけているのか。それを手にすることで、自分がどんな気持ちになれるのか。こうした物語が伝わっている時、人は値段そのものを見なくなる。比較する基準が、もはや値段ではなくなるからだ。

値段の付け方に迷う時、多くの方はまず相場を調べる。競合はいくらか、平均はいくらか。もちろんそれも大切な情報だが、そこだけを見ていると、いつまでも「その他大勢」の中の一つでしかいられない。

本当に見るべきは、相場や競合の価格ではない。自分の物語が、ちゃんと言葉になっているかどうか。そこなのだと思う。

自分の物語は、自分では見えない


一つだけ、絶対に見えない場所がある。それは、自分自身の物語だ。

「これくらい当たり前」「誰でもやっている」。そうやって、自分の一番の価値を、自分で一番低く見積もってしまう。手をかけた分だけ、それが当たり前になって、見えなくなる。頑張った方ほど、この罠にはまりやすい。近くにいすぎて、逆に見えなくなるものがある。

この仕事を続けてきて、今でも一番好きな瞬間がある。誰かの「これくらい当たり前」の中に、まだ誰にも語られていない物語が眠っているのを見つける瞬間。そしてそれを、初めて言葉にして本人に見せた時、その方の顔つきが変わる瞬間だ。


「これ、私のことだったんですね」


そう言っていただけた時、値段の話はもう終わっている。物語さえ見つかれば、値段は自然と後からついてくるものだから。

もし今、値札の前で手が止まっているなら。それは商品が悪いのではない。値段が高いのでもない。ただ、あなたの物語が、まだ誰にも見つけられていないだけだ。

その物語、一緒に見つけてみませんか。

リンクをコピーしました

Mybestpro Members

渡邊リシア
専門家

渡邊リシア(デザイナー)

STUDIO16 

漠然とした想いを、センスよく"見える形"に変える。実現までの流れや仕組みまで設計し、事業の成長を後押しする。名刺一枚から街づくりまで、境界を作らない。

渡邊リシアプロは山梨日日新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

関連するコラム

プロのおすすめするコラム

コラムテーマ

コラム一覧に戻る

プロのインタビューを読む

デザインで思いをかなえ、ビジネスを発展させるプロ

  1. マイベストプロ TOP
  2. マイベストプロ山梨
  3. 山梨のビジネス
  4. 山梨の広告・PR
  5. 渡邊リシア
  6. コラム一覧
  7. 新・ブランディングのチカラ 第3回「値段が高くても選ばれる理由」

渡邊リシアプロへの仕事の相談・依頼

仕事の相談・依頼