サーマクールが注目を浴びているわけ
誤解を恐れずに極めて簡単にいうと、真皮層にある皮脂腺から皮膚表面までのどこかで皮脂の滞留が生じて炎症を起こしたものがニキビです。ニキビは皮膚の正常なリズム・バランスが崩れた結果のひとつであり、この崩れこそが根本的な問題だと考えています。
ではなぜ崩れるのか?として原因を探るわけですが、原因は非常に多岐に渡り決して単純ではありません。単純ならとっくに治っていますし何度もニキビに悩まされずに来ているはずです。
原因には日常生活に深く関連したものも多いため、それらを個々に特定してなおかつ全て解決させることは正直言って無理に近いとさえ思います。
ただ、こうした原因に関しては数多の説がありますが、じつは最も大きい問題点は元々の肌質ではないかと思っています。つまり、何かきっかけがあるとニキビができやすい人とそうではない人がいるということです。残念ながらこれは事実であり現実です。
従って正常なリズム・バランスを取り戻すことと、その先にある肌質の改善がニキビ治療の本筋ということになるわけですが、となると当然ある程度は腰を落ち着けて治療に臨む必要があります。
じつは今あるニキビだけを治すのはそれほど難しい話ではありません。ほとんどの場合、抗生物質をしばらく服用すれば治まってしまうからです。抗生物質の服用を否定するわけではありません。ひとまず急場をしのぐには有効な手段ですし必要な場合ももちろんあります。しかし急場しのぎをずっと繰り返すわけにはいきません。
現在は保険診療で使える塗り薬の種類も増えましたし、中には成分的に先に述べた根本的対策に繋がり得るものも出てきましたが、ニキビ治療は見た目のことも同時に考える必要があるため、やはり美容皮膚科的なアプローチが大切ではないかと思います。