38.動画から来たお客様を逃さない!冷めないうちに繋ぎ止める「おもてなしの導線」
はじめに、こんにちは。株式会社吉和の森の森和吉です。
前回(第87回)は、AI活用・実践編の集大成として、SNSやホームページ、公式LINEを一本の導線で繋ぎ、社長が寝ている間も成果を生み出し続ける「自動集客エコシステム」の創り方についてお話ししました。
さて、今回からは新シリーズ【ファン化マーケティング実践編】がスタートします!
苦労して新規のお客様を獲得し、素晴らしい商品やサービスをお届けした後に、多くの経営者様が抱える「もう一つの深刻な悩み」があります。
それが、「一度買っていただいたお客様が、それっきりで離れていってしまう(単発で終わってしまう)」という問題です。
毎回ゼロから高い広告費や労力をかけて新規顧客を追いかけ続ける経営は、まるで「穴の開いたバケツに水注ぎ続ける」ようなものです。経営者も現場スタッフも、いつまでも精神的・体力的ゆとりを持つことができません。
今回は、一度ご縁のあったお客様の心を掴んで離さず、生涯にわたって自社を愛し続けていただくための「ファン化とLTV(生涯顧客価値)」の基本原則をお伝えします。
新規獲得は「リピート獲得」の5倍お金がかかる
マーケティングの世界には「1:5の法則」という有名な原則があります。新規のお客様を1人獲得するコストは、既存のお客様に再び買ってもらう(リピートいただく)コストの5倍かかるという法則です。
つまり、どれだけ新規集客が上手くいっていても、リピートや紹介が生まれなければ、会社の利益率は上がっていきません。
逆に、一度顧客になってくださったお客様が、2度、3度とリピートしてくださり、さらには友人や知人に「あの会社、本当に素晴らしいよ!」と勝手に口コミ(紹介)を広げてくれるようになればどうでしょうか。
広告費を1円もかけずに、利益率の高い上質なお客さまが自動的に集まり続ける「最強の経営基盤」が完成するのです。この「一人の顧客が一生涯で自社にもたらしてくれる利益の総額」のことをLTV(Life Time Value:生涯顧客価値)と呼びます。
お客様を「ファン(伝道師)」に変える3つのステップ
では、どうすれば単なる「一回限りの買主」を、自社の「熱狂的なファン(伝道師)」へと育てることができるのでしょうか。
【ステップ1:商品・サービスの「機能」ではなく「姿勢」を見せる】
お客様は、商品の品質や価格だけでファンになるわけではありません。「どんな想いで作っているのか」「どんな姿勢で顧客に向き合っているのか」という、会社の理念や人肌感(第61回、第77回)に共感したときにファンになります。日頃の発信や対話の中で、自社の「姿勢」を出し続けることが第一歩です。
【ステップ2:納品後の「サイレント期間」を徹底的に無くす】
顧客が最も離脱しやすいのは、商品やサービスを納品した直後からの数ヶ月間です。多くの会社が売った途端に連絡を絶ってしまうからです(第69回)。
売り込みを一切排除した「ニュースレター」や、公式LINEでの「その後の調子を伺う先回りメッセージ」を定期的に届け、「いつでもあなたを気にかけていますよ」という存在感を示し続けます。
【ステップ3:「特別な存在」として特別扱いする】
ファン化が得意な会社は、新規顧客よりも「既存顧客」を圧倒的に優遇します。
「既存のお客様限定の先行ご案内」「感謝の集い(交流会)」「ファン限定の特別サポート」など、一度買ってくれたお客様に対し、「あなた様は私たちにとって特別なパートナーです」というメッセージを形にして届け続けるのです。
ファン化とは「相思相愛の関係」を作ること
ファン化マーケティングとは、単に「囲い込んで何度もお金を使わせるテクニック」ではありません。
自社の価値を心から理解し、大切にしてくれるお客様に対し、こちらも全力の感謝とおもてなしで応える。この「温かい相思相愛の関係」を育んでいくプロセスそのものなのです。
お客様があなたの会社のファンになると、価格競争に巻き込まれることは一切なくなります。「〇〇さんだからお願いしたい」「他社がいくら安くても、吉和の森さん以外考えられない」と、圧倒的な信頼で選ばれ続けるようになります。
今回の実践ポイント
- 新規獲得だけでなく、「既存顧客との関係維持(LTV)」に時間と予算を割く
- 売り込みを捨て、自社の「理念や想い(人肌感)」を定期的に届け続ける
- 既存顧客を「特別な存在」として優遇する取り組み(限定フォロー)を始める
穴の開いたバケツを塞ぎ、今いるお客様を世界一幸せにする。
この覚悟を持つことが、結局は一番の近道であり、最も利益が出る経営の極意なのです。


