不動産投資クラウドファンディングで3か月で5万人の会員を集めたweb戦略
はじめに、こんにちは。株式会社吉和の森の森和吉です。
前回(第31回)は、Webマーケティングとデジタルマーケティングの決定的な違いとして、新規獲得の「点」にとどまるか、その後の既存顧客のフォロー(ファン化)までを一貫した「線(全体像)」で繋ぐか、というお話しをしました。
今回は、自社が今どのような状態にあるのか、客観的なデータに基づいて現状を正しく診断するための第一歩についてお話しします。テーマは、勘や経験を捨てる勇気!5秒で自社の「健康状態」がわかるデータ分析の正体です。
多くの中小企業経営者の皆様は、日々のリアルな商売において長年培ってきた「鋭い勘」や「豊富な経験」を持っています。これは本当に素晴らしい財産です。しかし、ことWeb集客やデジタルマーケティングの領域においては、この「勘や経験」だけに頼って経営判断を下すと、高確率で手痛い失敗(空振り)をすることになります。
「うちのホームページは問い合わせが少ないから、もっと広告費をかけてアクセス(訪問者数)を増やそう」
「とにかくブログやSNSを毎日更新していれば、いつかお客様が見つけてくれるはずだ」
こうした「なんとなく」の感覚でバットを振り続け、大切なお金と時間を浪費してしまっている会社を、私はこれまでに数多く見てきました。
デジタルマーケティングの最大のメリットは、こうした曖昧な勘をすべて排除し、自社のWeb集客の「健康状態」を客観的なデータで、一瞬にして、文字通り「5秒」で可視化できる点にあります。
1. アナログでは不可能な「客観的なデータ」が一瞬で手に入る
これまで、新聞の折り込みチラシや駅の看板広告といったアナログな施策では、「何人がその広告を目にして、そのうち何人が興味を持ち、何人が実際に問い合わせてくれたのか」を正確に測定することは不可能でした。効果測定ができないため、「なんとなく反響があった気がする」という曖昧な判断をせざるを得なかったのです。
しかし、デジタルマーケティングは違います。
お客様がどこから自社サイトに訪れ、どのページを何秒間読み、どのボタンを押して、あるいはどのページで嫌になって帰ってしまったのか。そのすべてが、嘘偽りのない「客観的なデータ」として手間なく一瞬で記録されます。
「データ分析」と聞くと、難解なグラフや統計学を想像して、数字が苦手な方はアレルギーを起こしてしまうかもしれません。
ですが、難しく考える必要はまったくありません 。データ分析の本質とは、難しい数式の計算ではなく、自社のサイトを訪れたお客様の足跡(行動データ)をのぞき込み、「何に興味を持ち、どこで困っているのか」を優しく見極める作業に過ぎないからです。
2.【事例】アクセス不足だと勘違いしていた外壁リフォーム会社
私が以前に集客支援をさせていただいた、ある外壁リフォーム会社の事例をご紹介します。
その会社では、毎月15万円の広告費を支払って自社サイトにアクセスを集めていましたが、ホームページからの問い合わせは「月に1〜2件」と、極めて深刻な状況にありました。
社長様はご自身の経験から、「やはりアクセス(訪問者数)が足りないのだ。もっと広告費を増やして、まずは認知を広げるべきだ」と勘で判断し、予算の増額を検討されていました。
しかし、私がアクセス解析ツール(Googleアナリティクスなど)のデータを診断してみたところ、社長様の「勘」とは全く異なる病因がはっきりと浮かび上がってきたのです。
- 広告の着地先であるランディングページ(LP)の「離脱率」が94%に達していた。
- サイトに訪れたユーザーの平均「滞在時間」はわずか12秒だった。
この2つの数字が教えてくれる事実から、何が起きているかお分かりでしょうか。
「アクセスが足りない(認知不足)」のではなく、「せっかく広告費を払って呼び込んだお客様が、ページを見た瞬間に『私の知りたいことはここにはない』と感じて、わずか12秒で他社へ逃げてしまっている(受け皿の不備)」のです。
この状態で広告費を増やしてアクセスを2倍にしても、大切な予算をドブに捨てるだけで、問い合わせは1件も増えません。
そこで私たちは、広告予算を1円も増やさずに、データが示すボトルネック(問題点)を一つひとつ丁寧に治療していきました。
- スマホで見たときに、パッと見て「何の専門会社か」が1秒で伝わるように、ページのメイン画像を変更
- 文字の大きさをスマホ向けに調整し、競合他社で評判の良い「お客様の声(口コミ)」をリスペクトしてページ内に追加
- 長すぎてお客様にストレスを与えていた問い合わせフォームの項目数を、必要最低限の4つに削減
結果、ユーザーの平均滞在時間は12秒から1分半へと伸び、無駄な離脱が大幅に減少 。翌月の問い合わせ数は、これまでの月1〜2件から、一気に「月18件」へと跳ね上がったのです。
3.数字が苦手な経営者でも5秒でわかる、たった2つの健康指標
「解析ツールを開いても、数字が多すぎてどこを見ればいいか分からない」という方は、次の2つの指標だけをチェックしてみてください。5秒でサイトの健康状態を診断できます。
①「滞在時間」(ユーザーの興味の深さ)
ユーザーがそのページをどれくらいじっくり読んでくれたかを示す数字です。
例えば、自社サイトに掲載している「ブログA」と「ブログB」のデータを見比べてみます。
◆ブログA:平均滞在時間15秒
◆ブログB:平均滞在時間2分
これだけで、ブログBはお客様に深く読まれている「価値のある記事」であり、ブログBに比べて滞在時間が極端に短いブログAは、タイトルと内容がかみ合っていなかったり、文字が小さくてスマホで読みづらかったりといった「お客様をがっかりさせる原因」がどこかに隠れていると5秒で特定できます。
②「離脱の場所」(お客様が帰ってしまったフェーズ)
お客様がサイトに訪れてから問い合わせに至るまでには、「ランディングページ(最初に着地したページ)」「回遊ページ(料金表や会社概要など)」「フォームページ(入力画面)」というフェーズ(階層)があります。
それぞれのページの離脱率を確認し、極端に離脱率が高い場所(例えば、フォーム画面の離脱率が70%以上など)があれば、そこがまさに「お客様の行く手を阻み、逃してしまっているボトルネック」です。
勘や経験を捨て、鏡と向き合う勇気を持つ
データ分析とは、あなたの会社のWebサイトに訪れてくれたお客様が、何に喜び、どこでつまずいたのかを、ありのままに映し出してくれる「正直な鏡」です。
「きっとこうだろう」という主観的な勘や経験を一度捨てて、鏡が示す客観的なデータ(数字)を素直に受け止めること。
そして、お客様がつまずいている場所の石コロを、一つずつ丁寧に取り除いてあげること。
この地道な改善の繰り返し(PDCA)こそが、無駄なコストを徹底的に削りながら、売上を2倍、3倍に引き上げていく唯一の正攻法なのです。
皆様も、高額なコンサルティングを受けたり、システムを複雑にする前に、まずはスマホを手に取って、自社のアクセス解析画面をのぞき込んでみてください。数字という正直な鏡は、あなたのサイトが今すぐ直すべき「本当の課題」を、いつでも静かに教えてくれているはずです。


