19.問い合わせフォームの「小さな不備」が数億円の損失を生む

森和吉

森和吉

テーマ:デジタルマーケティング

SNSをコツコツと更新し、広告を出し、SEO記事を書き、やっとの想いでお客様を自社のホームページやランディングページ(LP)へと呼び込むことができたとします。

しかし、安心するのはまだ早いです。
お客様が最後にクリックする「問い合わせボタン」や、その先にある「入力フォーム」にほんの少しの不備があるだけで、これまでの地道な努力や高額な広告費は、一瞬にしてすべて水の泡となります。

Web集客における「最後の1メートル」とも言える入力フォーム。
ここに潜む小さなストレスが、なぜ数億円もの売上損失に繋がってしまうのか。そして、それをどう改善すべきなのかを、具体的にお話しします。

1.フォームにたどり着いた「約7割」が途中で諦めている


Web業界には、非常に恐ろしいデータがあります。
ホームページやランディングページ(LP)の問い合わせフォームにたどり着いたユーザーのうち、「約70%」もの人が、入力を完了せずに途中で離脱(退場)してしまっているのです。

100人のお客様が「ここに問い合わせてみよう」とフォームを開いたのに、そのうち70人は途中で「もういいや」と入力をやめ、回れ右をして他社へ去ってしまう。これが現実です。

この70%の離脱の裏にあるのは、お客様が入力時に感じる「面倒くささ」や「分かりづらさ」といった、ごく小さなストレスです。
この不備を放置したまま、いくら広告費を増やしてアクセスを集めても、ザルで水をすくうように顧客を逃し続けることになり、長期的に見れば数千万円、数億円単位の売上をドブに捨てていることと同じなのです。

2.項目数は「削れるだけ削る」のが鉄則


フォームの離脱を防ぎ、入力完了率を高めるための最も効果的でシンプルな方法は、「入力項目を減らすこと」です。

多くの会社が、後の営業活動やデータ管理を楽にしたいがために、フォームの項目を欲張って増やしてしまいます。

  • 名前、フリガナ
  • 会社名、部署名、役職
  • 住所、電話番号、メールアドレス
  • ご予算、ご家族構成
  • 当社を知ったきっかけ
  • 面談の希望日時、メルマガ希望の有無…


まだ契約もしていない、ただ資料が欲しいだけのお客様に対して、これだけの個人情報を最初から入力させるのは、心理的に極めて大きな負担となります。

本当に今必要なのは、後からいくらでも聞き出せる詳細なデータではなく、まずお客様と繋がるための「最低限の連絡先」です。
「名前、メールアドレス、電話番号、希望日時」の4項目程度に絞る。ただこれだけで、入力完了率は劇的に向上します。

3.お客様を逃さない「5つのEFO(フォーム最適化)対策」


さらに、システム面での「小さなストレス」を解消するEFO(入力フォーム最適化)対策を施すことで、離脱率は最小限に抑えられます。私が企業のコンサルティング現場に入った際、必ずチェックして改善させる5つの基本ポイントを紹介します。

①全角・半角の自動切換え


「メールアドレスを入力したら『全角で入力されています』とエラーが出た」
「電話番号を半角で入力し直してくださいと警告が出た」
人間の目には全角と半角の違いは分かりづらく、この「エラーによるやり直し」が発生した瞬間に、お客様は嫌気がさして離脱します。数字やアドレスは、システム側で自動的に半角へ変換する仕様にしておくのが鉄則です。

②即時(リアルタイム)のエラー表示


すべての項目を一生懸命入力し、最後に「送信」ボタンを押した瞬間に「入力不備があります」と突き返され、さらに親切にも(?)入力した内容が消えてしまっている…。これは最悪の体験です。
エラーは送信ボタンを押す前、その項目を入力した瞬間に、その場で「赤い文字などでリアルタイムにアナウンスされる」設計(入力補助)にしてください。

③郵便番号からの住所自動入力


郵便番号を入力するだけで、市区町村までの住所が自動的に表示される仕組みです。これがあるだけで、住所入力の手間は半分以下になり、離脱を大きく防ぐことができます。

④スマートフォン(スマホ)での見やすさ・操作性


現在のアクセスの主流はスマホです。
スマホの画面で見たときに「文字サイズや入力欄が小さすぎてタップしづらい」というのも大きな不備です。また、メールアドレスの入力欄をタップしたとき、スマホのキーボードが自動的に「英数字入力」へと切り替わる仕組み(レスポンシブ対応)も必須となります。

⑤フォーム画面からの「余計なリンクやバナー」の排除


問い合わせフォームのページに、他のブログ記事へのリンクや、自社サイトのメインメニューがそのまま残っていると、お客様が誤ってそちらをクリックしてしまい、フォームから離脱してしまいます。
フォーム画面には、入力に100%集中してもらうため、余計なバナーやリンクは一切排除してください。プライバシーポリシーなどは、ポップアップ画面でその場に表示させるのが良い方法です。

「最後の1メートル」を磨くことが、最も費用対効果が高い


Web集客において、サイトへのアクセス数を2倍に増やす(200人集める)のには、莫大な広告費や何ヶ月もの時間が必要です。
しかし、フォームの離脱率を70%から40%に下げる(入力完了率を2倍近くにする)ことは、少しのフォーム改修だけで、今すぐ実現可能です。

集客の最後のゲートであるフォームを徹底的に磨き上げること。
これこそが、あらゆるWeb集客の中で、最も費用対効果が高く、確実に売上を伸ばすための「正攻法」なのです。

まずは、スマホを持って自社の問い合わせフォームを一度、自分で入力してみてください。
「面倒くさいな」「分かりづらいな」と感じる部分が1箇所でもあれば、そこが、あなたの会社から毎月お金を奪い去っている原因そのものなのです。

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