居住者によるマンションの維持管理④
梅雨の季節になりましたね。梅雨には欠かせぬ紫陽花の花の雨に濡れた姿は何ともいえずいいもです。ジメジメとした空気も、一瞬和ませてくれような気分になりますね。
さて、前回は「防火対象物点検報告制度」について触れさせて頂きました。
今回は、防火対象物であるマンションにおける防火管理について触れてみたいと思います。
マンションにお住まいの皆さんは、「管理規約」や「館内細則」はご覧になっていると思います。ところで、「消防計画」等はご覧になったことがありますか?。なかには存在すらご存じない方もいらっしゃるのではないでしょうか。昨今、防災意識も高まってきておりますので、改めて簡単にご説明させて頂きます。
1.はじめに
全ての建物では自主的に防火管理が適切に行われる必要がありますが、自主的な防火管理を期待するだけでは十分に安全が確保できない場合が有ります。そこで消防法第8条では、一定規模以上の建物(マンションはほとんどがあてはまります。)について、防火管理上必要な業務を行わせるよう義務づけています。
2.管理権限者
管理組合の理事長がこれに当たります。(防火管理の最終責任者です。)
消防法第8条により管理権限者は、火災・地震等から自分達のマンションを守るために、防火管理者を定めて防火管理業務を行わなければなりません。
3.防火管理者
管理権限者(理事長)から、防火上の管理を行う者として選任された者をいいます。(防火管理の推進責任者です。)但し、防火管理に関する講習会の課程を修了した者等一 定の資格を有し、防火上必要な業務を適切に遂行できる者でなくてはなりません。
4.防火管理業務
では、実際に防火管理者が行う防火管理業務とはどのようなもなのかを以下に記載いたします。
①消火・通報及び避難の訓練の実施。
②消防用設備等の点検及び整備。(実際にはこれを専門資格者に行わせること。)
③火気の使用又は取り扱いに関する監督。
⑤消防計画の作成。
などとなっています。実際に皆さんは防火管理者の存在すら知らない方のほうが多いのではないでしょうか。
5.消防計画
マンションの形態や建物の構造・設備等の状況を加味して、防火管理者が作成して所轄 の消防署長に届け出ることが義務づけられています。
以下のHP(PDFファイル)を参考にしてみて下さい。
http://www.tfd.metro.tokyo.jp/drs/ss_jirei/038.pdf
6.罰則
脅かすわけではありませんが、たとえ火災が発生しなくとも法に従わなかった場合、管理権限者(理事長)は処分を受ける事があります。
例えば、「防火管理者の選任の届け出を怠った者」は罰金30万円以下又は拘留(消防法44条8項)となっています。
注意しましょう!
7.最後に
管理組合の理事にでもならない限り、「消防計画」を目にしたり防火管理について居住者のみなさんは、普段あまり意識はされていないのではないでしょうか。
このコラムをお読み頂いたのを機に、ご自分のマンションでの消防計画はどうなっているのかを、是非一度ご確認してみて下さい。
株式会社東拓企画 担当:鈴木康広
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