分譲マンションと民泊問題
こんにちは。
みなさん連休はどうお過ごしでしたか?
今日からまた張り切って仕事しましょう!
さて今回からは、マンションでの管理組合と区分所有者間で発生したトラブルで、実際に裁判
までに発展したケースで、「少し意外かな?」とも思えるような判例をご紹介してみたいと思い
ます。
ただ、係争事には似たようなケースでも細かな点では違ってくる場合はいくらでもあり、また
最高裁での判例ではないことも踏まえて、「こんな判例があるんだな」と参考程度に捉えておい
てください。
いずれにしても、トラブルは起きないほうが良いに決まっていますよね?
でもトラブルに遭ってしまったときは、お互いによく話し合い理解し合うなどして解決を図り
それでもダメな時は専門家に相談をして早期解決をしたほうが良いでしょう。
今日はまず1回目です。
○町内会費の考え方○
管理組合と自治会、町内会とはその法的根拠の有無、目的、構成員等の違いから、管理費等
と自治会費、町内会費は区別する事が必要と考えられています。
次の事実関係で、管理組合は区分所有者に対して町内会費を管理組合費として請求する事は
出来ないとした事例です。
<事実関係>
①Aマンションでは、自治会として「○○会」(任意団体)が設立され、自治会費として
月額300円、町内会費として月額200円の徴収をしていました。(町内会費を徴収
を行う事は会設立時に区分所有者全員が同意していました)
②その後「管理組合」が設立され○○会費月額500円は管理組合費と名称が変更され、
会議費、広報費、役員活動費、住環境の向上に要する費用等、管理組合の運営に要する
経費に充当するものと管理規約に定めて、内訳を組合運営の費用400円、町内会費1
00円としました。
<訴訟内容>
区分所有者Yは、滞納していた管理費等の内、町内会費100円を除いた組合運営の為
の費用400円しか支払わなかった為、管理組合が訴訟を起こしました。
<訴訟内容> 東京簡易裁判所 平成19年8月7日判決
①町内会は自治会とも言われ、一定地域に居住する住民等を会員として設立された任意の
団体であり、町内会の目的・実態からすると、入会するかかどうかは個人等の任意によ
るべきであり、一旦入会した個人等も、町内会の規約等に於いて大会の制限を定める特
段の事由がないかぎり、退会の意思を事由に出来る。
-要するに入会も退会も個人等の自由!
②管理組合は、区分所有の対象となる建物ならびにその敷地及び付属施設の管理を行う為
に設置されるのであるから(区分所有法第3条、第30条1項)、その目的内の事項に
限ってその効力を認める事ができる。しかし、町内会費の徴収は共有財産の管理に関する
事項ではなく区分所有法第3条の目的外の事項であるから、組合員の多数決で決めたり
規約等で定めてもその拘束力はない。
-管理組合費は月額500円となっており、そのうち100円は実質的に町内会費だから、
管理規約等で定めても拘束力はない。
③区分所有法第3条の趣旨からすると、管理組合自身が町内会へ入会する形をとることも、
その目的外の事項として入会行為自体の効力を認める事は出来ない。
皆さんはどうお感じになりましたか?
マンションの区分所有者は自動的に管理組合員になりますが、町内会の会員になるか否か
は個々の選択に任されているのですね。
しかし、実際にには管理組合自体で町内会の会員になっているところも多数あるでしょう。
管理組合自体で入会していれば、町内会とのコミュニケーションも理事長や役員の方々で
行ってくれますし、面倒がないともいえますよね。
個人個人違った考え方もあるかと思いますが、一度皆さんの管理組合では「町内会費」の
徴収方法はどうなっているか、確認してみるのも良いかと思います。
株式会社東拓企画
http://www.totakukikaku.jp