認証の意思決定(PartⅢ)

羽田一彰

羽田一彰

テーマ:小規模組織にあったマネジメントシステム

認証に取り組む組織にとって、ベストなコンサルタントとは?

認証目的によって、相応しいコンサルタントが異なることは前回書きました。
コンサルタントに必要なスキルを列挙するとおおよそ、以下の通りと考えます。なお、ISOに関して言えば、審査員は資格があり、必要ですが、コンサルタントに資格はありません。コンサルタントでも審査員資格を持っている方は多いですが、それはコンサルタントのスキルを証明するものではありません。

余談ですが、かなり前にサイトか書籍で企業を定年退職となった後、第二の人生で経験を活かしてコンサルタントになる人が多いという話の中で、“どうしたら、コンサルタントになれるか?”という問いに、“コンサルタントと肩書を書いた名刺を作ること”(もちろん、冗談半分ですが)という回答がありましたが、あながち間違いではないと思います。

・ISO規格を理解していること
審査基準なので当たり前ですよね。さらに、認証する組織に説明する際、ISO言葉を使わずに説明できると、さらに良いですね。ISO規格はすべての業種に適用可能、ということは業界や業種の用語は出てきません。ISOの言葉を組織が属する業界や業種の言葉に置き換えて説明できるスキルがある方がよいでしょ。

・ISO規格に相応しい経験・実績があること
 ISO9001であれば、組織の業種の品質管理を知っている、ISO27001であれば、さらにITの知識がある、などです。やはり、組織が属する業界・業種に関する経験とまではいいませんが、知識くらいはあったほうがよいと思います。

・コミュニケーション能力が高い
 説明がうまいだけでなく、ヒアリング能力が高いことが必要です。マネジメントシステムを構築し、ポリシーやルールを策定する際、組織の現状や今後の計画や課題を聞き取ります。ここをきちんとしないと実態と乖離した、あるいはダブルスタンダードとなるようなマネジメントシステムとなってしまいます。

・人の意見を聞くだけの度量があること
 自分の考えだけが正しいと思っているのか、他人の意見を一切聞かない人もいます。ISO規格を読んだことがある人はわかるかもしれませんが、規格は文書です。その文書を受けて、どのような仕組みを構築するかは、言ってみれば十人十色。そのコンサルタントの考え方だけが正しいわけではありません。未だに審査の現場でコンサルタントと審査員が規格の解釈で揉めることがありますが、組織をほったらかしにして、お互いのプライドの戦いとなっていることが多いです。また、このような時に組織を差し置いて審査機関にクレームを付けるコンサルタントもいますが、いったい、誰のためのISOなのか、わからなくなりますね。

・タフであること
 これは、心も体もです。コンサルタントは困難な場面に遭遇することがあります。ISOでいえば、コンサルタントが指導する通りに取り組んだのに、審査で不適合を食ったみたいな話。あるいは、経営陣と現場の考えに大きな差異がある場合。いかなる場合でも、コンサルタントがこれらの解決にリーダーシップを発揮する必要があります。困難な場面に遭遇した時に、逃げちゃう人、他責化する人、対応を他社に丸投げする人はダメです。

コンサルタントに必要なスキルは上記以外にもいろいろあると思います。もし、あなたの会社はコンサルタントを選定するのであれば、上記をヒントに自社なりの“コンサルタントに求めるスキル”を整理していただければ幸いです。

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羽田一彰
専門家

羽田一彰(ISOコンサルタント)

S&A JAPAN株式会社

中小IT企業を中心に、ISO9001、ISO27001やISO27017などの認証取得を支援。少ない文書で現場コンサルタントの力を借りずに運用できる仕組みづくりを重視。企業の成長を後押しします

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