自分がもらっている分配金が、実は元本を取り崩している可能性が!?特別分配型は元本を取り崩す 投資初心者が知らなかった資産運用

安東隆司

安東隆司

テーマ:投資初心者

(RIA JAPAN広報部記述)
このシリーズは、4年以上RIA JAPANのコラムを読んだ投資初心者に依頼して、「なるほど!と感じたポイント」「投資を始める前に知っておきたい!」と感じた内容について執筆いただきます。
投資初心者さんの執筆記事は第182回目になります。
今回は特別分配型について執筆いただきました。
誤解が無いように一部表現を校正した箇所があります(*)は編集部校正。
********************
配当を受け取って生活することは誰もが憧れると思います。
そんな夢を見て分配型の投資を選ぶ人もいるでしょう。
でも、分配金には2つの形があるのを理解してますか?
これがわからないと、自分の足を自分で食い尽くしてしまうかもしれません。

「普通分配」と自分の足を食べてしまう「タコ足」こと「特別分配」

分配金がもらえると聞いたら嬉しいですよね。
特にシニア世代は現役世代と比べると収入が減少するケースが多いため、
分配金を必要としている人も多いのではないでしょうか。

普通分配金

まず、分配金のひとつの形が普通分配金と呼ばれるものです。
こちらは運用成果から支払われるので、元本は減りません。
もちろん、運用成果が少ないと支払ってもらえる分も少なります。

特別分配金

一方で、もう一つの分配金の形、特別分配金は、その仕組みから「タコ足」とも呼ばれます。
自分の足を自分で食べちゃうからなんですよ。
この特別分配金では、運用の成果が上がらなかった時でも分配金を支払ってくれます。
もちろん、そんなうまい話はありません。
中身は簡単。
元本を取り崩して受け取っているだけなんです。

どうして特別分配型に注意が必要?

特別分配金を受け取った投資家が、いざ資金が必要となり解約すると、
100万円が30万円になってしまった… といった事例が実際に考えられます。

5%の分配を行う投資信託が、実際には1%しか儲かっていない場合があり得ます。
すると4%の分配金は「元本を取り崩して支払う」ことを行う場合が考えられるのです。

NISAから毎月分配型が全て除外に

さて、NISAといえば、配当金や分配金が非課税ですね。
しかし、2024年からは一部の分配型が非課税の対象から除外されました。
それが毎月分配型です。
実力通りに分配する普通分配型でも、自分の足を食べちゃうタコ足な特別分配型でも、
毎月分配する形態であれば全て除外されてしまいました。
(* 2025年9月時点議論中のシニア向け「プラチナNISA」では毎月分配型解禁に向けた議論もある。
 仮に毎月分配型全体が解禁された場合でも、元本を取り崩してしまう特別分配型には注意が必要)

2024年以降NISA対象になっても、隔月分配型の特別分配型に注意が必要な場合も

2024年以降の新しいNISAでは毎月分配型が除外されました。
しかし、隔月分配型はNISA対象となり得ることに注意が必要です。
毎月がダメなら、1か月おきに分配すればいい。
一休さんみたいな「とんち」かもしれませんが、制度上は問題はないのです。
これらがNISAの対象となっているケースがあるため、注意が必要です。

もちろん、運用した実力通りの分配をする普通分配型であるならば
隔月分配で受け取っても何ら問題はありません。
しかし、運用成績が悪い時でも分配を支払う「特別分配型」では、
元本がどんどんと減ってしまう場合がある
のです。

資金が必要なときには一部取り崩すのも選択肢の一つ

元本を崩すこと全てが悪いわけではありません。
退職金や老後の生活設計を考えた場合、運用しながら取り崩す可能性も出てきます。
資金が足りなければ生活できないですからね。

それでも元本を取り崩せば、運用益では取り戻せない可能性は高まります。
元本が減ったことで、運用益も減るからです。

老後の生活設計の上では、普通分配を基本とすることで、元本も減らさずに済みます。
もしも、緊急で資金が必要なら、一部取り崩すことも選択肢です。

でも、特別分配みたいに、意識せずに自動的に元本を取り崩す方法は、やはり問題ですよね。
いざ、取り崩そうと思ったときに、「元本が全然ない!」なんてことにならないように。
知っておくことで備えられることがあるものですね。

********************
(以下、編集後記)
今回、投資初心者さんには、特別分配型について執筆いただきました。
2025年9月執筆時点ではNISAで新たに毎月分配型を購入することはできません。
しかし、創設に向け議論されている「プラチナNISA」では毎月分配型の解禁も議題に挙がっていると報じられています。
高齢者の中には生活しながら分配金を受け取るニーズもあるでしょう。
しかし、自分の投資先が特別分配があるのかどうか、投資家は認識しておく必要があると考えられます。

RIA JAPANではこのトピックについて発信してきました。

関連記事

・週刊SPA!コメント掲載
 「買うと損する金融商品」に代表、安東隆司コメントが掲載されました。
 週刊SPA!「買うと損する金融商品」に安東隆司コメント掲載 テーマ型投信・毎月分配型投信・新興国通貨建て債券・ファンドラップ等
・日経CNBC 朝エクスプレス マーケット・レーダー
 有料経済チャンネル 日経CNBCにて解説しました。アーカイブが無料にて90秒閲覧可能です。全編は日経チャンネルマーケッツ契約者のみ閲覧可能です。
 新旧NISAを徹底的に活用する
・マイベストプロコラム掲載
 2024年NISA対象でも、ダマされてはいけない商品とは?隔月分配型とは?
繰り返しになりますが、本記事はRIA JAPANが、投資初心者に弊社発信のコラムで、「なるほど!と感じたポイント」「投資を始める前に知っておきたい!」と感じた内容について記述してもらったものです(第182回目)。

※本コラムは特定の有価証券又は金融商品を勧誘するものではありません。また、特定の資産クラスに対する今後の方向性を保証するものではありません。

資産運用のご相談、メディア取材、セミナーのご用命は下記リンクの弊社HPお問合せフォームよりご連絡ください。
RIA JAPAN おカネ学株式会社 お問合せフォーム

\プロのサービスをここから予約・申込みできます/

安東隆司プロのサービスメニューを見る

リンクをコピーしました

Mybestpro Members

安東隆司
専門家

安東隆司(投資顧問)

おカネ学株式会社 Reliable Investment Advisors Japan Co.,Ltd(英文名称 略称 RIA JAPAN)

富裕層の資産の管理や運用、承継などを行う。売買手数料0などお客様と利益相反の少ないサービスを追求。また、海外ETFを中心とした資産形成の知識・経験が豊富。テーラーメードの投資助言を大切にしている。

関連するコラム

プロのおすすめするコラム

コラムテーマ

コラム一覧に戻る

プロのインタビューを読む

海外ETF・相続専門家の資産運用管理コンサル、RIA

  1. マイベストプロ TOP
  2. マイベストプロ東京
  3. 東京のお金・保険
  4. 東京の資産運用
  5. 安東隆司
  6. コラム一覧
  7. 自分がもらっている分配金が、実は元本を取り崩している可能性が!?特別分配型は元本を取り崩す 投資初心者が知らなかった資産運用

安東隆司プロへの仕事の相談・依頼

仕事の相談・依頼