資産運用を始めるときに「どの銘柄か」よりも先に考えておきたい「資産の置き場所」って? 投資初心者が知らなかった資産運用
(RIA JAPAN広報部記述)
このシリーズは、3年以上RIA JAPANのコラムを読んだ投資初心者に依頼して、「なるほど!と感じたポイント」や「投資を始める前に知っておきたい!」と感じた内容について執筆いただきます。
投資初心者さんの執筆記事は第121回目になります。
今回は72の法則について執筆いただきました。
誤解が無いように一部表現を校正した箇所があります(*)は編集部校正。
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数学の世界では不思議な法則が沢山あります。
そんな法則の中には、資産運用に使えるものもあること、ご存じでしたか?
それが72の法則。
自分の資産が倍になるまでの期間を計算できる便利な法則です。
簡単な計算式で、資産倍化までの期間が
法則的にはとても簡単。計算は
72÷金利(%)
たったこれだけで導き出された数字が、2倍になるために必要な期間なのです。
例えば金利3%で運用する商品があったとします。
この商品だけで資産を倍にする場合は
72÷3=24
なので、24年で倍となる計算です。
金利3%の場合ですと、実数の0.03ではなく「3」を使います。
2024/03/19、日銀がマイナス金利解除を決定しました。
メガバンク等は主に4/1以後の普通預金金利上昇を発表しました。
「従来の20倍」と聞くと驚きですが、実態はそれほどインパクトはないでしょう。
0.001%が0.02%になるという20倍だからです。
大手メガバンクの普通預金の金利は0.02%*となります。
(一部ネット銀行は0.03%水準もあります)
先ほどの72の法則に当てはめて計算してみましょう。
72÷0.02=3,600
つまり、普通預金のみで現在の資産を倍にするには、3,600年必要ということです。
生きている間には不可能な数字となりました。
預金のみで老後の資産を確保するのは事実上厳しいといえます。
(*データ:日本経済新聞 2024/03/22 AM2 『預金金利、一斉引き上げ』などより)
20年で倍にするための金利は?
この法則を逆算することで、○○年で倍にするまでに必要な金利が出ます。
たとえば、アメリカでは20年運用すると資産を倍以上にしているというお話がありました。
72の法則を使って計算してみましょう。
72÷○○%=20
この場合、答えは3.6%です。
日本の低金利で運用していたら、とても達成できませんね。
広告で見る魅力的な高利回り商品には注意が必要な事例も
高いリターンを望めば、もっと短い期間で資産を倍にすることは可能でしょう。
しかし、広告で高い予想リターンや高い金利を掲載しているものに注意も必要です。
例えば、15%以上の高金利と広告に掲示している外貨建て債券では、
一見気づきにくいですが、為替手数料が約9%となるものもありました。
外貨建て債券では投資する時の外貨両替と、最終的に日本円に戻す時と、計2回両替が必要です。
つまり9%×2=18%とコストが金利を上回ってしまう場合もあるのです。
(編集部注:外貨建て債券のおける為替手数料については過去の別記事にて解説しています)
魅力的に見える商品や、金融機関の担当者の人がおすすめする商品が必ずしも高いリターンをもたらしてくれるとは限りません。
堅実に、長期で資産を育てる大切さ
72の法則から考えてみると、2024年現在、普通預金ではお金が全然増えないということがわかります。
そこで、投資などの資産運用で自分の大切な資産を育てていく必要があると感じました。
ですが、短期で結果を出そうとすると、高い利回りのものや、複雑な商品をお勧めされ、場合によっては手数料等で大切な資産が減ってしまう可能性があるのも事実です。
長い目でみて、何に投資して、どのぐらいコストがかかるのかということを、
しっかりと理解することが大切なんだと思いました。
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(以下、編集後記)
今回、投資初心者さんには、72の法則について執筆いただきました。
日本ではお金は貯金した方が良いとされる風習が根強く残っています。
しかし、昨今の低金利環境下では資産を増やすのに莫大な年月がかかってしまいます。
預金している人や、既に運用を始めている人も、この「72の法則」を用いて、資産倍増までどのぐらいかかるのか是非計算してみてください。
この72の法則について、著書にて採り上げています。
他にも、資産運用を始めるにあたって知っておきたいポイントを多数掲載!
資産運用の入門書となっています。
・著書「NISA・つみたてNISA・iDeCo プロの選び方教えてあげる!」
P82「資産倍増のコツ、「72」「有価証券投資」「財産所得」とは?」にて72の法則を解説しています。
NISA・つみたてNISA・iDeCoプロの選び方教えてあげる!Amazon販売ページ
また、高利回りに見える外貨建て債券で損してしまうケースについては過去記事にて解説してます。
・ダイヤモンドオンライン
「高利回り」の海外債券…金利15%でも損する仕組みとは?
・著書「お金を増やすならこの1本から始めなさい」
P34より海外債券について解説しています。
「お金を増やすならこの1本」Amazon販売ページ
繰り返しになりますが、本記事はRIA JAPANが、投資初心者に弊社発信のコラムで、「なるほど!と感じたポイント」や「投資を始める前に知っておきたい!」と感じた内容について記述してもらったものです(第121回目)。
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