利率18%のトルコ・リラ債券なら負けない?「隠れたコスト」に要注意 ZUU Online寄稿 第43号
退職金で資産運用デビューを計画されている人は、特に注意してほしい事柄があります。
あなたの相談相手が販売者であると、
販売者にとて収益性が高い商品を勧められる可能性があるからです。
最近は退職金で「仕組み債」投資を行った結果、大きな損失を被った事例もあるのです。
投資を行うにあたって、
販売者でない、中立なアドバイザー
のアドバイスを得る方法もあります。
なお、金融商品の具体的なアドバイスを行うためには、
投資助言業の登録が必要です。
しかし、日本国内では投資助言業登録を受けている企業は996事業者しかありません(2023/07月時点)。
しかも、証券やファンドで投資助言業の兼業を行う事業者を除くと、専業の投資助言業者は日本で410事業者しかないのです(RIA JAPAN調べ)。
日本全国の投資家のニーズに応えるためには、助言業者の拡充が必要と考えられています。
資産倍増プランの柱、中立的で信頼できるアドバイス
岸田政権は資産所得倍増プランを打ち出しています。
NISAの拡充などは広く知られています。
厚生労働省によると、資産倍増プランの第3の柱は
<消費者に対して中立的で信頼できるアドバイスの提供を促すための仕組みの創設>です。
○そのため、中立的なアドバイザーの見える化を進めるとともに、そうしたアドバイザーにより顧客本位で良質なアドバイスが広く提供されるよう取り組んでいくことが重要である。そこで、令和6年中に新たに金融経済教育推進機構(仮称)を設置し、アドバイスの円滑な提供に向けた環境整備やアドバイザー養成のための事業として、中立的なアドバイザーの認定や、これらのアドバイザーが継続的に質の高いサービスを提供できるようにするための支援を行う。○特に、こうした中立的なアドバイザーが行うアドバイスが投資初心者層へ広く提供されるよう、助言対象を絞った投資助言業(例えば、つみたてNISAやiDeCoにおける投資可能商品に限定)の登録要件の緩和を、必要な監督体制の整備と併せて検討する。
出所:2022/12/07 厚生労働省 『1.資産所得倍増プランについて』
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中立、独立系アドバイザー、RIA(投資助言業)のRIA JAPAN代表安東隆司のインタビュー記事が、週刊SPA!2023年9月12日号P18~ 「買うと損する金融商品」に採り上げられています。
記事では注意が必要な金融商品について解説しており、複数項目にわたり安東隆司がコメントした内容が掲載されています。
安東隆司コメントが掲載されている箇所
P20 旬のテーマ推しで高値掴みさせる!?【テーマ型投信】
P21 “タコ足”配当は「×」だが高齢者には「+」な商品も【毎月分配型投信】
P22 為替手数料だけで10%以上!?【新興国通貨建て債券】
P23 二重コストを金融庁も問題視!【ファンドラップ】
また、他にもP27『プロが買っている金融商品はコレだ! 金融の賢者たちも「買う」商品』では、
S&P500や世界株式に連動する低コストETFなどについてコメントしています。
安東隆司コメント部分抜粋
安東隆司コメントが掲載されている箇所を一部抜粋して紹介します。
旬のテーマ推しで高値掴みさせる!?【テーマ型投信】
「株に投資する商品の直近10年間のパフォーマンスを比較すると、アクティブ型の約9割がインデックス型に負けています。にも関わらずアクティブ型がどんどんつくられるのは、販売者に収益のキックバックがあるため。成長性が高そうなテーマにスポットを当てたイメージ戦略に乗ってはいけません。日銀や各国中央銀行も含め、プロは指数に連動するETF(上場投信)を買っています。最近はインド投信が人気ですが、こうしたテーマ型投信の集中投資には大きなリスクがある」
「だから、販売者は旬が過ぎた投信の保有者に新しいテーマの商品への乗り換えを勧める。いわゆる”回転売買”です。テーマ型投信そのものが悪なのではありませんが、販売者が手数料を稼ぎやすい商品であるのは間違いない」(安東氏)
“タコ足”配当は「×」だが高齢者には「+」な商品も【毎月分配型投信】
「金融庁は一律で毎月分配型商品を新NISAの対象から除外しましたが、高齢者にとっては資産を取り崩さずに毎月の生活費の足しが得られるという点で、メリットのある商品。”特別分配金“の名目で投資家の元本を取り崩す商品が問題なのであって、運用収益を元にした健全な普通分配ならば問題はありません。その投信の配当原資が低下すると分配金の減少もありえますが、元本を取り崩され、解約時に資金が大幅に減少する心配はほぼありません」
為替手数料だけで10%以上!?【新興国通貨建て債券】
「トルコリラ建てならば、日本円からリラに交換しなくてはならないのですが、この為替手数料が明示されないまま売られてきたのです。私が知る限りでは片道で7%以上の為替手数料を取っていた時期もあります。償還時にはまたリラから円に戻さなくてはならないので、往復で14%。新興国通貨には為替手数料が高くなる傾向もあるのです」
二重コストを金融庁も問題視!【ファンドラップ】
「ファンドラップの運用対象は高い信託報酬が設定されたアクティブファンドばかりというケースが見られます。低コストのインデックス投信や、ETFでも運用できるはずなのに。投資一任受任料やファンドラップ手数料と言った、預入試算に応じたコストに加え、投信の保有コストである信託報酬も発生する。
そのため、かかるコストに見合ったリターンを上げられていないサービスもある」(安東氏)
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