米国が最上級格付けをいずれ失う日が 不要な大騒ぎをしないために
ETF(上場投資信託)が世界中で拡大しています。
今回は国内のETF市場について採り上げてみます。
プロが使うツールはETFへ
日本で約70%の金融機関がETFを使っている事実があります。
※2020年日本の ETF 市場に関する年次アンケート(東証実施)より。対象は日本の金融機関全社。有効回答数= 429
データ:東京証券取引所 2021年8月 筆者と東証の情報交換時使用資料より 以下図表も同様
投資のプロが使うツールはETFです。
例えば、ヘッジファンドなどが一般の投資信託を購入しているという話は、ほぼ無いでしょう。運用コストがETFの方が低い傾向にあるからです。
日本銀行もETFを購入してきたことが知られています。
REIT、外国株、外国債券のETFは取引拡大傾向
日本のETF市場でREIT、外国株、外国債券のETFは取引拡大傾向で売買が拡大しています。
※OTC・日銀の売買代金は、日本証券業協会・日本銀行の公表データより。
金融機関は外国株や外国債券の取引を増加させている様子です。
日本の債券が長く ほぼゼロ金利である現在、利回りを求める姿勢が続いていると考えられます。
また、株式や債券といった伝統的資産でない、「オルタナティブ(代替資産)」としての受け皿として、REITのETFも注目を集めています。ただし利益確定から足元では資金流出する月も見られます。
売買代金の80%を占めるアセットクラスは?
2021年7月東証ETFのアセットクラス別の累積売買代金・比率は以下でした。
・外国債券 242億179万1338円 63%
・外国株式 66億430万9094円 17%
外国債券+外国株式で実に80%を占めていました。
ETFを使うメリットは?
東証が日本の金融機関に実施したアンケートで、ETFに投資するメリットの回答は
・機動的な売買が可能
・分散投資の手軽さ
を挙げた回答が50%を超過しています(複数回答可能)
その他のメリットは
・信託報酬の低さ
・ポートフォリオの透明性
・利益超過分配がない
などの回答がありました。
(図表クリックで拡大します)
プロも認めるETFのメリットを、個人投資家にも認識してほしいと思っています。