20代若手社員が確定拠出年金で資産運用始めてみた! ④アクティブ型とインデックス型って?

安東隆司

安東隆司

テーマ:若手社員 資産運用始めてみた

皆さま、こんにちは。
RIA JAPAN おカネ学株式会社 20代若手社員です。

「老後2000万円問題」なんて20代の自分にとってはずっと先の話だし……
という考えを持っていましたが、弊社でも企業型確定拠出年金が導入され、
資産運用デビューしました。
実際に始める前に知っておきたい知識や、
感じた点などを複数回でお伝えしたいと思います。
また、用語等厳密な文章だと分かりにくい文章になってしまう可能性があるため、
分かりやすさを優先した表現を心掛けています。

前回のおさらい 年金運用速報から見るリスクとリターンのお話

私たちの年金を運用しているGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)では長期運用に向いた分散投資を行っています。
外国株式、国内株式
外国債券、国内債券
それぞれのカテゴリーにはリスクが(変動幅)があります。
おカネ学式 リスクリターン概念図
リスクと聞くと避けたい人が大半かとは思いますが、
リスクを避けた結果、期待リターンよりもコストが高くなってしまう可能性もあるのです。
そこで「積極的に運用したい!」という人には「アクティブ型」がオススメされがちです。
しかし、アクティブ型を選ぶ前に知っておいてほしいこともあるのです。
ということで今回は「アクティブ型」と「インデックス型」について解説したいと思います。
前回記事 ③年金運用速報から見るリスクとリターンの話

アクティブ型とインデックス型って?

まず、インデックス(指数)から説明します。
インデックスとは「日経平均株価」や「東証株価指数(TOPIX)」などの指数のことを言います。
それらの指数を上回る運用を目指す運用がアクティブ型と呼ばれています。
一方、指数と同じような値動きをするような運用を「インデックス型」と呼ばれています。「アクティブ」の対義語から「パッシブ運用」とも呼ばれます。
アクティブ型とインデックス型

高いリターンを狙ってアクティブで本当に大丈夫?

前回は、リスクを気にするあまり低いリターンで高いコストのものを選んでいないか注意してほしいとお伝えしました。
「ハイリターンを狙えば良いのか!」とアクティブ型を選ぼうとする前に知っておいてほしい事実があります。
それは、「アクティブ運用のリターンは、インデックスにほぼ勝てない」というデータです。

詳細なデータは弊社代表執筆記事にて閲覧可能ですが、
内容を完結にお伝えすると
・アクティブファンドの大型ファンドではインデックスファンドより3年間で3.28%収益率が下回る。
・大型株ファンドの約20%、中小型株ファンドの25%はリターンがマイナスになっている。
・米国大型株ファンドでは20年で94%がインデックスに届かない
という内容です。
日本のアクティブファンドはインデックス型より3.28%下回る

アクティブ型がコスト高になりやすい理由

アクティブ型では、ファンドマネージャーと呼ばれる人が、ファンドの内容を決定します。
スポーツに例えるなら、チームの監督として強い選手を選ぶ。というところでしょうか。
アクティブ型では、このファンドマネージャーへの人件費がコストとして発生してしまいます。
仮にアクティブ型の運用自体はインデックスよりも上回ったとしても、コストでリターンが目減りしてしまい、結論として9割近いアクティブ型がインデックスに届かない。といった現象が起きていると思われます。

実際に使ってみて感じたコストの壁

このように執筆しながらも、私は企業型DCにて
国内の中小型株式に対するアクティブ型を自分のポートフォリオに組み込んでいました。
2020年から続く国内市場の好調具合を見ての判断でしたが、
正直に言うと、「成長が見込まれる企業を選んでもらえるなら試してみたい」という気持ちもありました……(笑)
そして昨年12月より4カ月ほど運用をしてみたのですが、他のカテゴリに比べ伸び悩んでいるのが現状です。

そこで、アクティブ型とインデックス型を比較してみることにしました。

アクティブ型とインデックス型、3年リターンに4%以上の差が

弊社DCにて採用している金融機関のプランでは国内株式カテゴリがインデックス型とアクティブ型の2種類両方ありました。
インデックス型は日経平均の値動きに準じる値動きを目指すファンドで、
アクティブ型は市場平均よりも成長力があるとされる企業を積極的に投資するファンドでした。

コストとなる信託報酬はインデックス型は0.15%、アクティブ型は1.68%であり、1.53%ものコスト差があります。

しかし、高いコストがかかったとしても、運用成果でインデックス型に上回る可能性もあるかもしれません。
そこで、該当銘柄2種類の過去1年と3年におけるトータルリターンを調査してみたところ、
・インデックス型
1年:56.39% 3年:12.83%
・アクティブ型
1年:53.96% 3年:8.18%
と、アクティブ型はどちらもインデックス型に届かないという結果が出ました。
3年間のリターン差は「4.65%」と前述した記事のデータの「3.28%」より大きな差が開いていることが判明しました。
※2021年4月19日、モーニングスターにて両ファンドとも閲覧。
 モーニングスター掲載データは2021年3月31日時点のもの。

まとめ、アクティブファンドは仕組みに納得しての購入を!

私同様に「高コストでもリターンが見込めるならばアクティブファンドも選んでみたい」と感じる人は多いのではないかと思います。
しかし、投資歴半年弱の私ですら、アクティブファンドで成果が伸び悩んでいる状態だと、「高いコストを払っているのに……」という感情になりました。
もちろん投資は自己責任ですが、その商品を選ぶ前にコストはどのぐらい発生するのか、どんな運用商品なのかを調べ、納得することが大事なのではないかと考えています。

アクティブ型とインデックス型について解説動画公開中!

また、アクティブ型とインデックス型について、弊社代表が解説した動画がYouTubeにて公開中です。
金融庁長官がアクティブ型のリターン低迷を指摘し、インデックス型のリターンに注目した発言をしたことなど、今回お伝えした内容よりも詳細なデータなどを動画にてお伝えしています。


※本記事はRIA JAPANおカネ学株式会社20代若手社員が執筆しています。
また、本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の有価証券その他の投資商品についての勧誘や、売買の推奨を目的としたものではありません。
本記事は信頼できると判断された情報等を基に作成しておりますが、正確性、完全性を保証するものではありません。
用語等厳密な文章だと分かりにくい文章になってしまう可能性があるため、分かりやすさを優先した表現を心掛けております。

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安東隆司
専門家

安東隆司(投資顧問)

おカネ学株式会社 Reliable Investment Advisors Japan Co.,Ltd(英文名称 略称 RIA JAPAN)

富裕層の資産の管理や運用、承継などを行う。売買手数料0などお客様と利益相反の少ないサービスを追求。また、海外ETFを中心とした資産形成の知識・経験が豊富。テーラーメードの投資助言を大切にしている。

安東隆司プロは朝日新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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