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銀行に預金しておくと、金利だけで資産形成ができるといわれた時代がありました。
それほど高い金利設定の時代だったのですが、現在では様相が全く異なります。
筆者の使用しなくなった普通預金口座の金利を例に金利でどのぐらい資産形成できたのか見てみましょう。
バブル崩壊期1993年に預けた5833円
1993年、日本のバブルが崩壊し、第1次平成不況とも呼ばれていた期間で、景気が一気に後退していました。
その時、筆者の使用しなくなった、とある信託銀行の普通預金口座に5,833円が預けられていました。(1993年8月16日時点)
2021年3月時点でいくらになった?
その後、該当口座への入出金は一切なく、2021年3月26日にその口座を解約しました。
つまり金利だけがその口座に入ったということです。
さて、1993年8月16日の5,833円は2021年3月26日の解約時に、いくらになっていたのでしょうか?
答えは5,877円でした。
トータルしてみると利息は49円です。約28年間で49円。
利息は1994年12円、1995年11円、1996年4円、1997年5円、1998年4円、1999年3円、2000年2円、2001年3円で、8年間で累計49円。
2002年以後は約19年間で「1円も増えていなかった」のです。
100万円預けても1年で利息10円にも満たない低金利時代
かつては、銀行に預金しておくことで、資産形成できる時代がありました。
利息が5%を超えていた時代もあり、100万円を1年預ければ、税引きされても4万円程度は増えたのです。
しかし現在、3大メガバンクでの普通預金の金利は年0.001%という、低金利状態です。
仮に100万円を預けた場合、年間の利息は10円であり、税金が引かれると約8円となってしまうのです。
預金で資産形成の時代から個人が資産形成する時代に
現在の預金では、金利で資産形成することは厳しいと言えるでしょう。
また、私たちの老後を支える公的年金も給付水準が低下していくことが見込まれています。
実際に金融庁での金融審議会ではこれらの問題と、資産形成の重要性についてこのように発表しています。
「今後も老後の収入の重要な柱であり続ける公的年金については、少子高齢化という社会構造上、その給付水準は中長期的に低下していく見込みである。
加えて、低金利環境が長く続く中、資産運用による資産形成の可能性を閉ざしてしまうことは、豊かな生活のための有力な選択肢の一つを放棄してしまうことになるのではないだろうか。
長期・積立・分散投資ならば、金融の先端知識や手間はほとんど必要ない。
人生 100 年時代というかつてない高齢社会においては、これまでの考え方から踏み出して、資産運用の可能性を国民の一人一人が考えていくことが重要ではないだろうか。」
(出典)金融庁 金融審議会市場ワーキンググループ「高齢社会における資産形成・管理」2019年5月22日
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個人で資産運用する必要が高まっているこの時代。
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