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安澤武郎

組織変革コンサルタント・マネジメントコーチ

安澤武郎(やすざわたけろう) / 経営コンサルタント

ペネトラ・コンサルティング株式会社

コラム

熱意ある社員がわずか6%になるわけ (後編)

2017年6月6日 公開 / 2017年8月9日更新

テーマ:人材育成

コラムカテゴリ:ビジネス

前回、熱意ある社員が6%になる要因として、
「現実の問題」と「フィルターの問題」を紹介いたしました。
今回は、そのフィルター(受け止め方)を良くする方法を二つ紹介させていただきます。


仕事を面白く感じられる一つの条件は、成長したり進歩があることです。
誰もが自分の成長や進歩を面白く感じた経験はあるでしょう。
一方で、成長が止まり停滞をすると、給料をもらうことだけが楽しみになり、
仕事を通じた感動は少なくなるでしょう。

新しい試みをして、「うまくいった!」「ダメだった!」と
感情が起きるような仕事をすることが一つ目のポイントです。

仕事をしていると、「諦めずに継続することが大事」という状況になることがあるかと思います。
それは成果を出すために必要な要素の一つではあるでしょう。
しかし、心理的にはストレスも溜まりますし、楽しいことではありません。
そのような時に大事なのは、PDCAを回すことです。

「PDCAを回さねばならない」と義務感で取り組んでおられる方もいますが、
元々PDCAを回すということはごく自然な行為ですし、楽しいことです。
例えば、「懇親会」を開催する際に、
どういう店でどうすれば盛り上がるかということを考え企画します。
そして、実践して、良かった点と改善すべき点に気がつきます。
その教訓を反映して次の企画に活かします。
誰もが自然にしていることでしょう。

その気づきや学びを言葉にすることが、PDCAを効果的に回す最も重要なコツになります。
BeforeとAfterの違いがはっきり言葉にできることがPDCAを回せているバロメーターだということです。

せっかくCheckをしているのにうまく次のアクションを見つけられず、
DoとActionが同じになっているケースはないでしょうか? 
一生懸命考えても良いアクションを考えられないことはあるかもしれませんが、
「それで良い」と考えてしまうのはNGです。
「PDCAを回せていないな、次のアクションを見つけたい」という問題意識があれば、
新しいヒントは必ず見つけることができます。
新しい視点を持って現場に出向いたり、
今まで相談していなかった周囲の人にヒントをもらったり、
そういう行為をするはずです。
PDCAは下図のように先に進んでいかないといけません。
平面上でPDCDPDCDと同じ行為を繰り返すことではありません。


PDCA


人から強制された変化は面白くないと思いますが、
自分で加えた変化は楽しいものです。
自分で次のアクションを見つける力を高めてほしいと思います。

■WHAT → WHY
二つ目のコツは 「WHAT → WHY」の思考です。 
マネジメントの基本に「WHYから考える」というゴール思考があります。
良い仕事をするには、
WHY(なぜやるのか?)という目的からスタートして、
WHAT(何をするのか?)という手段を考え、
HOW(どうするのか?)という方法を編み出していくことで、
目的に合致した行動をとることができるし、無駄な仕事をしなくて済むということです。

しかし、現実の社会では、企業に勤めていると、
全ての活動を自分がWHYから企画をして取り組めるわけではありません。
仕事としてWHATの遂行を依頼されることがあるでしょう。
その際に、WHATからWHYを考える力が必要になります。

もちろん、「何のためにやるのですか?」と仕事を依頼した人に聞くでしょう。
しかし、その依頼をしてきた人が、さらにそのまた上司や誰かから依頼を受けていて、
その際に「WHY」を確認していないことがあるかもしれません。
もしくは、「WHY」をその人なりの解釈で作り変えているかもしれません。
中には、「会社が決めたことだから」「昔からそうやっているんだから」
「とにかくやらなきゃいけないから」と
思考停止になっている上司の下で仕事をしないといけない場合もあるでしょう。

そんな時どうすれば良いでしょうか?

WHYが持てない中で仕事をしてしまうのか、
WHYを持っている人まで辿りつくのか、
自分で適切なWHYを設定して仕事をするか、
のどれを選択するでしょうか?

自分が幸せになれる選択をすることが大切です。
「上司がダメ」「会社の指示には納得してないけど、指示だから仕方なくやっている」
などと自分の外に理由を持っていくと抜け出せなくなります。
そのような被害者思考で仕事をしている人を見ると、
「それでその人は幸せになれるのか?」ということを考えてしまいます。

ここで、自分の人生を幸せにする解釈の仕方をもっと大事にしてほしいと思います。
「その活動(WHAT)は自分にどう役立てることができるのか?」
という発想は社会で生きていく上で役立ちます。

ご機嫌な人の周りにはご機嫌な人が集まります。
成功するから幸せになるのではなく、幸せな気持ちの人が成功しています。
自分のご機嫌をとって、人生の多くの時間を過ごす仕事を楽しくできる人が増えることを願っております。

この記事を書いたプロ

安澤武郎

組織変革コンサルタント・マネジメントコーチ

安澤武郎(ペネトラ・コンサルティング株式会社)

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