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安澤武郎プロは朝日新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

目標を持ちたくないのはなぜか?

安澤武郎

安澤武郎

テーマ:マネジメント(ケース)

今回は(今回も)目標に関する話を書かせていただきます。
目標をうまく扱えていない企業はまだまだ多く、少しでもヒントを提供できればと思います。

まず、以下の話を読んで、自分がどう感じるか?何を考えるか?を確認して頂きたいと思います。

************* ケース ****************
小売店への営業担当者「営業力を上げたい」と考えていました。
自分の営業が
「うまくできていることや成長できていることをどのように確認すると良いか」を考えました。
そして、「営業のレベルが上がると、どういうことが起きるだろうか」を考えました。

顧客との関係ができると、宿題を貰ったり、相談を受けることが起きると思いました。
さらに関係が深まると、先方から問い合わせが来るようになり、
さらには、店舗責任者が店を異動になった際などに
「今度はこの店になったから、またお願いしますね」という話が来ると良いなと思いました。

実際、自分はそういう営業がどれほどできているかを知りたくなりました。
そこで、1ヶ月間で相談を受けた件数を数えてみました。20件でした。
その中で、店舗に行って宿題としてもらったものが10件、電話で受けたのが10件でした。
また、そういう相談をくれる人数を数えてみると15人でした。
自分の担当顧客の中で相談を受けれるようになりたい人の数から考えるとまだ50%程度だなと思いました。

そこで翌月は30件の相談を20人から受けようという目標を決めました。
目標を決めたからには「絶対に達成してやろう」と思いました。
まず、どこの店に行って誰と話すべきかを考えました。
また、店舗に行った際に、宿題をもらうにはどうすれば良いかを考えました。
店舗に訪問する直前には、その店舗では店舗責任者が困っていそうな点は何か?
今後困るであろう点は何かを想定するようになりました。

活動を進めていく中で、相談を受けた件数を数えるようになると、
このペースで月末までに達成できるかが気になってきました。
今のペースだと3件足りなくなりそうだ、どこに行けば良いかを考えました。

行きたい先をどんどん上げていくと、今度は活動しきれないことに気がつきました。
どうすれば良いかを考えていくと、現場に行った際に宿題をもらったり、
関係を深めて問い合わせを受ける確率を高められることに気がつきました。
過去の営業の内容を振り返り、もう一度営業をするならどうするのか?
どうすれば宿題を貰えるだろうか?ということを考えて新しい工夫を思いつきました。

そのように創意工夫を繰り返すことで、なんとか30件、20人を達成できました。
*******************************

いかがでしょう。この話の中で「30件」という目標の果たしている役割は何でしょうか?
このような目標の使い方ができないことがあるとしたら、それはなぜでしょうか?

普段の生活の中で、数値目標は数多く目にしているはずです。
野球で投手をしていれば防御率や奪三振率・与四球率などを扱っているでしょう。
テストを受けたら点数を知りたくなると思います。
ダイエットをすれば、体脂肪率や基礎代謝の数値を見るでしょう。

それらが有効に働く条件があります。
*自分のために活用している
*『他人の評価』などの余計なことを考えていない
*振り返りと修正を繰り返すことで進歩が感じられている
*常に目的(なんのためにやるのか)に立ち返り、目的を見失っていない
などが揃った時にうまくいきます。


ところが、先日ある企業の営業会議に出ている時、
「成長を測るバロメーターとして数値目標を持って活動をしてみては?」
という提案をさせて頂いたのですが、
その議論を聞いていた中堅社員が会議後に
「これ以上管理されるものが増えるのは嫌だ」という意見を述べていたということが生じました。

「目標を持ちたくない」という考えがなぜ生じているか? よくよく考える必要があります。

もし貴方が「目標を持ちたくない」と考えているとしたらそれはなぜでしょうか?
貴方は、「未達であってはならない」「できないことがあってはならない」
という考え方をしてしまっていないでしょうか?

「必ず達成しよう」の反対は「未達であってはならない」とは違います。
目線を上げて(目標を持って)挑戦をした時に、成功確率100%とはいきません。
「必達を目指して知恵を絞らない限り、人の能力は引き出されず、目標を持つ意味がない」のであって、
失敗がダメなわけではありません。
達成を目指さず、失敗から学ばないのがダメなのです。 
 (「必ず達成しよう」の反対は「知恵を出さない、学びがない」です)

逆に、必達を目指して取り組んで、学びを得られている状態は楽しいものです。
日本ゴルフ協会の発表によると2010年の日本のゴルフ人口は1,000万人もいるそうです。
あんなに失敗をする(思い通りいかない)スポーツはないのではないでしょうか?
それでものめり込んで練習をする人がいるのはなぜでしょうか?

*次こそはうまくできそうだ、と工夫を繰り返す
*周りの人と競争をして勝ち負けがある
*過去の自分のスコアと比較して成長を感じられる
などが理由ではないでしょうか?
仕事も同じように取り組めるように、工夫を考えてみて欲しいと思います。

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ペネトラ・コンサルティング株式会社
代表取締役 安澤武郎
公式サイト:http://penetra.jp/
お問合せ:http://penetra.jp/84

著書:『壁をうち破る方法』はこちら
http://www.amazon.co.jp/dp/4799314378/
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安澤武郎
専門家

安澤武郎(経営コンサルタント)

株式会社熱中する組織

どのような組織にも「常識の壁」「アクションの壁」「スキルの壁」「仕事のやり方の壁」「コミュニケーションの壁」「情熱の壁」があり、能力を活かしきれていません。その壁を取り除き、組織を生まれ変わらせます。

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