虹を見ながら教訓について考える
前回は、目的を考える思考パターンについて営業の事例を紹介しました。
同様の話は、製造工場でもあります。
工場では「消修費(設備をメンテナンスする費用)」に関して、
年間の予算が設定され、予算内に収めることが計画されるものです。
しかし、技術革新にはお金がかかります。
「無駄な出費を抑える」ということは必要ですが、
一方で、「必要な投資をして製造コストを抑えたり、品質を高める」ことも求められます。
しかし、目的を自分の都合の良いように解釈をすると、
「これは必要だから」と安易な投資がまかり通り、
「消修費」が膨らんでいきます。
予算を設定する目的は、
「無駄な投資をしないため、必要な投資を見極め、
長期的・短期的に最適(安く)にするために知恵を絞る」ことにあります。
非常に曖昧な話です。
「予算を達成すれば良い」という単純な目的にしてしまえば、
活動推進は楽ですが、本来実現したい姿は実現できません。
「あり方」を考える目を持って、
「活動の背後に透けて見える目的」を正していくことで、
本来の姿を実現していけるのです。
少し難しくなってしまったでしょうか?
もう少し理解を進めるために、あり方の違いの事例をいくつか挙げてみます。
「自分のやるべきことを整理するための報告書作成・会議参加」と
「指摘を受けないための報告書作成・会議参加」
後者の仕事は無駄な仕事になっているケースが多いものです。
「部下が解決策を発見できるようにする問題解決ミーティング」と
「上司が部下から情報を吸い上げ、判断をする問題解決ミーティング」
最終的に大事なことは、実行する人の納得であり、前者です。
「上司が状況を把握するために、結果を報告させるミーティング」と
「確実に行動を起こせるように、次のアクションを明確にするミーティング」
意図してミーティングをしていない人は前者だけになっていることがあります。
「やったかどうかをチェックするための振り返り」と
「やったことの結果がどうだったのか、目的の実現度合いを評価する振り返り」
前者が必要な場合もありますが、成果を出すためには後者であるべきです。
「相手の責任を追及するための『なぜなぜ問答』」と
「問題の原因を明らかにするための『なぜなぜ問答』」
前者を体で覚えてしまっている人には、後者の反復実践が必要です。
「部下がやりたいことを実行できるようにするための行動の確約」と
「上司が部下にプレッシャーをかけるための行動の確約」
目的が分かっておらず、不要なプレッシャーを与えると力が発揮されません。
「自分が顧客だったらどう考えるかという顧客目線」と
「顧客がどう考えているのかを考える顧客目線」
「顧客目線で考えろ」と指導をしても、アウトプットが全く変わってきます。
これらは、やっていることは同じように見えて、仕事の品質には雲泥の差が生じます。
ここが見えない人は、「自分の何が悪いのか」分からないので、改善も進みません。
目的を見えるようになることは人生を変えるといっても過言ではありません。
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ペネトラ・コンサルティング株式会社
代表取締役 安澤武郎
公式サイト:http://penetra.jp/
お問合せ: info@penetra.jp
著書:『壁をうち破る方法』はこちら
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