発想は柔軟に、そして行動を伴いましょう

寺田淳

寺田淳

テーマ:50歳からの人生


【はじめに】

 私自身がそうですが、
年齢を重ねると自然に経験値や知識は蓄積されていきます
その為、今直面する問題解決のために過去の実績の中から
問題解決のための最適解を求めがちです。

 ですが平成から令和にかけての社会の変化は
昭和時代の経験やノウハウを覆すだけのパワーがあります。

 いつまでも「前例重視・依存型」「経験値前提型」
の思考では後発の新興勢力の前に駆逐されかねません。

 シニアになっても、シニアだからこそ
柔軟な思想と行動力が求められるのです。

【一方通行の考えに固執?】

 ひとつの事例ですが、
イベント会場の設営の応援で臨時に出向くことになった
即席のスタッフが目的地に出向く際の最短時間の経路を協議しました。

 ネット上に乗換案内やルート選択のサービスが開始直後であり
メンバーはそれも使いつつ、いわゆる「鉄道マニア」の意見も
交えて検討した結果は奇しくも同じルートを選んだのですが…

 実際の最短時間で到着する行き方は違っていました。

 当時の乗り換え案内やルート検索は「逆走」の選択が無かったのです。
(今はどうかの確認はしていませんが…)

 正解だったのは目的地に停まらない快速で2つ先の駅で下車し
各停で戻るのが時間的に最短のルートだったのです。

 いったん目的地を通過してからの逆走という考えを
メンバーの誰ひとりとして思いつかなかったのです。
 

【見え方は人それぞれ】

 上記の事例では仮に逆走ルートを選択していれば
集合・出発時間が30分遅くてよかったそうです。
細かな話になりますが、早朝出勤手当も発生しなかったと…

 取るに足らない(かもしれない)事例ではありますが、
何を言いたいかと言えば、問題解決には多方面からのアプローチや
選択の可否を念頭に置くことを意識するという事です。

 全くの余談ですが、
この事例をいわゆる「乗り鉄ヲタ」の友人に話したところ、
瞬殺で逆走ルートを口にしました。 
彼には課題の見え方が違ったのでしょうね。

 同じように多数派と異なる視点からのアプローチで
大成功を収めたビジネスの事例は山ほどあります。

 古い例ではカップヌードル発売時には
当時は行儀の悪さの筆頭格だった「立ち食い・歩き食い」を
あえて銀座のホコ天で発売前に展開して話題性を高めた事例や
詳細は省きますが富士山の麓と誘致を争った結果、
不利と言われていた当時の寒村?的な浦安の地に
ディズニーランド誘致を勝ち取った事例などは
既存の考えでのプレゼンだったら必敗必至と言われてます。

 私の仕事でも杓子定規に「平日9時から5時まで」の営業であれば
半年で廃業だったでしょう。「予約すれば365日24時間対応可」
を打ち出したことで夜の商売の方の終業後の相談や
早朝の出勤前のサラリーマン、開店前の商店主といった
手付かずのニーズを獲得出来たのです。

【後悔先に立たず】

 過去何十年と続けられた成功のためのアプローチが
令和の時代でも最適なモノかどうかは他の可能性を考えなければ
判定することも出来ません。

 ~そんなやり方は社風に合わない
 ~業界内でも聞いたことがない
 ~やはり前例を踏襲したほうが安全
 ~このやり方で今の会社がある!
 ~このやり方は永久不滅に絶対なのだ!
 ~検討するにしても今はその時じゃない

 会社員の経験がある方ならば
一度はこの手の言葉を聞いた、あるいは発していませんでしたか?

 部下の立場からすれば
何度上層部の無理解で競争相手に先手を取られたことか!
業界の先駆者になり得た絶好機をついに掴むこと叶わなかった
なぜもっと理解を求める行動をとらなかった!
なぜ上司を飛び越してでも本部に直訴しなかった!

 上司の側からすれば
今思えばあの時の部下の言葉を認めていれば
なぜ自分も腹をくくれなかった!

 お互いに後悔の念もあったのではないでしょうか?

 転職支援企業のCMでもこの手のやり取りの結果、
転職を考えるといったストーリーが展開されていますね。

【終わりに】

 60代シニア世代は右肩上がりの昭和も停滞の平成も経験した
私から言わせれば「恵まれた経験世代」です。

 たぶん、昭和の時代はイケイケどんどんで新しいビジネス、
斬新な営業手法や宣伝制作が当たり前だったと感じてます。

 今シニア世代が令和の社会で疎まれるのは
「昭和の時代は輝いていた」「昔は良かった」だけで
話が停滞してしまうからではないでしょうか?

 シビアな言い方ですが、上記のパターンの場合
多くは時代というお神輿を担いでいたわけではなく
ぶら下がっていただけの経験しかないケースが殆どです。

 「何故輝いていたのか」「何が他社に先んじて成功を握ったのか」
成功の結果ではなく、そこに至る失敗と修正、改善のプロセスは
令和の今でも十分価値のある情報となり得るのです。

 シニアだからこそ発揮出来る多彩な経験や発想は
あなたの考え方ひとつで大いに役立つものになり得るのです。
さらに、思うだけでなく実行に移す行動力が加われば
令和の世でもシニア世代の居場所は十分に確保出来ると私は信じています。

 
 

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寺田淳
専門家

寺田淳(行政書士)

寺田淳行政書士事務所

 起業・独立や転職、再就職を考えるシニア世代に対して、現時点での再就職市場の動向や起業する際の最低限の心構えを始め、私自身が体験した早期退職から資格起業に至るまでの経験やノウハウを紹介します。

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