今新たにシニア起業・独立を考える
【はじめに】
過去に複数の案件の相談をされた方から
「寺田さんは今や終活問題のプロですね。」
と過大な評価を頂いたことがありました。
さて「この道のプロ」という呼称、
プロとは何を指すのか?
どこまで行けばプロになれるのか?
相談者からの言葉から
私個人が考えたプロの意味について
今日は手短に述べてみたいと思います。
プロとは何か、アマとはどこが違うのか?
【おカネをもらう、おカネを払う】
プロとアマの違いはごく単純に表せます。
生々しい違いから言えば、
プロは好きなこと、得意なことでおカネが稼げます。
これに対してノンプロは好きなこと、得意なことの為にお金を払います。
プロがお金を稼げる、顧客が納得して対価を支払うのは
専門分野での知識が秀でている事
素人に分かる言葉で応じてくれる事
自分たちに出来ない事、分からない事、手に余る事を代行してくれる事
当然この為には常に新しい知識の習得や更新に努める事
今のやり方に常に疑問を持つこと、改善点に注意を払う事
要は「本物のプロ」というのは
おカネが稼げるだけ=信頼と信用を勝ち取るだけの
スキルや経験値、ノウハウを有しており
常に蓄積や更新を続けていることがプロのプロたる所以でしょう。
【プロだからこそ陥る罠】
プロと自認する方で陥りやすい罠があります。
経験豊富な中で築き上げた「自分なりのルーティン」が絶対
という認識を持つことです。言い換えれば「慢心」です。
~今回の問題は類似した過去の事例に即して手続きを進めればよい。
~私の経験則に当てはめればスムースに解決に向かうはず
仕事に慣れれば慣れるほど、経験が豊富になればなるほど
問題への好奇心や問題提起の注意力は希薄になり緊張感も弛緩します。
そこに致命的な盲点があった場合、一夜にして築き上げた信用は瓦解です。
よく言われるのが
自動車運転は慣れた時に事故を起こしやすくなる。
新人が仕事に慣れて一人立ちした3年目辺りに重大なミスを犯しやすい。
私のような士業の場合でも何年も続けて同様の業務をこなしていると
つい注意力が散漫になったり、過去の事例を参考にしがちです。
ですがこの世界、毎年のように法改正があり、規制内容が異なるのが
当たり前の世界です、昨日まで正しかった手続きが今日は無効。
あるいはまったく同じパターンと思い込んでいた相談内容が実は
致命的な違いが潜んでいた、と言うケースも少なくありません。
こんな時に緩慢に流れ作業のように業務に臨めば、
間違った結果は当然のように発生し相談者に多大な迷惑をかけます。
まさに「注意一秒、ミス一生」で信頼は瓦解します。
2024年時点では「その道のプロ」であっても
2025年も「その道のプロ」と言う保証はありませんし、
その保証を得るためには「2025年の知識を修得している」
ことが大前提なのです。
【終わりに】
さて、ここまで言いたいことを言ってきましたが
そういう私自身、恥ずかしながら行政書士の本業とは
異なる分野(起業・転職相談や終活、はたまたカウンセラー的な業務)
を主としている身としてはプロの行政書士の仕事をしている、
とは、とてもじゃないですが自分からは言えません。
業務範囲の相談で経験値が低い分野だった場合、
私は多少は知識のあるアマチュアの立ち位置に戻ります。
改めてプロに教えを乞う一介の素人という姿勢で問題解決に挑みます。
新しい相談に遭遇するたびに、私はアマに戻り、教えを乞う。
たぶん、永遠にその道のプロにはなれないでしょう。
なれるとすれば、
プロのアマチュアに徹することでしょうか?
聞くを恥とせず、慣れを排除し、知らないことを前提に。
ゴール無きゴールを目指し続けることがプロの仕事。
あと何年この仕事に従事するかはわかりませんが、
この姿勢だけは続けたいと思います。




