40代の起業・独立相談が増えた訳を推測しました
【はじめに】
実は終活にも通用する内容になりますが、
個人に係る情報は時として自分自身でも更新を忘れていたり
旧情報をそのまま記憶し続ける等で後々問題となることがあります。
特におひとり様の場合、私生活に加えて
ひとり起業や独立して仕事に従事する場合はなおさらです。
最低限どういった個人に関する情報を把握しておくべきか、
常に更新をすべきかを簡単に紹介したいと思います。
【主な重要情報として】
1)公共料金(電気・ガス・水道)の連絡先
自宅での開業はもちろん、賃貸物件でも何かあった場合
直接事業者に連絡を取るケースがあります。
家電製品の増加からアンペア数を変更したい
ガス、電気、電話を一括契約に切替えたい
漏水や水道管の不具合など一刻の猶予もないトラブル時の対応等
その際に担当部署の連絡先が分かっていませんと、
それだけでストレスの元となります。
東京都の場合になりますが、
東京電力は エナジーパートナーカスタマーセンター東京が
ガスは 東京ガスお客様センターが
水道は 東京都水道局お客様センターが
それぞれの担当窓口となります。
2)通信関係(固定電話・携帯電話・受信料)
固定電話はNTT(東日本)や個別の電話会社の電話局や営業所に
携帯電話は契約先の携帯電話会社に
NHKの受信料はNHKふれあいセンターに
その他の有料放送各社にはそれぞれのカスタマーサポートへ
私感ですが最近は音声案内によるサービス対応が主体ですが
何度も選択を促されたり、ズバリの質問項目がなかったりで
その利用に抵抗を覚えるシニア世代は少なくないようです。
直接具体的内容を伝え、相談に対応してくれる窓口は
予め調べておく方がいざという時に役立つはずです。
3)金融・不動産・株式・保険等
クレジットカードは各クレジット各社へ
銀行や郵貯、証券会社はそれぞれの担当者、又は担当店舗へ
生命保険は各生保各社、簡易保険はかんぽコールセンターへ
株式は証券会社の他に信託銀行やその他の取り扱い各社へ
意外に自分が今どういう金融機関に口座を持ち、利用しているか
投資信託の見直しを長年放置したままか、現在の評価額がいくらか
クレジットカードも常用しているもの、ほぼ死蔵になったもの
これらを正しく把握している方が少ないのです。
中には長年使い続けてボロボロになった財布の中に
クレジットカードやキャッシュカードを入れっぱなしにしていた等
下手すれば財布と共に廃棄した恐れのあったというケースも。
不動産に関しては自宅を建てた時以来登記簿謄本を見ていない
どこに保管したか忘れている、誰が保管しているか分からなくなったまま
おカネ絡みの情報ですので、特に現状の把握が欠かせません。
4)自動車関連
普通自動車なら関東運輸局東京運輸支局
軽自動車なら軽自動車検査協会東京運輸支局
免許証は最寄りの警察等
業務の為に社用車の購入や自動車税の問合せなど
概ね業務に関係する手続きの為に知っておけば便利です。
他にも終活に関係しますが、所有者死亡の際の手続き等も
相談窓口として調べておいて損はないでしょう。
【即時対応が可能な状態に】
いかがでしょうか?
ここに挙げた項目の連絡先を全て即答出来るという方は何名いるでしょうか?
個人事業者が不意の事故や疾病で身動きが取れなくなった時に
家族や第三者を介して相手先に連絡を取ってもらうケースは十分想定出来る話です。
1)の事例では特にリスク対応が重要になってきます。
水道管の劣化による漏水やさらに水道管自体の劣化破裂など
ダイレクトに請求金額に影響が生じるトラブルに即応する必要があります。
ガス漏れや漏電はそれ以上に緊急性を有するトラブルですし、
最悪な場合、自宅のみならず周囲にまで影響を及ぼすことがあります。
2)の場合では契約の変更、解約、新規契約等
特に携帯の場合はサービスや料金体系は毎年どころか月単位での
変更や新設が当たり前です。
私生活用でも業務用でも、経費の見直し、節減の為にも
欠かせないことです。
3)では口座の開設、解約、株式の売買、保険では内容の見直しや新規契約、
業務用の引き落とし口座の設定や変更等があります。
終活の関連ではよく言われることですが
口座はなるべく一つに、最大でも二つの口座に集約することで
第三者も調査が容易になり、自身も使用内容の把握が楽になります。
株式投資や投資信託もコスト面から既存会社からネット証券への
契約変更の判断の為にも情報把握は必要になります。
同様に何十年も前に契約したままの生命保険等も
今の自分にあった補償内容への切り替えや解約、新規契約等
コストに見合った補償を得るためにも欠かせないものです。
4)の場合はマイカーからリースへの切り替えや新規の購入等、
特に業務用の利用での事案が考えられます。
繰り返しになりますが、
おひとり様の場合は「自分以外の誰か」と
このような情報を共有しておかなければ
自身に何かあった場合に事態への対応に大きな問題を発生させかねません。
【おわりに】
このテーマを意識したのはやはりあのコロナ禍の時でした。
陽性反応によって「強制隔離」を余儀なくされた個人事業者の苦労話を
何件も聞くことになりました。
相手の連絡先は分かっているものの、肝心の資料は事務所に保管されており
自分以外の入室が出来ない為にどうにもならなかった。
事務所に行けさえすればいろいろな情報をまとめて第三者に託せるのに
それが出来ないことで公私にわたって迷惑をかけてしまった。
なかにはいざという事態に遭遇して、初めて情報の把握を始めたといった
無防備状態のまま日々を過ごしてきたというケースもありました。
最後で最悪のケースは「本人の死亡」による情報の途絶です。
相続も含めて関係者に大きな負荷をかけるのは目に見えていますね。
ここに挙げた以外にも
業務上の情報(契約先、契約内容、仕掛業務や面会予定等)は
当たり前のことですが、より重要度の高いものです。
おひとり様起業・独立の際には、
業務の拡大を図ることはもちろん大切なことですが
情報管理とメンテナンスを常に意識して欲しいですね。