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家計の中の支出の内訳、貴方はどこまで把握してますか?

寺田淳

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【今日のポイント】

 最近、特に50代の旦那さんから「今から万が一の時の為に最低限妻に知らせておくことは何があるでしょうか?」という相談が増えてます。

 これは「自分が先立つという前提の下での終活」の第一歩というスタンスですが、今の時代は連れ合いに先立たれるケースも決して稀ではなくなりました。

 その時、予想だにしなかった「遺された側」になって途方に暮れるのは仕事一筋を標榜してきた旦那衆なのです。事実逆の場合への備えについて問い掛けましたが、ほぼ全員全く考えもしていなかったというのが実態でした!

 今日は、旦那側が最低限把握しておくべき家庭内の項目の中でも、基本中の基本について紹介したいと思います。

【支出について】

 複数の妻帯者の相談者(旦那側)に「今わかる範囲でいいので、毎月の支出額は平均幾らくらいだと思いますか?」と尋ねてみました。 その答えは当然ながら「全く分かりません」「全て妻にお任せです。」がほとんどで、僅かに「ん~~~ せいぜい月額平均でこんなものかな~?」「確か、前に妻から聞いた時は概ね20万円内外だったと?」

 かろうじて答えた内容も、この程度が限度でした。

 なぜ支出を把握しなくてはいけないのか? それ以前に支出を把握するとはどこまでを指すのでしょうか? 以下に段階ごとに紹介します。

1)1か月の支出額、1年間の支出額を把握
  全く基礎中の基礎ですね、但し対前年同月、対前年比までとなると
 既に怪しくなるケースは少なくありません!

2)支出の内訳を把握
  まだこの段階では「固定費」「変動費」の区分だけです。
 これもあやふやな方が大半でした。
 区分自体がいい加減なケースもあったほどです。

3)支出の仕方を把握
 ・その都度現金で払うもの
  スーパーやコンビニ、ドラッグストアなどでの日常の買い物が該当します。  
 ・振込で支払っているもの
  公共料金、通販代金、年会費、等が該当します。
 ・口座引き落としで支払っているもの
  ほぼ振り込みと同じものが該当します。

 ここで問題は自動引き落としの内容です。
振込でしたら期限を過ぎれば督促が来ます。
ですが引落しはコチラから連絡しない限り延々と引落しが続くのです。
家計は全て奥様に一任というケースで最も注意すべきがこの支出方法の把握です。

 意外に最近は身近な食料品も通販で購入しているケースが多くなってます。
お米から味噌、総菜なども油断してますと全て通販での定期購入かもしれません。
これも引落しであれば、延々と食料品が届くことになります。

4)使用している口座を把握している
  金融機関名から支店名、開設している口座名など、
 さらに複数の口座を利用中であれば、どの口座で何を支払っているかの把握が
 必要になります。

5)使用中の口座情報の追加確認として
  IDやパスワード、暗証番号も必須ですし、
 通帳やキャッシュカード等現物の在りかも含まれます。
 さらに各契約に用いた使用印の区分と保管場所も必須となります。

 ここまで把握している、又は記録として保管出来ていて初めて支出について把握していると言えるのです。

【知ることがゴールではありません!】

 さて、支出額、種類、内訳を把握した、これで一件落着?ではないのです。
先に紹介した内容は手間をかけさえすればの把握自体は誰でも出来ることです。

 肝心なことは、その事実から何を学ぶか、何に気付くか、無駄な支出の削減に向けて今後の方針を決めて実践に移すことなのです。どう考えてもこの出費は多すぎるから削減したい、具体的にはこうすればどうか? 一気に削減出来るか、段階を踏んで今の半額に出来ないか? 又は今はこの出費はごく少ないものだが、10年後にも同じ額とは思えない、どのくらいの増額を見込んだ方がいいか? など等、改善や修正に向けての検討を始めることです。

 支出把握はあくまでもその為の準備でしかないのです。百歩譲って支出の内訳までの調査は奥様が担ったとして、上記の将来に向けての備えについては世帯主である旦那側が前面に立つべきなのです。

 支出の把握を含めて家庭のことは全て妻に、という考えは今となっては「現実逃避・責任回避」と見做されても仕方ありません。 基礎中の基礎である支出ですが、たかが支出、されど支出です。

 さて今の貴方は上記の5段階のうち、どこまで自信をもって「YES」と言えたでしょうか? そしてその結果を受けて今後についての検討を自分が責任を持って始めることを認識出来たでしょうか?

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寺田淳
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寺田淳(行政書士)

寺田淳行政書士事務所

 起業・独立や転職、再就職を考えるシニア世代に対して、現時点での再就職市場の動向や起業する際の最低限の心構えを始め、私自身が体験した早期退職から資格起業に至るまでの経験やノウハウを紹介します。

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