整理整頓の重要さ
【今日のポイント】
起業・独立を目指す場合、どういったユーザー向けのサービスを提供するかが成功の大きな鍵を握っています。
特に、高齢社会を迎え、今後もこの傾向が長く続くと見做されている今、ターゲットユーザーの選定が需要な問題となっています。
【年齢不問で求められるもの?】
高齢社会に限らず、ヒトとして暮らす中で必ず必要とされるものは何でしょうか?
まず浮かんでくるのは、3度の食事ではないでしょうか? 特に最近は家庭内で食べる「内食」傾向が高まっており、少々値段が高くても健康を損なわない食材、旬を味わえる食材といったものを選ぶ家庭が増えていると聞きます。 これに加えてひとり暮らしであれば一人用のおかずや総菜へのニーズは高いものがありますし、高齢者の場合外出が難しいケースも考えられます。 こういった環境からイメージできるものとしては
1)高齢者は健康食品、トクホに関心が高い、ただ食は細くなる、ボリュームより品質や品数重視に。
2)なので惣菜パックは 1人前、2人前を拡充し無駄や食べ残しが出ない工夫をする。
3)牛乳や他の飲料等も小型化等することで使い切りしやすく、無駄な賞味期限切れを招かない。
このような要望に既に一部のコンビニやスーパーでは応え始めているようです。
外食の場合では 例えば喫茶店の早朝営業の開始、長居できる内装への変更、充実のモーニングセットメニュー開発などで回転率よりもリピート率の向上、「常連さん確保」にシフトチェンジするケースが増えています。 従来のように若者中心=深夜ニーズへの対応ではなく、高齢者主体の早朝ニーズへの対応が求められてきます。
【高齢者のニーズに対応するもの】
イの一番に挙がってくるのは、やはり医療・健康関連でしょう。
健康維持の為の各種のサプリ、体力維持の為の高齢者向けのジム通い、最近になって目立ってきた目や歯の機能維持や確保の為の様々な健康法等にも強い関心が向けられています。
趣味の世界でも最近の高齢者は私を含め、けっこう出たがりが多く、カラオケ等はその筆頭でしょう。 特に時間に余裕がある場合には午前から仲間同士集まってカラオケを熱唱することも少なくありません。 カラオケ業界でも営業時間の見直しや、高齢者向けの選曲の充実、高齢者向けの割引サービス等で「新規顧客層」それも今後も増加が確実に見込める?有望な層の獲得を図っているのです。
さらに 従来から人気の高かった教養・趣味に関するニーズも相変わらずの人気で、これを受けて多くの美術館、博物館での高齢者向け割引サービスの実施や 史跡探索のツアーの開催、自治体による寺社巡り等も時間に余裕があり、比較的おカネにも余裕のある高齢者に人気となっています。
さらにさらに、最新の傾向ではパソコン、インターネットへの関心も高くなってきています。定年退職後にパソコンを始め、インターネトに行き着き、フェイスブックからツイッター、インスタグラムにまで手を拡げたという「強者」を何人も知っています。 なかにはデジカメで投稿しているうちに今度は撮影が趣味になったというケースもありました。
とはいえ、興味があると言っても独学で習得するのは困難でもあります。 その為にパソコン教室やインターネット講座等もこれまでの若者、学生向けから高齢者向けのプログラムに切り替える例が増加しています。 スキルが身に付けば、当然自前の機器を持つことに関心が移りますから、今度は家電店に関心が向いていきます。
同様に、高齢者向けの携帯やスマホもいろいろな機種が用意され、最低限の機能、分かりやすい表記等を「売りにした」専用モデルも豊富になってきました。
【高齢者から派生するニーズ】
全く別の視点になりますが、子や孫のいる高齢者の場合は、特に孫への出費にはかなり甘くなっている、とマスコミで取り上げられています。
今やランドセルは祖父母が購入当たり前で、単価も5万円台!の品が急伸しているとのことでした。 当然ランドセル以外にも服やおもちゃ、三輪車から自転車、しまいには子供の通園・通学時の送り迎えようにと自動車買い替え費用までという話も聞きました! 特に両親の親が双方健在である場合、2倍の(2つの)財源があることから変な対抗意識から加熱する傾向もあるようで、このようなニーズにも敏感に対応できるかどうかで 新しい市場に自分の居場所を構築できるようになるのです。
【シニアおひとり様も重要なターゲットに】
最後に高齢者とは別の意味で「非婚者」への対応も今後の大きな課題となるでしょう。 特にシニアに差し掛かったおひとり様には先に高齢者のニーズでも採り上げた一人用食材や、おかずへの需要が同様に考えられますし、趣味や教養にかける時間やおカネも無視出来ません。 「おひとり様~シニアおひとり様~高齢者」と続く社会の流れに適合した視点を持つことで、より起業・独立の長期的な成功の可能性は高まるのです。
特にこれから物販や小売り、又は飲食での起業を考えているのでしたら、上記の様な事例を十分検討し、方向性を確認することも大切な課題となるでしょう。