経営危機で悩んでいる経営者の方へ―少額管財で「再出発」の一歩を踏み出しませんか?【才藤 投稿】
内藤明亜事務所の才藤です。
会社の資金繰りについて、ご家族にはもう話した。けれど、そこから何をすればいいのかが分からない。そうしたご相談が、経営者ご本人から数多く寄せられます。
目次
1.「家族には話した」——その先が空白になる
お電話でよくうかがう言葉です。
打ち明けたこと自体は、大きな前進です。多くの経営者は、そこまで到達しません。
ただ、そこで止まってしまう方が少なくありません。話したあと、何をどの順番で手をつけるかが分からないからです。
打ち明けた翌日から、資金繰りは1日ずつ進みます。空白の期間が、そのまま選べる道を狭めます。
2.Aさんの場合
関東地方で、従業員数名の製造業を営むAさん。月商は数百万円、借入は複数の金融機関にまたがっていました。
半年前、奥さまに「厳しい」とだけ伝えていました。具体的な数字は共有していません。
ご相談の電話をいただいたとき、Aさんは自社の状況をこう説明されました。「まだ返済は遅れていない」。
こちらから日付を一つずつ確認していくと、実際には社会保険料が数か月分滞納していました。差押えの予告通知も届いていました。
Aさんが悪意で隠していたわけではありません。数字と期日を、一度も並べて見ていなかったのです。
3.遅れるのは、決断力の問題ではない
判断が遅れる理由は、性格でも覚悟でもありません。
判断材料が、頭の中にばらばらに散らばっているからです。
給与の支払日は分かる。返済日も分かる。けれど、それを一枚の紙に並べたことがない。
そうなると、どれが先に来る期限なのかが見えません。見えないものについては、決められません。
東京商工リサーチが2026年7月に発表した集計では、今年上半期の全国企業倒産は5,346件でした。5年連続で前年同期を上回っています。
その多くは、判断が遅れたのではなく、判断する材料が揃っていなかったケースだとわたしたちは見ています。
まだ相談する段階じゃない、と思っていませんか。
4.まず、この5つを一枚に書き出してください
ご相談の前に、手元で確認していただきたい項目です。
- 次の給与支払日と、その日に必要な金額
- 金融機関への次の返済日と、約定どおり払えるかどうか
- 税金と社会保険料の滞納額、督促や差押予告が届いているか
- 連帯保証をしている借入の一覧と、保証人になっている方の氏名
- 自宅の名義、住宅ローンの残高、担保が付いているかどうか
決算書を作り直す必要はありません。通帳と、届いている郵便物だけで足ります。
このうち後半の2つは、ご家族の生活に直接かかわります。すでに打ち明けているのであれば、ここまで共有しておいたほうが後が楽です。
5.逆に、まだ動かさないでいただきたいこと
同時に、この3つは急いで判断しないでください。
- 親族や知人からお金を借りて、返済に充てる
- 生命保険を解約して、当座の資金にする
- 自宅や車の名義を、ご家族に移す
いずれも、その場では資金繰りが軽くなります。けれど、後の手続きで問題になることがあります。
特に3つ目は、ご家族を巻き込む形になりかねません。動かす前に、弁護士の判断を挟んでください。
当事務所は弁護士事務所ではありません。倒産処理に精通した弁護士をご紹介し、その前後をお支えするのが役割です。
会社をどうするかだけでなく、その後の生活をどう組み立て直すか。そこまで含めて一緒に考えます。
6.一人で抱え込まないでください
ご家族に話せているのなら、すでに一番重い扉は開いています。
あとは、材料を揃えて、順番に手をつけるだけです。その順番を一緒に考えるのが、わたしたちの仕事です。
何かが決まってからでは遅い、ということはありません。何も決まっていない段階のご相談を、いちばん歓迎しています。
ご相談の多くは、経営者ご本人からのお電話です。
相談したからといって、倒産することにはなりません。
ご本人が動けないときは、ご家族からのご相談も受けています。
内藤明亜事務所/〒169-0072 東京都新宿区大久保1丁目1-13/03-5337-4057


