倒産とは?倒産処理の選択肢とメリット・デメリットについて紹介【才藤 投稿】
「破産か、夜逃げか」の二択に絶望しないでください。家族を守る
「先生、もう限界なんです。どうすればいいでしょうか……」
絞り出すような声でそう相談した経営者に対し、多くの弁護士は冷徹にこう告げます。
「もう、夜逃げするか、自己破産するか。この二択ですね」
長年、地域経済や日本のものづくりを支えてきた経営者にとって、これほど残酷な宣告はありません。しかし、本当に道はその二つしかないのでしょうか?
先日、当事務所を訪れた60代の経営者・Aさんの事例を通じ、教科書通りの法律論では救えない「経営者の人生」を守る方法についてお伝えします。
弁護士の「正論」が、経営者を追い詰める現実
Aさんは、数十年にわたり大手メーカーの下請けとして、特殊な精密機器の製造・保守を担ってきました。しかし、現実は過酷でした。
•数十年前から据え置かれたままの取引単価
•度重なる現場からの無理難題
•追い打ちをかけるような主要取引先とのトラブル
気がつけば資金繰りは火の車。さらにAさんの心を折ったのは、プライベートの苦境でした。長年連れ添った奥様が重い病に倒れ、高額な治療費と将来への不安がのしかかっていたのです。
「会社を畳むにしても、手元にお金がなければ妻を守れない」
必死の思いで相談した弁護士から返ってきた答えが、冒頭の「夜逃げか、破産か」という無慈悲な二択でした。
なぜ弁護士は「破産」を勧めるのか
誤解を恐れずに言えば、多くの弁護士は「法律」の専門家であって、「経営者の人生」を救う専門家ではありません。
破産手続きには、裁判所に納める多額の予納金や弁護士費用が必要です。彼らは、あなたが家族を守るために必死で確保したわずかな現金を、手続きのために「ゼロにしろ」と言っているのです。
しかし、そのお金は奥様の命をつなぐための資金であり、あなたが明日生きていくための糧ではないでしょうか。それを「手続きの費用」として使い果たしてしまうことが、果たして正解と言えるのでしょうか。
第3の選択肢:「放置(塩漬け)」という戦略
わたしたちはAさんに、全く別の道を提案しました。それが**「放置(塩漬け)」**という戦略です。
もし、会社に差し押さえるべき不動産などの資産がなく、従業員への責任も果たし終えているのなら、今すぐ高い費用を払って破産を急ぐ必要はありません。
•「夜逃げ」をして怯える必要はありません。
•「破産」でなけなしの現金を失う必要もありません。
弁護士という法的な防波堤を立てて債権者からの督促を止め、堂々と、しかし静かに会社を「眠らせる」。これにより、手元にある資金を「家族の生活」や「奥様の治療費」のために優先的に使うことが可能になります。
経営者の尊厳と、家族の未来を守るために
「会社を眠らせる」ことは、決して逃げではありません。
限られたリソース(資金)を、最も守るべきもの——つまり、あなたの家族や自分自身の人生——に集中させるための、極めて現実的な経営判断です。
Aさんは今、静かな環境で奥様の看病を続けながら、少しずつ平穏な日常を取り戻しています。
もしあなたが今、「もう終わりだ」と絶望の淵にいるのなら、どうか一人で抱え込まないでください。法律の枠組みを超えて、あなたの「人生」を最優先に考えた解決策が必ずあります。


