相続対策の基本(贈与の活用)
世の中の人のライフスタイルは大きく変化しています。
人生のありかたもバリエーションが広がり、自分の将来を描く「ライフデザイン」の必要性がますます高まっています。
多くのファイナンシャル・プランナー(FP)は「個人のお金のこと」について広範に知識を有し、日々研鑽しています。
ライフスタイルが多様化することで、人が抱えるお金に関する悩みも多様化しています。
そんな悩みに幅広く答えるとともに、必要に応じて様々な専門家との「橋渡し」ができ、ワンストップで解決に導くFPの存在価値はますます高まるだろうと考えられます。
日本人の平均寿命は右肩上がりを続けています。
今日の日経新聞で2016年に90歳(卒寿)を迎える人の割合は男性で4人に1人、女性は半数近くになることが記事になっています。
特に、最近特に話題になることが増えた「長生きのリスク」。
何も将来像や老後計画を描かないまま定年を迎えると、その後まだ何十年という老後生活が続くうちに金銭面はもちろん、精神面でも自分を維持できなくなる。
そういう人が増えるだろうといわれています。
そんな中、今「ライフシフト」という本がベストセラーになっています。
人生100年時代の生き方を考える本、といってよいでしょう。
先日、FP協会主催のパーソナルファイナンス教育」に関するシンポジウムに参加してきました。
このシンポジウムは
・ パーソナルファイナンス教育を取り巻く背景の変化と必要性
・ 子供、社会人、高齢者それぞれに対してパーソナルファイナンス教育、すなわち個人のお金に関する教育を実践している人の経験に基づいた話
・ FP(ファイナンシャル・プランナー)としてパーソナルファイナンス教育を行うことの意義の共有
等について学ぶためのものです。
その中でも、「ライフシフト」に関する話題になりました。
グラフからも読み取れる通り、急速に伸びた平均寿命はペースこそ鈍化したものの今後も伸び続けていきます。
高度経済成長下、すなわち、昭和30年ごろからの約20年の期間の日本人は労働者として働く人の割合が多い時代だったといえるでしょう。
企業に雇用され、女性は専業主婦が中心。その生活は企業に守られてきました。
60歳で定年、その頃の平均年齢は70~78歳くらいですので、10年から20年くらいのが引退後の期間でした。
バブル経済前後である1980年代後半から1990年代前半くらいの時期には平均寿命が80歳を超え、引退後の期間も多くの人が20年を超えるようになってきます。
核家族化、出生率の低下、高齢化の進行が顕著になり、年金受給年齢が引き上げられていくことになりました。
一方で、この後もしばらくは60歳までの終身雇用が維持され、希望者は65歳まで働けるようにするという施策が浸透してきています。
では、今後はどうなるのでしょうか。
社会保障の不安が話題になって久しいですが、日本人はこれからも長寿化が続きます。
現在のままでは現行制度は行き詰まるので、さらに何らかの制度改革が必要になるのは明らかです。
一方で、個々人でも対策を考える必要がある、というのが「ライフシフト」が求められる所以です。
ひとりひとりが定年後、引退後の生活に向け金銭面だけでなく、精神面やキャリアメイクも含めて準備する必要があるという考えです。
もしかすると、今あなたが持っている経験や知識をもとに支えられている仕事は10年後にはAIに置き換わっているかもしれない。
そんな場合に備えて、自分ならではの今後20年、30年使える知識や経験を今から積み上げていく必要もあるかも知れません。
既に、自分なりの考えをもって動き始めている人もいます。
その一方で、大企業に勤めている人ほど会社に守られ、自分の引退後のことなど考えもしない人が多いのではないかと懸念されます。
今50歳の人ならば、人生あと50年の生き方を考えるべきではないでしょうか。
社会人になったばかりの人も、ずっと一つの企業に身を置き続ける時代ではなくなっていることを考えないわけにはいきません。
今の子供たちが大人になる頃は、今の大人には想像もつかない未来が待っているでしょう。
今の大人たちが子供にするアドバイスは役に立たないかもしれません。
それぞれの世代に必要なのは、自分の将来を描くこと。
個々人の「ライフデザイン」の重要性はますます高まっています。