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労働基準監督署から調査のお知らせが来たとき

桐生英美

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「労働基準監督署から調査のお知らせが届きました。できることなら調査を受けたくありません。どのように対応したらいいですか?」というご相談が時々あります。

労働基準監督署の調査には、呼び出し調査と臨検監督の2種類があります。呼び出し調査は、社長を監督署に呼び出して行います。
その際に、指定された書類を持参した上で、調査を受けます。
臨検監督は、監督官が事業所に出向いて調査を行うことです。多くは事前に日時を指定した通知が送付されます。
予告なしに、突然会社に来ることもあります。

この臨検監督は、定期監督と申告監督の2種類があります。
申告監督については、別の機会で解説します。

定期監督は、無作為で選ばれることになっていますが、時期によっては業種や労災発生の多い事業所を選び定期的に調査をします。

この場合には、指定された書類を用意しておくことです。また、日時が都合が悪い場合には、日程を変更するように連絡します。
無視してはいけません。誠実に対応することが大切です。

書類は、労働者名簿、雇用契約書、就業規則、出勤簿、賃金台帳といったものを準備します。
定期監督であれば、調査は労働時間や雇用条件が、労働基準法に違反していないか、確認します。特に、出勤簿と賃金台帳は念入りにチェックされます。

残業代を支払っていないからといって、賃金台帳を見せなかったり、タイムカードを書き換えたりすることは絶対にしないでください。
発覚すると思い罰則を受けることもあります。

残業時間と賃金台帳の残業代の時間が違っていたりすると、是正の指摘を受けます。
その場合には、未払い分を精算するように勧告されます。
そして、期限を決めて、是正したかの報告を求められます。概ね3か月間は、報告することになります。

調査の現場では、監督官はいろいろと質問をします。
残業代については、社長の考えと違うこともあり、反論したいところですが、たいていの場合、社長が自枌尾都合の良いように解釈して正しく理解しておらず、違反している場合が多いので、おとなしく聞いておくことです。

社会保険労務士が顧問にいる場合には、同席してもらうと良いです。
また、顧問でいない場合でも、スポットで同席を依頼することも、心強いと思います。

立ち入り調査の後、是正報告書を提出し、違法な状態がなくなったと、監督官が認めた場合には、調査は終了となります。

呼び出し調査や臨検は、会社の労務管理の定期健診と考えてください。経営者は、労働に関するルールをきちんと理解していない方が多いです。
調査の機会に、働く環境の整備について考える機会が来た、きちんとした会社にする機会、と前向きに捉えることです。


最後までお読みいただきありがとうございました。

※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。

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桐生英美
専門家

桐生英美(社会保険労務士)

日本経営サポート株式会社

民間企業での人事と採用経験25年、社労士登録20年。採用面接は2000人。中小企業が悩む採用問題、人事問題を、自らの実務経験と社労士の資格を活かして円満に解決するサポートをいたします。

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