2026年の中古住宅市場はどう動いている?「全面高」から地域選別へ
先日公表された2026年の都道府県地価調査では、全国平均の地価は住宅地・商業地ともに5年連続で上昇しました。
ただ、地域ごとに見ていくと、動きは少しずつ異なります。東京圏と大阪圏では上昇幅が拡大しましたが、名古屋圏や地方の主要都市では上昇幅が縮小しました。
今回は、東京を中心に2026年の基準地価を振り返りながら、数字を見るときに気をつけたい点を整理します。
第1章 全国平均では上昇が続いています
2026年の全国平均変動率は、住宅地が前年比+1.0%、商業地が+2.9%、工業地が+3.3%でした。住宅地と商業地は5年連続の上昇です。
住宅地の上昇率は前年と同じで、商業地は前年の+2.8%から少し拡大しました。一方、工業地は前年の+3.4%からわずかに縮小しています。
全国平均からは、地価の上昇が続いていることが分かります。ただし、その数字が全国のどの地域にも当てはまるわけではありません。
第2章 東京圏と大阪圏では上昇幅が拡大しました
三大都市圏の住宅地は、東京圏が+4.0%、大阪圏が+2.3%、名古屋圏が+1.5%でした。商業地は、それぞれ+8.9%、+6.8%、+2.7%となっています。
前年と比べると、東京圏と大阪圏は住宅地・商業地ともに上昇幅が拡大しました。一方、名古屋圏も上昇は続いていますが、その幅はやや縮小しています。
いずれも上昇しているという点では共通していますが、前年からの変化には違いが見られます。
第3章 東京23区では都心以外にも上昇が広がっています
東京都の住宅地は+6.0%、商業地は+11.6%でした。東京23区に限ると、住宅地は+8.7%、商業地は+13.3%となっています。
23区の商業地を区ごとに見ると、台東区が+19.6%、北区と荒川区がともに+16.9%でした。高い上昇率が見られるのは、都心部だけではないようです。
商業地の上昇には、店舗やホテルの需要、オフィスの収益性、再開発への期待、マンション需要との競合など、複数の背景が挙げられています。もちろん、それぞれの土地で事情は異なりますが、東京の地価を考えるうえでは、さまざまな用途からの需要が関わっていることも見ておきたいところです。
第4章 地方圏でも地域によって事情が異なります
地方圏の住宅地は、平均で+0.1%でした。ただし、札幌市・仙台市・広島市・福岡市の「地方四市」を除く地域では0.0%です。
一方、観光やリゾートへの需要が強い地域では、大きな上昇も見られます。長野県白馬村の市町村別平均変動率は、商業地が+30.8%、住宅地が+25.6%でした。
また、富山県は全用途平均が+0.1%となり、34年ぶりに上昇へ転じました。建築費が上がるなかで、土地代を抑えられる地域に住宅需要が向かう動きも報じられています。
地方圏を一つの平均値で見るだけでは、こうした地域ごとの事情は見えにくくなります。
第5章 平均変動率と個別の土地の価格は分けて考えます
基準地価は、不動産市場の動きを知るうえで参考になります。ただ、たとえば「東京都の住宅地が平均6.0%上がったので、所有する土地も6.0%上がった」とは言えません。
実際の土地の価格には、駅からの距離、道路の条件、用途地域、面積や形状、周辺環境などが関わります。同じ地域にある土地でも、それぞれの条件によって価格は変わります。
相続に関係する不動産についても、地域の地価動向は参考になりますが、個別の価格を考える際には、その土地の状況を改めて確認する必要があります。
まとめ
2026年の基準地価は、全国平均では上昇が続きました。その一方で、東京圏・大阪圏、名古屋圏、地方圏では、上昇の幅や背景に違いが見られます。
基準地価を見る際には、平均の数字だけでなく、対象とする地域や用途にも目を向けると、地価の動きがより分かりやすくなります。
詳しい数値や東京23区の動きについては、ローツェ不動産鑑定のブログ記事「2026年の基準地価はどう動いた?東京圏の上昇拡大と地域差から見る地価動向」で紹介しています。


