第11回全世界空手道選手権大会 初日の結果と明日の見所

田口恭一

田口恭一

テーマ:世界大会・全日本大会




第11回世界大会初日の結果と明日の見所

Aブロック

1 荒田昇毅(千葉中央)VSベラ・カゼラ(ハンガリー)
  第1試合とあって、かなり気合いの入っていた荒田選手。落ち着いた組手で、下突きと三日月蹴りを効かせて判定勝ち。初戦だけあって動きはやや硬いが、これから調子も上がってくる事でしょう。
  2回戦は中国のチャン選手。3回戦はロシアのアンドレイ・ズボレフ選手と対戦。1発の攻撃力はロシア選手にしては感じられませんが、スタミナと手数に注意。体重判定になる前にきっちり差をつけて勝ちたい所。

24 竹岡拓哉(東京城西)VSタムサンカ・ムゴメズル(南アフリカ)
 試合開始と同時に攻めてくるタムサンカ選手に対して落ち着いて対応する竹岡選手。下突きと下段が良い感じで当たる。しかしながら相手も打たれ強く、前に前に出てくる。途中マイク・タイソンを彷彿させるガードを固めたピーカブースタイルで上体を振り、リズムに乗って攻めて、本戦で完勝。
 2回戦はモンゴルのバツシグ・ムンクエルディン選手。3回戦はロシアの強豪、ルスラン・アフメドフ選手と対戦。

25 高橋佑汰(東京城北)VSソヘル・スルタン(バングラディシュ)
 不戦勝。2回戦は南アフリカのムルンギシ選手。3回戦はロシアのトルニケ選手と対戦。トルニケ選手は初戦、アメリカのホアング選手を1本勝ちで下しています。

41 大澤佳心(城西世田谷東)VSビクター・ティメフ(オーストラリア)
 身長191センチ、130キロのビクター選手に対して、176センチ、81キロの大澤選手。大きい相手にいかに戦うかが見所のこの試合。蓋を開けたら、中間距離で足を使って中段回し蹴り、接近したら内股蹴りと、早いステップと鋭い攻撃で一方的な展開に。大澤選手が内股への下段回し蹴りで見事1本を奪い勝利しました。
 2回戦は、南アフリカのゾラニ選手。この選手も177センチ、105キロと大きな選手。南アフリカの選手は打たれ強く気持ちも強いので、油断はできません。3回戦は、強豪アンドレイチルコフ選手(ロシア)。お互い動きが早く攻撃力があるので、目が離せない戦いになるでしょう。

44 谷川聖哉(正道会館)VSセメン・ハラン(ウクライナ)
 181センチ95キロの谷川選手と182センチ98キロのセメン選手が真っ向から激しい打ち合いを繰り広げました。谷川選手の下段蹴りが有効で、本戦5‐0の判定勝ち。手を開いて押してしまう癖があるのでそこは注意したいところ。
 2回戦はアルゼンチンのエルビス選手。3回戦は190センチ、86キロ、ロシアの強豪、キリル・コチュネフ選手。

 ※Aブロック注目選手。
 32 ファールーク・トルクンボエグ(ロシア)と36 アレハンドロ・ナバロ(スペイン)が3回戦で対戦。ファルーク選手は初戦jは落ち着いて戦い余力を残して勝利。アレハンドロ選手は後ろ蹴り、変則の上段等で相手をを翻弄して勝利。二人の対戦は要注目です。

 
Bブロック

49 上田幹雄(横浜北)VSスカンダー・ヨセフィー(チュニジア)
 中間距離では前蹴り、接近しては膝蹴りと、相手を全く寄せ付けない上田選手。判定5‐0の圧勝でした。
 2回戦はジャンヒャン・チョイ(韓国)選手。3回戦はザビド・オルズボフ選手(ロシア)。ザビド選手は、1回戦中段突きで技有りを奪って勝ち上がりました。

57 清水祐貴(東京城北)VSズミトリー・ヴァラベイ(ベラルーシ)
 試合開始と同時激しい打ちあいを展開。スタミナに勝る清水選手の内股蹴り、下突きが冴えます。本戦5‐0の文句なしの判定勝ち。清水選手好調です。
 2回戦はニュージーランドのバーニー選手。3回戦では、ロシアの強豪、イリア・カルペンコ選手と対戦予定。カルペンコ選手の初戦は、余裕を持ってわざと試合時間一杯使って自分の動きを確認するかの様に戦っていました。

78 原田祐光(本部直轄浅草)VSルチアーノ・セレノ(アルゼンチン)
 試合開始の太鼓の音とともに、ルチアーノ選手が原田選手に襲いかかります。その攻撃がなかなか止まず、原田選手は的確な突きを当てて行くも、少々面食らった感じ。手数ではルチアーノ選手でしたが、原田選手の突きがしっかり相手にあたっていたので後半失速すると思っていましたが、やや粘られた感じ。原田選手の突きと下段の有効打が認められ、4-0の判定勝ち。しかしながら、会場はブーイングも。日本選手が勝っている試合でも、相手が頑張るとブーイングが起こります。日本選手は惑わされる事無く、自分の組手を信じて貫いて欲しいです。
 2回戦はロシアのデビット・シアン選手。175センチ、88キロと大きな選手です。初戦で179センチの長身選手と対戦したのは良かったかもしれません。3回戦は強豪 ジマ・ベルコジャ(フランス)と対戦。
 ジマ選手は初戦不戦勝。

96 鎌田翔平(東京城西)VSブライアン・ディゾン(フィリピン)
 ブライアン選手、フィリピンの選手ながらと言ったら失礼だが、非常に力強く、上段の技もありなかなか良い選手。途中後ろ回し蹴りが鎌田選手の顔を掠め、コーチ陣は一瞬肝を冷やしました。初戦で動きがやや固かった鎌田選手。しかしながら、攻撃力で上回る鎌田選手が中段膝蹴りで1本を奪い2回戦に進出。
 2回戦はイタリアのジュゼッペ選手。3回戦はロシアのコンスタンチン・コバレンコ選手と対戦予定。

 ※Bブロック注目選手
 60 エルダー・イスマイロフ(ウクライナ) 非常に高い技術を持った選手。攻撃の全てが一本に繋がるコンビネーションで、気を抜けません。初戦を見たら、今回、非常に突きが力強くなっていて驚きました。彼の試合に是非注目して下さい。

 84 イゴール・ティトコフ(ロシア) 初戦は外回し蹴りと後ろ蹴りで華麗に合わせて1本勝ち。なんでもできる強豪選手です。

 85 ブラディスラブ・エキモフ(ロシア) 初戦、ブラジルの強豪シオゴ選手を、延長開始早々、後ろ回し蹴りでマットに沈めました。会場に衝撃が走る見事な1本勝ちでした。

 90 ダニエル・ブコイ(ポーランド) 前回の世界大会では、当支部の稲岡選手も敗れている強豪選手。初戦は下突きで1本勝ちで勝ち上がりました。3回戦でエキモフ選手と対戦。

Cブロック
97 森善十朗(東京城西)VSムサブ・アルハサウィー(クウェート)
 森選手の不戦勝。
 2回戦はドイツのダニエル選手。3回戦では、ルーマニアのニコラエ・ストイアン選手と対戦予定。

120 小沼隆一(下総)VSザバニ・ルバンヤナ(南アフリカ)
 154センチ 63キロと小沼選手より小柄ながら、闘志溢れる組手で小沼選手と互角に打ちあうザハニ選手。やはり南アフリカの選手の耐久力は相当なもの。後半、小沼選手が足を使い、手数も上回り、3-0で僅差の勝利。
 2回戦はアメリカのショウタ・モリヤマ選手。3回戦はfロシアの強豪、マゴメド・ミツサエフと対戦予定。

121 澤村勇太(総本部)VSキザケダトゥ・モハンナサル(インド)
 構えた週間から、澤村選手に飲まれてしまった感じのキザケダトゥ選手。澤村選手が、下段回し蹴りと、中段回し蹴りの合わせて1本勝ち。副審の旗が取れて飛んでしまい、会場が沸きました(笑)
 2回戦はカナダのマーク・ベルグ選手。3回戦は韓国のデーユー・キム選手とニュージーランドのジョシュ選手の勝者と対戦。

138 山川竜馬(東京城北)VSマタン・エリアキム(イスラエル)
 この試合はセコンドにつかず客席の横から試合を見ていました。お互い、ほぼ互角の打ちあいながら、両者一歩も引かない展開。やや山川選手の下段が有効な印象。山川選手手数もあり調子良い感じです。4‐0の判定勝ち。
 2回戦はフランスのマキシム選手と対戦。3回戦はロシアのイヴァン・メゼンツエフ選手と対戦。

 ※Cブロック注目選手
 103 アントニオ・トゥセウ(フランス) 初戦、カナダの強豪チク選手と対戦。チク選手はブラジルで開催された団体戦で、スペインのナバロ選手の腕を後ろ蹴りで粉砕し勝利した強豪選手。そのチク選手を後ろ回し蹴りで倒して2回戦に進出。突きの間合いから繰りだ出される、多彩な上段蹴りは対戦相手にとって脅威です。

 108 ラシャ・ガバラエvフ(ロシア) 初戦、下段回し蹴りで技ありを奪い勝利。3回戦でトゥセウ選手と対戦予定。非常に面白い戦いになりそうです。

 109 ザハリ・ダミヤノフ(ブルガリア) 初戦は堅実な戦いで勝利。優勝候補の一人です。

 139 アンドレイ・コロソフ(ロシア) 1回戦では中段突きと二段蹴りで合わせて1本勝ち。突いてよし、蹴って良しの選手です。

 144 オレクサンダー・イエロメンコ(ウクライナ) 今年のオールアメリカンチャンピオン。優勝候補の一人です。初戦は前半は様子を見ながらの戦い、試合後半仕掛けて下突きで見事な1本勝ち。3回戦でコロソフ選手がイエロメンコ選手にどんな戦いを見せるか楽しみです。

Dブロック

145 安島喬平(茨城常総)VSルワジ・フィンカ(南アフリカ)
 軽快なフットワークと、切れのある下段、時折見せる後ろ蹴りと、昨年のアキレス腱断裂の影響は全く見られない、軽快な組み手の安島選手。南アフリカの選手らしく打たれ強いルワジ選手も後半はやや失速。安島選手5‐0の文句ない勝利。
 2回戦は中国のシャビャオ選手。3回戦はアリム・ユヌアオフ(ロシア)選手と対戦。

151 樋口陽太(千葉中央)VSサイモン・テグィエレ(カナダ)
 前に出ようとする樋口選手に対し、変則の横蹴りや上段で距離を取ろうとするサイモン選手。力強さはないが変則の蹴り技に中に入りあぐねる樋口選手。中に入ると確実に樋口選手の突きは相手にダメージを与えている。その攻撃を我慢して手数を出すサイモン選手に会場が少しわきます。ダメージは無いものの上段の蹴りが鼻を掠め、樋口選手は出血。本戦は2‐1の引き分け。延長に入り、三日月蹴り、クイックが確実に決まりはじめ、防戦一方になるサイモン選手。延長5-0で樋口選手圧倒的勝利。
 2回戦はブラジルのリカルド選手と対戦。3回戦はルーマニアのフロレンティン選手とロシアのアショット選手の勝者と対戦。アショット選手は初戦、突きで合わせて1本勝ち。

157 南原健太(東京城北)VSヘルダー・アドレスクエラ(スイス)
 非常に動きが軽快な南原選手。下段も突きも膝蹴りも冴えわたり、終始相手を圧倒。まさに「風拳」。
2回戦はセルビアのバンジャ選手と対戦。3回戦はロシアのアレクセイ・ガリエフ選手とポーランドのウオイジク選手の勝者と対戦。

169 中村昌永(兵庫・大阪南)VSアリレザ・シャムス(ドイツ)
 試合開始と同時に中村選手の後ろ回し蹴りが相手の顔面を掠めました。落ち着いて、引くところは引き、攻めるところは攻める中村選手が終始試合をコントロール。試合後固かったと本人は言っていましたが、非常に調子よさそう。
 2回戦は南アフリカのベレビー選手。3回戦は、ロシアの強豪、193センチ、デビット・シャルコシャンと対戦予定。

181 荒木聡(本部直轄浅草)VSロバート・ストゥルザース(ニュージーランド)
 日本代表のテーマである機動力を使い、間合いをコントロールする荒木選手。内股への攻撃で合わせて1本勝ち。絶好調です。
 2回戦はチリにパトリシオ選手。3回戦はアメリカのソウタ・ナカノ選手とハンガリーのデビット選手の勝者と対戦。

 ※Dブロック注目選手
 180 ゴデルジ・カパナーゼ(ロシア) 久々の試合出場のゴデルジ選手。若干痩せた印象でした。試合が始まって、彼が攻撃する度に会場に響く打撃音は他の選手とは別格でした。スピード、破壊力ともに図抜けています。強い!!。中段回し蹴り1発で相手を沈めました。4回戦で中村選手とシャルコシャン選手の勝者と対戦予定です。

 192 ダルメン・サドヴォカソフ(ロシア) 昨年の全日本チャンピオン。初戦、192センチ、110キロの巨漢選手と対戦。体格で勝る相手をまさに子供扱い。強力な突きで、戦意喪失にし一本勝ち。圧倒的に強さを見せつけて2回戦に進出しました。


初日は日本選手は全員勝利。ロシア選手もほとんど勝ち上がっています。

日本選手にとっては、3回戦が最初の山場になります。読んで分かる通り、ほとんどの選手が、ロシアの強豪選手と対戦します。

明日も、迫力ある好試合が続出する予感がします。

是非会場に足を運び、選手達への応援よろしくお願い致します。

■大会スケジュール、チケット情報

http://www.kyokushinkaikan.org/ja/news/2015/11/14/1120-23/

■大会初日結果

http://www.kyokushinkaikan.org/ja/news/2015/11/20/1120news/



 

 


  

リンクをコピーしました

田口恭一プロは朝日新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

関連するコラム

プロのおすすめするコラム

コラムテーマ

コラム一覧に戻る

プロのインタビューを読む

“心”と“身”を育む空手指導者

田口恭一プロへの仕事の相談・依頼

仕事の相談・依頼