言問学舎の冬期講習2024‐25 1年生も頑張っています
昨日8月8日で、ほとんどの学年が、夏期講習の前半日程を終了しました(一部学年は7日で終了、中学受験・大学受験は明日10日まで)。
各学年で、後半日程までの宿題を出して、前半終了としました。おおむね英語・数学に、中2・中3では社会<歴史>の基礎事項暗記がプラスとなっています(小学生は算数と、読書感想文の本読みあるいは「気に入った部分」探しが済んでいない人に、その部分がプラスされています)。
さて、今年の夏期講習では小学生10名が、それぞれの読書感想文にチャレンジしています。日程に制約のある生徒以外は、大半が「気に入った部分」と「思ったこと、感じたこと」のプリントまで進みました。速い子は、後半の登塾日までに、自分なりに感想文本体を書きすすめて来る目標を、自発的にこの間の宿題のようにしています。
Web夏期講習④および⑦でお伝えした通り、やはり「気に入った部分、心に残った部分」を決めたあと、「何を感じた(思った)か」を書く段階で、迷ったり、悩んだりする子が、多くみられます。文中に述べられていることと、「自分の考え、思い」とを、どう結びつけるか、そのことが、子どもたちの気持ちの中で大きなハードルになっているのです。
このハードルを超えるのは、そんなにむずかしいことではありません。生徒がどんなことを感じていそうなのか、二、三の対話をすればつかめる場合が多いですし、それさえわかれば、今度はそれをその子の身の周りの、気持ちの中で一本につながりそうなことがらと結びつけてあげるのです。
有島武郎の『一房の葡萄』という小説があります。絵を描くのが好きな主人公が、西洋人のクラスメートの持っている舶来の絵具が欲しくてたまらず、体操の時間につい手に取ってポケットに入れてしまい、盗みの犯人として大好きな先生のところへ連れて行かれるお話です。
この小説を読んだ子ども(小学生、もしくは中学生)が、主人公が先生のところへ連れて行かれた場面を、「印象深い(=気に入った)部分」として、選んだとします。しかしながら、「ではその部分を読んで、どう思ったのか」ということが、書けないわけです。
こうした場合、まず、「主人公の『僕』のような気持ちになったことがない?」と、聞いてみます。答えはたいてい、「ない」ですね。次に「どうしてもあの人だけには、自分の失敗を知られたくない」と思ったことは?と問いかけます。ここでたぶん、半分ぐらいの子は何かしら思い当たることがあって、何らかのことを口にすると思われます。
それでも「ない」「わからない」という場合は、「じゃあ少し前の部分(絵具をポケットに入れてしまうところ)で、もちろん◇◇ちゃんは本当にやったことはないと思うけれど、『僕』みたいに、人のものが欲しくて欲しくてたまらない気持ちになったことはないかな?」と聞くのです。このあとは省きますが、こうして「共感する部分」を引き出して行くと、子ども自身気づいていなかった「気持ち」が、だんだん見えて来ます。それを少しずつ書きとめて、あとでつなげて行くのが、感想文の書き方指導の、一つの方法です。
こうして子どもたちは、しっかりまとまった感想文を書き上げるとともに、何かを心の中にきざみこんで、大きく成長してくれるのです。
夏期講習の後半日程では、いよいよ実際の文の書き方、見直しのしかたなどに入って行きます。
国語力に定評がある文京区の総合学習塾教師
小田原漂情
文京区の総合学習塾・言問学舎